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今田美桜さん「忘れられない瞬間に、また出会いたい」 夢をあきらめない原動力

  • 2024.12.7

俳優を夢見て19歳の時に地元の福岡から上京し、その後はドラマや映画などで活躍している今田美桜さん(27)。下積み時代には挫折も経験してきた今田さんに、夢をあきらめずに続けてきた原動力や、現在の結婚観、年齢の重ね方などについて伺いました。

悩みも反省も、全てがその先につながる

――今田さんは19歳で上京し今のお仕事を始められましたが、これまでの最大の危機はどんなことでしたか。

今田美桜さん(以下、今田): 「危機」というか、これは私自身の大失態なのですが、ドラマ「ドクターX」に出演させていただくようになったころ、手術シーンの撮影がある日に寝坊してしまったことがありまして。その時は「もうダメだ、終わった」と思いましたね。急いで現場に着くと、皆さんが優しくフォローしてくださって。すごく反省して「もう二度と寝坊しない!」と誓いました。

――そんな苦い経験もありつつ、着実にキャリアを重ねて、2025年前期のNHK連続テレビ小説「あんぱん」のヒロインを演じます。下積み時代にはオーディションに落ちることも少なくなかったそうですが、ここまで夢をあきらめずに続けてきた原動力になったものはなんでしょう?

今田: やっぱりこの仕事が楽しいという気持ちですね。さっきお話しした遅刻だけじゃなく、日々反省することや悩むことはたくさんあって、それは今も変わりません。でも、それ以上に感動することが多くて、普通に生活していたらなかなか味わえない瞬間をお芝居の中で感じることができるんです。

そんな経験ができるのは、きっと自分ではない人を演じているからこそだと思うし、なかなか他では得ることができないので、楽しいし、充実感もあります。これまでお仕事してきた中で忘れられない瞬間がたくさんあって、またそれに出会いたい。悩むことや反省も含めて、今は全てがその先につながるから楽しいなと思えるし、それが自分の原動力になっていると思います。

朝日新聞telling,(テリング)

失敗しても元には戻れないから切り替える

――失敗や挫折を経験することであきらめてしまう人もいるかと思いますが、そんな時はどう気持ちを立て直していますか。

今田: 自分でも「このお仕事、向いていないな」と思うこともありますし、向いていると思うことのほうが少ないんです。だけど、これがずっと自分がやりたいと思ってきたことなので、自分の「好き」という気持ちが、不安を解消したり「もうやめようかな」という気持ちを踏みとどまらせていたりするのかなと思います。

それに、不安や悩みがあっても、ファンの方や友達から「あれ見たよ」という声を聞くと「また頑張ろう」と思えるんですよ。そういう幸せなことの方がたくさんあるので、その時の気持ちを思い出すと自然と立ち直っている気がします。

――「幸せだな」と感じた時の気持ちを思い出して、意識もそちらにシフトさせるんですね。

今田: 今でもたまに後ろ向きに考えてしまうことはありますが、「自分がやりたいことをやる」という気持ちが一番だと思います。「失敗しちゃったな」と思っても元には戻れないし、何か違う形で挽回するしかないので、そういう時は「次の日もあるんだから」と切り替えて、美味しいごはんを食べて、美味しいお酒を飲んで寝ます!

――「前を見て、次を考えよう」と思える気持ちが、すでに前に進んでいる気がします。

今田: 私もいつでも前を見られているのかは分かりませんが、「見ていたい」という願望ですね(笑)。それに、失敗を振り返ってその場に気持ちをとどめているよりも、先のことを考えるべきだと思うので、今はこのお仕事をさせていただけることに感謝して、一生懸命向き合いたいです。

結婚や出産を経験するステップに入った

――「telling,」では、30歳を前に結婚やキャリアなどについて焦ることを「29歳問題」として取り上げてきました。今田さんは現在27歳。「仕事か、結婚か」など人生の選択において焦ったり悩んだりする女性も多いですが、そういったことで悩んだことはありましたか?

今田: 同級生や仲のいい同年代の友達が、結婚や出産を経験するステップになってきているなと実感しています。最近、友人の結婚式に参加したのですが、すごく幸せな空気に包まれていて「やっぱり結婚っていいな」と思いました。昔は私もいつかは結婚したいと思っていたのですが、今は「結婚」ということよりも、大事なパートナーができたら、一緒に楽しく暮らしたいなという気持ちが強いです。

――今は「事実婚」や「別居婚」など、結婚の選択肢も増えていますね。

今田: 自分にとって安心できる場所があるのはとても幸せなことだなと思います。今は友達やお世話になっている事務所の皆さんなど、自分にとって安心できる場所はたくさんありますが、結婚や家庭というのは、またそことは少し違う場でもあるのかなと思うので、いつか一緒に人生を歩んでいきたいと思える人がいたら結婚したいと思いますし、その時の自分の気持ちに素直でいられたらいいですね。

朝日新聞telling,(テリング)

30代や40代の景色、早く見てみたい

――これから年を重ねていく上で「こんな女性になりたい」と思う理想はありますか?

今田: 先輩方から「30代は楽しいよ」とか「40代になったら楽になる!」といったことを実際に聞くと、私も「いいな。早くその景色を見てみたいな」と思います。だけど、それはきっと、皆さんがその時々でずっと頑張ってこられたからこそ得られる喜びや幸せだと思うんです。具体的に「こうありたい」という理想像があるわけではないのですが、私も「歳を取るって楽しいよ」と言える人でいたいなと思いますね。

歳を重ねた時に自分がやりたいことはまだ分からないので、その時の自分がいろいろな選択をできるように、今は目の前のことを一生懸命頑張りたいです。

――選択肢がたくさんあれば、考え方の幅も広がりますよね。そのためにはプライベートも大切かと思いますが、これから充実させたい趣味などはありますか?

今田: 私は旅行が好きなので、まだまだ見たい景色がたくさんあります。ですので、いろいろな国に行って、たくさんの刺激をもらいたいですね。まだそんなに多くの国に行ったわけではないのですが、これまで行った中でも特に感化されたのはスペインです。とにかく人が気さくで優しくて、「私はこれが好き」と自分の意見を素直に言えるような、自由な雰囲気を感じたんです。

私はあまり英語を話せる方ではないけど、地元の人がたくさん話しかけてくれたり、「昔、日本に行ったことがあるよ」と写真を見せてくれたりして、日本とはまた少し違う交流の仕方を感じました。人と触れ合うことの楽しさを改めて実感しましたし、学びも多いので、もっといろいろな国の方と触れ合ってみたいです。

ヘアメイク:渡嘉敷愛子
スタイリング:猪塚慶太

■根津香菜子のプロフィール
ライター。雑誌編集部のアシスタントや新聞記事の編集・執筆を経て、フリーランスに。学生時代、入院中に読んだインタビュー記事に胸が震え、ライターを志す。幼いころから美味しそうな食べものの本を読んでは「これはどんな味がするんだろう?」と想像するのが好き。

■慎 芝賢のプロフィール
2007年来日。芸術学部写真学科卒業後、出版社カメラマンとして勤務。2014年からフリーランス。

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