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「40代はやらないで!」お金づくりが上手な人はやらない“4つの投資”

  • 2024.12.11
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写真:photoAC

一般的に40代は子どもの教育費や住宅ローンの返済など、さまざまな支出が発生しやすいライフステージです。資産を「増やす」だけでなく、「守る」ことにも意識を向けなければなりません。

また、40代は老後の準備も意識し始める年代でもあります。「入り用が多いから投資で一気に資産を増やそう」と考えた結果、ハイリスクな金融商品に手を出して大きな損失を被ると、ライフプランが崩壊しかねません。

あわせて、手数料が割高な投資商品の購入も避けるべきでしょう。

手数料は資産形成を妨げる要因の一つなので、できるだけ抑えたほうが合理的です。

40代が手を出してはいけない投資商品

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今回は、お金のプロとして幅広い年代層の資産運用に関する相談を受けてきた筆者が、40代以上は手を出してはいけない投資商品をご紹介します。 あわせておすすめできる投資商品もあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

40代が手を出してはいけない代表的な投資商品は「貯蓄型保険」「ファンドラップ」「FX」「暗号資産」です。

以下で、理由を詳しく解説します。

貯蓄型保険

貯蓄型保険は、リスクに備えながら将来に向けて貯蓄できる保険商品です。例えば終身保険や養老保険などが該当します。

一見すると、貯蓄型保険は「支払った保険料が積み立てられ、リスクへの備えと資産形成を同時にできる」というお得な商品に見えます。しかし、貯蓄型保険の問題は手数料が高い点です。

加入者が支払う保険料は「付加保険料」という保険会社の経費(人件費や宣伝費など)に充てられる部分と、「純保険料」という保険金や給付金の支払いに充てられる部分があります。

保険商品によっては、付加保険料の割合が高く、手数料率が40~50%近い商品があります。たとえば、年間の支払う保険料が10万円とした場合、4万~5万円程度は保険会社の収益となるのです。

手数料の高さを考えると、資産形成の手段として貯蓄型保険は何ら適切ではないことがわかります。

ファンドラップ

ファンドラップとは、金融機関に運用を丸投げする金融商品です。金融機関によって差がありますが、「〇万円以上から」という最低限の投資金額が設けられていることがあります。

投資の経験がない方にとって、専門家に運用を任せられる点は魅力的かもしれません。しかし、ファンドラップは専門家に丸投げする分、手数料が割高です。

たとえば、投資資金の年率2〜3%が手数料として差し引かれることがあります。100万円をファンドラップに預けたら、年間2万~3万円が手数料として差し引かれてしまうのです。

また、専門家といえども毎年必ず利益を得られるわけではありません。市況全体が不安定な場合、投資成績がマイナスとなったうえで、さらに手数料が差し引かれるダブルパンチの事態が起こり得ます。

昨今は、信託報酬が0.1%未満という低コストの投資信託が登場しています。投資信託も専門家に運用を任せられる商品ですから、ファンドラップを買うくらいなら自分で低コストの投資信託を購入すればよいでしょう。

FX・暗号資産

FXや暗号資産(仮想通貨)は、投機的な取引といっていいでしょう。FXは為替変動、暗号資産は価格変動を利用して利益を目指しますが、需給バランスや投資家心理などが価格に影響を与えます。

FXと暗号資産ともに、価格変動の要因は複雑です。専門的な知識を持たないまま始めるのは、かなりリスクが大きいと言わざるを得ません。結果的に、秒単位で売買を行うプロの為替ディーラーや暗号資産のトレーダーのカモにされて終わりでしょう。

教育資金や住宅費用のような、発生するタイミングがわかっている費用をFXや暗号資産で用意するのは危険です。また、40代の方は老後までに約20年間あるため、短期的・投機的な運用投資であるFXや暗号資産商品は向いていないでしょう。

40代におすすめの投資商品

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一般的な40代の方は、リスクを抑えつつもある程度のリターンが期待できる投資商品を購入するとよいでしょう。

具体的に、どのような投資商品が向いているのか解説します。

インデックスファンド

インデックスファンドとは、投資信託の一種です。一般的に投資信託は「アクティブファンド」と「インデックスファンド」に分かれており、インデックスファンドは手数料が安い特徴があります。

手数料が安いだけでなく、購入する銘柄次第では一つのインデックスファンドを購入するだけで効果的な分散投資が可能です。たとえば、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」というインデックスファンドを購入すれば、全世界の約3,000社に投資できます。

なお、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は投資信託のなかでも手数料がトップクラスに低く、ここ数年では安定的なリターンを残しています(年度によって異なる)。

元本割れのリスクは伴いますが、40代の方がリスクを抑えつつも効率よく資産形成をするにあたって、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」をはじめとしたインデックスファンドは有用な存在です。

個人向け国債

個人向け国債とは、日本政府が発行している債券です。先ほどの「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は元本割れのリスクが伴う「攻めの運用」ですが、個人向け国債は元本保証なので「守りの運用」といえます。

個人向け国債は、銀行預金よりも安全性が高いうえに、銀行預金以上の利息収入を得られるメリットがあります。現在募集中の個人向け国債に適用される金利は、以下のとおりです(2024年12月発行分)。

  固定3年 固定5年 変動10年
年率 0.60% 0.71% 0.71%

なお、三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行・りそな銀行の普通預金金利は0.1%です。定期預金金利は預入期間によって差があるものの、最大でも0.4%程度です(2024年12月現在)。

個人向け国債のほうが、収益性が優れていることがわかります。また、「変動10年」は半年ごとに金利が見直されます。金利が上昇すると受け取れる利息が増えるため、昨今のような金利上昇局面では、保有するメリットを感じられるでしょう。

さらに個人向け国債は、いずれの種類を購入しても元本割れのリスクがありません。適用金利が下がったとしても、0.05%が最低保証されています。

近い将来に教育費用や住宅購入費用などの支出を予定しており、確実に元本を守りながら運用したいとき、個人向け国債は合っている金融商品といえるでしょう。

高い手数料や投機性の高い商品は要注意

これからさまざまなライフイベントが起こり得る40代の方は、ハイリスクな金融商品や手数料が高い金融商品の購入は避けたほうがよいでしょう。

ハイリスクな金融商品に手を出して失敗してしまうと、ライフプランが狂ってしまうだけでなく、日常生活にも悪影響が出る可能性があります。

しっかりと見極めて適切な判断を下し上手な“お金づくり”をしていきましょう。



【柴田充輝】
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。 FP1級と社会保険労務士資格を活かして多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。

※記事内のイラストおよび画像はイメージです。

※本記事に掲載されている内容は、あくまで情報提供を目的とするものであり投資行為等の勧誘や、投資による利益を保証するものではありません。最終的な投資判断はご自身で下していただくよう、お願いいたします。