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「飛んで火に入る夏の虫」とはどんな意味?その成り立ちや類義語は?

  • 2024.12.7

危険にまつわることわざ、それが「飛んで火に入る夏の虫」です。 この言葉は自ら危険に飛び込むことを意味します。

しかし、具体的にはどのような状況を指すのでしょうか? 今回はそんな「飛んで火に入る夏の虫」について解説します。

「飛んで火に入る夏の虫」とは

ここでは「飛んで火に入る夏の虫」の意味を解説します。

「飛んで火に入る夏の虫」の意味

「飛んで火に入る夏の虫」は、自ら災いに飛び込むことの例えです。

周りから見て危険なことや無謀なことなどに対して、自分から災難に飛び込むことを例えたことわざとなっています。

読み方は「とんでひに“いる”なつのむし」となっています。 「入る」を「はいる」とは読まないので注意が必要です。

その由来は虫の習性から

「飛んで火に入る夏の虫」は明かりに群がる虫の習性から来た表現です。

現に明るさに誘われて飛んで来た夏の虫が火で焼け死ぬ様子から来ています。

今でこそLEDが普及したことで、明かりに虫が群がることは減りました。

しかし、昔は明かりとして火を使用していたため、虫が引き寄せられて自ら焼け死ぬというのが往々にしてあったわけです。

こうした虫の習性は「走光性」と呼ばれ、ことわざの「飛んで火に入る夏の虫」の由来となっています。

「飛んで火に入る夏の虫」の用い方・例文

ここからは「飛んで火に入る夏の虫」の使い方・例文を紹介します。

危険を承知して進んでいく状況での例文

「飛んで火に入る夏の虫」は危険を承知して進んでいく状況で使用します。

・例文1:必ず負けるとわかっていながらも彼は無謀な戦いを挑むことにした。飛んで火に入る夏の虫とはこのことである。 ・例文2:絶対失敗すると言われた事業に挑戦した彼女は見事成功して帰ってきた。その勇姿はまさに飛んで火に入る夏の虫のようだった。

このように危険だとわかっていても突き進むという意味合いで使用します。

状況によっては勇敢なことの形容として使用されるものの、大抵は無謀なことの形容として使用されるので注意しましょう。

危険に気がついていない状況での例文

「飛んで火に入る夏の虫」は危険に気が付いていない状況でも使用します。

・例文1:彼は飛んで火に入る夏の虫の如く、ふらふらと誘われるように歓楽街へと消えていった。 ・例文2:彼女は飛んで火に入る夏の虫のように、どんどんYouTubeの世界へとのめり込んでいった。

このように危険だとわかっていない様子に使用することもあります。

ほとんどの場合は当人ではなく他人が呆れている様子で使用し、本人に直接使用することはほぼありません。

「飛んで火に入る夏の虫」の類義語

ここからは「飛んで火に入る夏の虫」の類義語を紹介します。

手を出して火傷する

「手を出して火傷する」は、余計なことに首を突っ込んだことでかえって痛い目に遭うことを例えたことわざです。

余計な手出しをして酷い目に遭うことの例えとしても使用されます。

火は手を出しさえしなければ火傷することもありません。 それは誰もが知っていることですし、故意に火に手を出す人などいません。

しかし、稀に自ら手を出して火傷してしまう人もいます。 そういった愚かな行為に対して「手を出して火傷する」を使用するわけです。

その点が「飛んで火に入る夏の虫」と似ているのではないでしょうか。

虎の尾を踏む

「虎の尾を踏む」は、極めて危険なことに手を出すことを例えたことわざです。

凶暴な虎の尻尾を踏みつけるとどうなるのかは明白です。

そのため、ほとんどの人は虎に近づこうともしません。 しかし、逆に水から虎の尻尾を踏みに行く人もいるかもしれません。

そのような危険な状況に自ら飛び込むことを「虎の尾を踏む」と表現します。

その点が「飛んで火に入る夏の虫」に通ずるのではないでしょうか。

まとめ

「飛んで火に入る夏の虫」は自ら危険に飛び込む様子を指します。

その危険に承知の上で飛び込む場合も、知らずに飛び込む場合も「飛んで火に入る夏の虫」と表現するのが特徴です。

基本的にこの言葉は第三者が本人の状況を指して使用します。 ただし、例外として本人に直接「それは飛んで火にいる夏の虫と同じだから気を付けて」と表現することもあるので注意しましょう。

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