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「ペアローン」で家を買ったカップルが別れたらどうなる?現役銀行員が見た“悲惨な末路”にゾッ…!

  • 2025.1.7
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写真:photoAC

日銀のゼロ金利解除に始まり、今年からいよいよ“金利のある世界”に戻るという予測がされています。

これまで変動金利住宅ローンは低金利が続きましたが、今後は住宅ローン金利が上昇し、住宅ローンを抱える多くの家計に影響が出ることが予想されています。

多くの人にとって、住宅は人生最大の買い物で、マイホームを手に入れることができる代わりに「住宅ローン地獄」と表現されることもあるように、35年間など長期にわたる返済が必要となります。

もちろん、最後までなにごともなく完済できればいいのですが、必ずしもそうばかりではないのも現実です。

そうした不安を持っているから、自由宅ローンを利用することに躊躇している人がいるかもしれません。

そこで今回は、30年間もの銀行員生活の中で筆者が見てきた住宅ローンで、思わぬトラブルに遭ってしまった人をご紹介します。またケース説明のあとにはそうならないように、あるいはそうなってもリカバリーできるアドバイスも添えています。

住宅ローンを返済中の人、これから住宅ローンを利用しようと検討している人はぜひ参考にしてください。

「ペアローン」に潜む落とし穴

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写真:photoAC

住宅を購入する際に夫婦や親子などの2人がそれぞれ住宅ローン契約を結び、共同でローンを返済していく「ペアローン」。両者が同時に住宅ローンを借りることで、金融機関からの借入可能額を増やしたり、返済負担を分担したりすることができるメリットがあります。

住宅金融支援機構が2024年4月に行った「住宅ローン利用者の実態調査」によると、ペアローンや連帯債務、あるいは収入合算など、パートナー同士で年収と力を合わせて住宅ローンを借りる購入者は約4割という結果となっています。

しかし、このペアローンには落とし穴があるのです。

【実録エピソード】急転直下の破局が最悪の結果を招く

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実は金融機関によっては、入籍前の婚約関係でもペアローンで借り入れできる場合があります。

これは土地を購入した後に新築で建物を建築するという計画で、婚約者とペアローンを利用したDさんのケースです。

Dさんはまず先に土地を購入し、自宅を新築するという計画でした。その際、土地も建物もそれぞれ半分ずつペアローンを組む流れで契約しました。

ところが土地ローンをペアで借り、これから自宅新築工事に着工という段階で、相手に他に好きな人ができ婚約解消となってしまったのです。

しかしすでにペアローンで購入してしまった土地はどうするのか?相手のローンはどうするのか?など、別れたらそれで終わりという訳にはいかず2人は揉め続けることになってしまいます。また、Dさん御本人から銀行に相談があったのですが、そもそも婚約者同士でローンを組んで、入籍して同居するという、ある意味当然の未来を想定した上での審査通過だったので、Dさん個人の収入が少ないこともあり、どうにもならなくなってしまったのです。

結局、家を建てられない土地(更地)だけが残り、その土地は売却するしか残された方法はありませんでした。

銀行員からのアドバイス

今回事例にあげたペアローンでは「入籍して同居すること」などの条件を付帯される場合もあります。もちろん特殊なケースの話しではありますが、住宅ローンではいろいろな条件が付けられます。

そしてその条件を履行しない、つまり銀行との約束を破ると最悪の場合では全額を一括返済しなければいけない可能性もありますので注意が必要です。



著者:加藤隆二

銀行に30年間勤務、まだまだ現役の銀行員。住宅ローンやカードローンなど借入全般の相談、あるいは返済が困難なお客様からの相談にも対応してきました。自慢できるような実績はありませんが、銀行員として数多くのお客様と向き合い、お金にまつわるさまざまな相談に応えてきたことが自慢です。

※サムネイル写真および記事内の画像はイメージです

※参考:住宅金融支援機構「【概要】住宅ローン利用者の実態調査」