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誰でも一度は憧れる!?“未来予知能力”を題材にした映画まとめ

  • 2024.12.7

未来を予知できる能力に誰でも一度は憧れたことがあるはず。予知能力を題材にした映画はこれまでに数多く作られてきたが、おもしろい作品が多い。本稿ではそんな快作を振り返ってみよう。

【写真を見る】犯罪を予知し、犯人を逮捕するシステムが運用される近未来が舞台の『マイノリティ・リポート』

未来予知システムにより犯罪者となった捜査官の逃走劇『マイノリティ・リポート』

まずはヒットメーカー、スティーブン・スピルバーグがトム・クルーズを主演に迎えて生みだした『マイノリティ・リポート』(02)。SF小説の大家フィリップ・K・ディックの原作に基づき、予知が可能となった近未来を舞台に、犯罪を未然に防ぐ特殊捜査官の奔走が描かれる。何者かの罠に落ち、未来の殺人犯として追われることになった主人公の逃走はスリリングで目が離せないが、一方で未来予知システムの欠陥も明らかに。この手の作品の多くは、未来は確定したものではなく、いま現在を生きることで変えられるものであることを訴えているが、本作にもそんなテーマがにじむ。

【写真を見る】犯罪を予知し、犯人を逮捕するシステムが運用される近未来が舞台の『マイノリティ・リポート』 [c]Everett Collection/AFLO
【写真を見る】犯罪を予知し、犯人を逮捕するシステムが運用される近未来が舞台の『マイノリティ・リポート』 [c]Everett Collection/AFLO

未来予知システムの危険性を指摘する『ペイチェック 消された記憶』

同じくフィリップ・K・ディック原作の『ペイチェック 消された記憶』(03)も、苦境に追い込まれた男の奔走劇だが、こちらでは何者かによる未来予知が彼の逃亡を手助けすることになる。しかし、本作でもやはり未来予知システムの危険性が指摘されており、この特殊能力が本当に人類に必要なものか否かが問われる。アクションの鬼才ジョン・ウーの剛腕演出や主演のベン・アフレックの熱演により、スリリングな一編となった。

多額の報酬と引き替えに3年間の記憶を消された男が陰謀に巻き込まれる(『ペイチェック 消された記憶』) [c]Everett Collection/AFLO
多額の報酬と引き替えに3年間の記憶を消された男が陰謀に巻き込まれる(『ペイチェック 消された記憶』) [c]Everett Collection/AFLO

生き延びたはずの若者たちに次々と死が迫る『ファイナル・デスティネーション』

ノンストップホラー『ファイナル・デスティネーション』(00)では事態はより切実で深刻だ。フライト前の飛行機内で凄惨な大事故の予知夢を見た若者がパニックとなり、仲間と共に降ろされたお陰で命は救われたが、死神は彼らを見逃しはしなかった…。不慮の事故で一人、また一人と命を落とし、次は自分の番なのではないかと気が気ではなくなる。いっそ未来など知らぬまま最初の飛行機事故で死んだほうが幸せだったのではないか?そんなふうに思えてくるのが妙味。

死を免れた者を死神は見逃してくれない…(『ファイナル・デスティネーション』) [c]Everett Collection/AFLO
死を免れた者を死神は見逃してくれない…(『ファイナル・デスティネーション』) [c]Everett Collection/AFLO

未来予知能力に目覚めた男の苦悩を描く『デッドゾーン』

モダンホラーの帝王スティーヴン・キングの原作を鬼才デヴィッド・クローネンバーグが映画化した『デッドゾーン』(83)も見逃せない傑作。交通事故により、他人に触れるとその人物の過去や現在、未来が視えるようになった男。大統領選に出馬している議員と握手した彼は、この議員が当選したあと、核ミサイルのボタンを押す未来を視てしまう。未来を変えるにはいま、動くしかない。誰にも信じてもらえなくても、彼はやるしかなかった。そんな奔走がスリリングで、結末はせつなくもある。

未来予知の能力で世界を救おうとする男をクリストファー・ウォーケンが演じる『デッドゾーン』 [c]Everett Collection/AFLO
未来予知の能力で世界を救おうとする男をクリストファー・ウォーケンが演じる『デッドゾーン』 [c]Everett Collection/AFLO

2分先(!)を予知する男がテロを阻止しようとする怪作『NEXT ネクスト』

『NEXT ネクスト』(07)は、これまたフィリップ・K・ディック原作のSFスリラーだが、主人公は”2分先”のことしか予知できない。2分でなにができるかどうかはともかく、FBIは彼の能力を利用してテロを阻止しようとするが、事態は二転三転…。なんじゃこりゃ!?というオチを含めて、映画ファンであれば観ておきたい怪作だ。

2分先の未来を予知するクリスをニコラス・ケイジが演じる『NEXT ネクスト』 [c]Everett Collection/AFLO
2分先の未来を予知するクリスをニコラス・ケイジが演じる『NEXT ネクスト』 [c]Everett Collection/AFLO

突然の予知能力に戸惑い、内面的な葛藤を描いていく『マダム・ウェブ』

12月4日よりブルーレイ&DVDが発売となったマーベルコミック原作による『マダム・ウェブ』も、この特殊なスキルを題材にした最新のミステリーサスペンス。ある日突然、未来を“視る”能力に覚醒した女性救急救命士が、命をねらわれた3人の少女を救おうと奔走。その過程で、彼女の生い立ちの秘密が明かされていく…。

主人公キャシーは予知能力に覚醒するが、最初は自分の身になにが起きたのかわからず戸惑う。それが予知能力であると理解しても、どう使うべきかわからない。そんな内面的な葛藤を通して、“大いなる力には大いなる責任が伴う”というスパイダーマン的な精神を身につけていく彼女の奔走は、サスペンスとしてはもちろん、人間ドラマとしても魅力を放つ。

ダコタ・ジョンソンが主人公のキャシーを熱演(『マダム・ウェブ』) [c] & ™ 2024 MARVEL
ダコタ・ジョンソンが主人公のキャシーを熱演(『マダム・ウェブ』) [c] & ™ 2024 MARVEL

『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』(15)でブレイクしたダコタ・ジョンソンは、この主人公を現代的なキャラクターとして演じているので、共感を覚える人も多いだろう。そんな点でも、“予知能力映画”というジャンルをアップデートした話題作。ぜひチェックしてほしい。

文/有馬楽

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