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銀行員は見た!“禁欲期間終了”の果てのヤバすぎる「住宅ローン破産」エピソード

  • 2024.12.26
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写真:photoAC

日銀のゼロ金利解除に始まり、2025年からいよいよ“金利のある世界”に戻るという予測がされています。

これまで変動金利住宅ローンは低金利が続きましたが、今後は住宅ローン金利が上昇し、住宅ローンを抱える多くの家計に影響が出ることが予想されています。

多くの人にとって、住宅は人生最大の買い物で、マイホームを手に入れることができる代わりに「住宅ローン地獄」と表現されることもあるように、35年間など長期にわたる返済が必要となります。

もちろん、最後までなにごともなく完済できればいいのですが、必ずしもそうばかりではないのも現実です。

そうした不安を持っているから、自由宅ローンを利用することに躊躇している人がいるかもしれません。

そこで今回は、30年間もの銀行員生活の中で筆者が見てきた「住宅ローン破綻」してしまう人の特徴をご紹介します。またケース説明のあとにはそうならないように、あるいはそうなってもリカバリーできるアドバイスも添えています。

住宅ローンを返済中の人、これから住宅ローンを利用しようと検討している人はぜひ参考にしてください。

「お金の使い方がルーズな人」は危険

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世の中には、いわゆる「お金の使い方がルーズな人」が想像以上に多いものです。これは筆者自身も銀行員でありながら、お金にルーズな性格だと自認しているので言えることです。

筆者の場合、家計が破綻するレベルでは無いのでまだマシなのかもしれませんが、それでも自分はお金にだらしない性格だと感じていて、だからこそ自分を戒めているのが実態です。

また「とにかく数字が嫌い、計画的に行動するのがイヤ」といった類の人もいます。年収や勤務先など他人から見れば返済できないのが不思議に思えるのに、それでも住宅ローンで破綻する人のパターンです。

ここで紹介するのも、やはり住宅ローン破綻してしまった人の対応で聞いた話です。

【エピソード】“禁欲期間”が終わりリバウンドで大失敗

若い頃から金遣いが荒いと自他ともに認めていたBさんは、それでも自宅を手に入れようと思い立ちました。「すべては住宅ローンを借りるため」と無駄遣いを我慢し、審査に通過し無事住宅ローンを借りることができ、念願の自宅も手に入りました。

しかし“禁欲”の時期も終わったので、飲み食いや遊興・ギャンブルなどにお金を使いまくるようになり、やがてカードローンなどの借金が膨らんでいきました。カードローン返済と重なって、住宅ローン返済も滞るようになりました。返済が苦しいと銀行に相談にいらっしゃったので筆者が対応することになりましたが、そもそも遊興娯楽で作った借金が原因なので対応できることは無かったのです。

やがて住宅ローン返済が不可能となったBさんは破綻を迎えました。自宅を手に入れるまでの「禁欲期間」が終わり、その反動で浪費に戻ってしまったあげく、自宅を手放すことになってしまったという結末です。

リストラされたり、勤務先が破綻したりなどやむを得ない事情で家計が急変して住宅ローン返済が苦しくなったときには、金融機関に相談すれば返済を猶予してもらえる場合があります。これは大規模災害などでも実施される対応ですが(※参考1)、いっぽうでギャンブルの借金などが原因の場合には猶予が受けられないこともあります。

 (※参考1)能登町「住宅ローンなどの返済にお困りではありませんか?」

銀行員からのアドバイス

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自戒を込めますが「借金グセは治らない」と考えて行動するしかないと思います。

私の場合は、キャッシュカードやクレジットカードはすべて妻に預けています。もちろん内緒でカードローンを借りようと思えばできます。しかしそれだけは手を出さないようにと、これまで対応してきた住宅ローン破綻のケースを思い起こし、自分にブレーキをかけるようにしています。自分のことながら情けない状況ですが「我慢ができない」「お金は自分の好きなことに使いたい」という衝動を抑えられない人は、半強制的に防止する手段もあります。たとえば借金グセが自分ではどうにもならないと感じている人には借入れを自粛する申告制度があり、ギャンブルがやめられない人にも自粛制度があるので確認してみてはいかがでしょうか。



著者:加藤隆二

銀行に30年間勤務、まだまだ現役の銀行員。住宅ローンやカードローンなど借入全般の相談、あるいは返済が困難なお客様からの相談にも対応してきました。自慢できるような実績はありませんが、銀行員として数多くのお客様と向き合い、お金にまつわるさまざまな相談に応えてきたことが自慢です。

※サムネイル写真および記事内の画像はイメージです