1. トップ
  2. 義父の死後…譲り受けた土地を巡り“ドロドロ親族トラブル”発生!銀行員が見た悲惨すぎる末路とは

義父の死後…譲り受けた土地を巡り“ドロドロ親族トラブル”発生!銀行員が見た悲惨すぎる末路とは

  • 2025.1.8
undefined
写真:photoAC

日銀のゼロ金利解除に始まり、今年からいよいよ“金利のある世界”に戻るという予測がされています。

これまで変動金利住宅ローンは低金利が続きましたが、今後は住宅ローン金利が上昇し、住宅ローンを抱える多くの家計に影響が出ることが予想されています。

多くの人にとって、住宅は人生最大の買い物で、マイホームを手に入れることができる代わりに「住宅ローン地獄」と表現されることもあるように、35年間など長期にわたる返済が必要となります。

もちろん、最後までなにごともなく完済できればいいのですが、必ずしもそうばかりではないのも現実です。

そうした不安を持っているから、自由宅ローンを利用することに躊躇している人がいるかもしれません。

そこで今回は、30年間もの銀行員生活の中で筆者が見てきた「住宅ローン破綻」してしまった人をご紹介します。またケース説明のあとにはそうならないように、あるいはそうなってもリカバリーできるアドバイスも添えています。

住宅ローンを返済中の人、これから住宅ローンを利用しようと検討している人はぜひ参考にしてください。

要注意!「担保提供」してくれた親(義父)の突然の死

undefined
写真:photoAC

住宅を購入する方の中にはご自身やパートナーの両親・祖父母が持っている土地に、自宅の建物だけを新築するパターンも結構多いものです。

この場合も、厳密に言えば土地を借りていることになりますが、親子間で地代を払うようなことはまずありません。

こういった形態を「使用貸借」(無償・つまりタダで借りること)と呼び、住宅ローンにおいてはその土地を「担保」として金融機関に提供することになります。購入者からすると土地取得代が浮くので、少しでも借り入れ額を少ないようにという親心なのですが、その親が亡くなってしまうと困ってしまう人もいるのです…。

Eさんに実際に起こったパターンを見てみましょう。

【実録エピソード】義父の死後、義兄弟から追い出されてしまった

undefined
写真:photoAC

Eさんはパートナーの親(義父)名義の土地に、住宅ローンを借りて家を新築しました。パートナーの実家からもほど近く、義父母とも良好な関係で、借金も少なく抑えることができて喜んでいたのです。

ところが数年して義父が亡くなってしまいます。

Eさんのパートナーには兄や姉など兄弟が多く

「土地を住宅ローンの担保にすることなど聞いていなかった」(義姉)
「あの土地は、俺がもらうと父親と約束していた」(義兄)

などと言い始めて、Eさんは相続の揉めごとに当事者として巻き込まれることになってしまったのです。義父名義の土地を娘婿の住宅ローンで担保に提供することは、所有者である義父の意思であり、その時点で義兄弟などに承諾を得る必要はなく、違法なことをしたわけではありません。

しかし相続は紛糾して、結局は裁判にまで発展することとなります。

EさんもEさんのパートナーも揉めごとに疲れ果ててしまい、その家から出てアパートに引っ越すことにしたそうです。

しかし住宅ローンは残ったままで裁判も長期化してしまったため、最終的に返済が続かなくなり破綻してしまいました。

銀行員からのアドバイス

筆者個人の考えとしては自分の親でもパートナーの親でも、将来の相続人がいる場合には今回のようなトラブルを未然に防ぐために、しっかりと断っておくのが良いと思っています。

仮に受け入れてトラブルなくスムーズに進めるには、あらかじめ土地保有者(今回のEさんの場合は義父)の口から相続人たちに対し、担保提供することを説明してもらうのが1番です。誰でも、相続の話はお金も絡むので口にしたくは無いと思います。

とはいえいつかは相続が発生しますし、亡くなってからではフォローしてもらうこともできません。



著者:加藤隆二

銀行に30年間勤務、まだまだ現役の銀行員。住宅ローンやカードローンなど借入全般の相談、あるいは返済が困難なお客様からの相談にも対応してきました。自慢できるような実績はありませんが、銀行員として数多くのお客様と向き合い、お金にまつわるさまざまな相談に応えてきたことが自慢です。

※サムネイル写真および記事内の画像はイメージです