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銀行員が見た!“住宅ローン破産”してしまう人の決定的な特徴

  • 2024.12.24
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写真:photoAC

日銀のゼロ金利解除に始まり、2025年からいよいよ“金利のある世界”に戻るという予測がされています。

これまで変動金利住宅ローンは低金利が続きましたが、今後は住宅ローン金利が上昇し、住宅ローンを抱える多くの家計に影響が出ることが予想されています。

多くの人にとって、住宅は人生最大の買い物で、マイホームを手に入れることができる代わりに「住宅ローン地獄」と表現されることもあるように、35年間など長期にわたる返済が必要となります。

もちろん、最後までなにごともなく完済できればいいのですが、必ずしもそうばかりではないのも現実です。

そうした不安を持っているから、自由宅ローンを利用することに躊躇している人がいるかもしれません。

そこで今回は、30年間もの銀行員生活の中で筆者が見てきた「住宅ローン破綻」する人の特徴をご紹介します。またケース説明のあとにはそうならないように、あるいはそうなってもリカバリーできるアドバイスも添えています。

住宅ローンを返済中の人、これから住宅ローンを利用しようと検討している人はぜひ参考にしてください。

収入に見合わない住宅を購入してしまった人

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写真:photoAC

これは住宅ローン破綻の中でも多く見られるケースです。

無理をして収入に合わない高額な住宅を購入したため、返済に苦しむ人がいるのです。たとえばハウスメーカーや不動産業者が「お客様なら大丈夫です!」(これは何の保証もない言葉)と、ワンランク上以上の価格帯を選んだり、住宅設備を高いものにしてしまったりといった具合です。

では、銀行員である筆者が実際に見てきた実例を紹介します。これは、住宅ローン返済が滞納していたお客様の対応をしていたとき直接伺った話です。

【エピソード】「お祭り騒ぎ」の成れの果て

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自宅を新築しようとしていたAさんの話です。

Aさんは営業マンにチヤホヤされて「あなたらなら大丈夫ですよ!」と持ち上げられていました。営業マンの勧める分譲地で自宅を新築することとなり、住宅ローンの審査も無事通過。土地選びから自宅の仕様を決めるまで、まるで“お祭り騒ぎ”のようにバタバタと進んでいきました。

「家族全員がフワフワした気持ちで幸せだった」(後日のAさん談)だそうです。しかし、新築した自宅の引き渡しが終わると、当然ながら担当の営業マンは来なくなり、急に周りが静かになりました。その代わりに来たのは、毎月の返済額が書いてある返済計画明細表です。それを見たAさんは、これから返せるのか不安になる返済額でしたが、もう買ってしまったため引き返すことはできません。そして、自分の直感どおりで収入に見合わない返済が重くのしかかり、返済に苦しむようになったAさんは、最後には返済ができなくなり住宅ローン破綻を迎えてしまいました

銀行員からのアドバイス

収入に見合わないと言っても、収入や家計収支はその家それぞれなので、いくらなら大丈夫とか、これは借りすぎなど明確な基準はありません。とはいえ、一つの目安として「住宅ローンを含むローンの年間返済額が年収の3分の1以内なら安全圏」と良く言われます。実際、一般的な銀行住宅ローンも概ね年収に3分の1以内(返済比率30%)が審査通過のボーダーラインとなっているようです。

しかし、ここで言う年収とは「税込年収」(税金や年金などを引く前の「支給額」)である点に注意が必要です。年収の3割以内として審査通過して住宅ローンを借りることができても、実際には自分が手にする手取り収入(一般に支給額の80%程度と言われます)の中から返済していくことになるのです。

手元に来るお金の中で無理なく返済していくなら、実際には年収(支給額)の20%以内に返済を抑えたほうがいいでしょう。



著者:加藤隆二

銀行に30年間勤務、まだまだ現役の銀行員。住宅ローンやカードローンなど借入全般の相談、あるいは返済が困難なお客様からの相談にも対応してきました。自慢できるような実績はありませんが、銀行員として数多くのお客様と向き合い、お金にまつわるさまざまな相談に応えてきたことが自慢です。

※サムネイル写真および記事内の画像はイメージです