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朝起きるのがつらい、やる気がでない……もしかして「冬季うつ病」かも? 季節性感情障害(SAD)に打ち勝つための9つのアドバイス

  • 2024.12.8
A mental health concept. Of a man with his head in his hands vanishing into clouds. With a texture edit

気分が落ち込んでやる気がでない、涙もろくなった、朝起きるのがいつもよりつらい、甘いものや炭水化物を欲するようになった、人と会うのも億劫……。もしこういった症状に心当たりがあるなら、季節性感情障害(SAD)の疑いがあるかもしれない。

季節性感情障害は、日照時間が短く暗くなる今から冬にかけて注意したいもの。なぜなら、この時期は日照不足によって脳の視床下部が正常に働かなくなり、睡眠を誘発するホルモンであるメラトニンの分泌が増加し、幸せホルモンであるセロトニンの分泌が減少すると考えられているためだ。また、男性より女性のほうが発症しやすいという。これは「女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの周期的分泌に関係していると考えられている」と、メンタルヘルスケアプロバイダー「Priory」のコンサルタント精神科医であるナターシャ・ビジュラニ博士は説明する。

では、どうすれば季節性感情障害を予防・ケアできるのか? UK版『VOGUE』が予防とケアの方法を以下にまとめた。

1. 健康的な食生活

当たり前ではあるが、バランスのとれた栄養価の高い食事は心身の健康に不可欠。季節性感情障害の症状に悩まされている場合、つい甘いものや炭水化物に手を伸ばしてしまうことがあるが、それでは症状の改善に繋がらない。

そこで意識したいのが、単純糖質ではなく、血糖値をゆるやかに上昇させる複合糖質だ。バナナやリンゴのような繊維質の豊富な果物、ナッツ類、豆類、全粒穀物、ブロッコリーや葉物野菜といった野菜を日々の食事に積極的に取り入れてほしい。また、糖分への欲求を抑えるために、タンパク質を多く含む食品を摂り入れると◎。

2. ビタミンDサプリメントの摂取

「ビタミンDのサプリメントを摂ることはとても大切です」と栄養士のローズマリー・ファーガソン。研究によると、ビタミンDの1日の平均摂取推奨量は600IU。ファーガソンは、できるだけ日光を浴びつつ、IUの高いサプリを摂るべきだとも付け加える。

3. 自然光を浴びながらの散歩

自然光を浴びながら散歩をするのも気分転換に効果的だ。ビタミンDの生成を促進するだけでなく、ストレスや不安、高血圧の軽減といった、研究で示されている自然の恩恵を受けることができる。朝起きたら2時間以内に外へ出ることなどを習慣にしよう。1日の大半をオフィスのなかで過ごす人は、休憩時間を活用して外へ出たり、光が入る窓の近くにできるだけ身を置くようにしたい。

4. アロマセラピー

香り高いエッセンシャルオイルも、気分を高めるのに役立つ。入浴時間にバスオイルやシャワーオイルを取り入れたり、ちょっとしたリフレッシュに手首に塗るのがおすすめ。

5. 適度な運動

心拍数を上げることで、気分を高揚させるエンドルフィンが分泌され、ストレス解消に繋がる。運動と自然を組み合わせることができれば、なおいいだろう。

6. 簡単なヨガのポーズ

「2008年の『International Journal of Yoga Therapy』の研究によると、リストラティブヨガのポーズとビジュアライゼーションや呼吸法を組み合わせることで気分が高まり、エンパワーメントがもたらされることがわかっています」と話すのはTriyogaのヨガマネージャー、ジェニー・ウィルキンソン・プリースト。ヨガを取り入れることのメリットについて、「不安や悲しみは過ぎ去るものであり、永続的な状態ではないとを理解するのを手助けしてくれます。一時的なものであることを知ることで、人々は自由、個人の主体性、バランスの感覚を得ることができます」と続ける。

ウィルキンソン・プリーストがおすすめするのは、正座の状態で身体を前に倒すチャイルドポーズ(バーラーサナ)や、仰向けに寝た状態で両足を壁に直角に立てるレッグアップザウォール(ヴィパリタカラニ)といったポーズ。後者のポーズでは、骨盤の下にタオルやブランケットを敷いたり、背中の上部にボルスタークッションを縦に置くなどしてサポートするといいそうだ。

7. ライトセラピー(光療法)

ライトボックスやSADランプなど、光療法用照明の力を借りるのもひとつの手だ。研究によれば、普通の室内照明の約20倍にあたる1万ルクスの冷白色蛍光灯の光を毎日20~60分浴びるだけで、症状の改善が見られたという。イギリスの季節性感情障害協会によれば、この種のライトセラピーは85%のケースで効果があったそうだ。

「通常の照明では400〜500ルクス程度だが、気分とエネルギーを高めるためには、春の朝のような明るい光が必要です。少なくとも2,000ルクス、つまり明るいオフィスの約4倍の明るさが必要となります」と、ライトセラピーのエキスパートであるLumie®のマルゴ・ジエルゴは言う。このブランドの新しいデスクライト「Dash」は1万ルクスの明るさで、16~50cmほど離れた位置で約30分の間光を浴びると違いが感じられるという。「ほとんどの人は、朝のライトセラピーが最も効果的だと報告しているので、試してみる価値はあります。光が目に届くようにランプを配置するだけです」

8. 友人に会う・話す

「できる限り社交的になりましょう」とビジュラニ博士。「友人と話す時間を設けることは、たとえ電話やビデオコールであったとしても一日を計画的にし、孤独感や否定的な考えや感情を避ける方法となります」

9. 一人で悩まず、専門家に相談を

季節性感情障害は精神衛生上の問題であるため、一人で抱え込まず、専門家に相談するのが一番だ。あなたが苦しんでいるのが季節性感情障害なのか、それとも別のうつ病なのかを診断してくれるだけでなく、ビタミンD欠乏症などの検査もしてくれるはず。「認知行動療法を中心とした心理療法も有効です」とビジュラニ博士。「オンラインセラピーやカウンセリングなど、自宅にいながらも相談できるサービスを利用してもよいでしょう」

Text: Hannah Coates Adaptation: Motoko Fujita

From VOGUE.COM

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