パイレーツ・オブ・カリビアン女優（39歳）「痩せすぎ」「摂食障害」と言われ続けた過去を振り返る｜他人の体型にコメントするリスクとは？

映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズや『ベッカムに恋して』など、10代の頃からエンタメ業界で活躍している俳優のキーラ・ナイトレイ（39歳）。先日あるインタビューに応じた彼女は、キャリア初期に体重に関する絶え間ない憶測をされたこと、摂食障害であるという噂にどう対処してきたかを明かした。

摂食障害と疑われ続けたキャリア初期

2003年公開の映画『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』でエリザベス・スワン役に抜擢され、10代にしてハリウッドスターの仲間入りを果たしたキーラ・ナイトレイ。2005年公開の映画『プライドと偏見』では、アカデミー主演女優賞にもノミネートされている。

若くして名声を手にしたキーラだが、その後はタブロイド紙からしつこく追い回されていたよう。11月23日の『The Times』のインタビューでは、彼女の体型についての絶え間ない憶測や摂食障害であると噂されていたことについて、こう明かした。

「自分が摂食障害ではないことはわかっていました。ちゃんと食べていましたから。典型的なトラウマのように、記憶を消し去ったので覚えていないんです。けれど今でも公の場でいじめを受けたのだと、ふとしたことで思い出したりもします。当時私がまだ若かったことを考えれば、私の心の一部となってしまったのはいうまでもないはずです」

若くして名声を手にしたことによる悩み

『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズでエリザベス役を演じ、名声を手にしたキーラであるものの、同紙に対して「おかしな話で、成功と失敗を同時に経験しました」と表現した。

「この作品のせいで私は最悪だと思われていたのに、ヒットしたおかげで私はアカデミー賞にノミネートされるような作品に出演する機会をもらいました。私の出演作の中で最も成功した作品であり、私が世間から非難されることになった作品でもあります。だから、頭の中はとても混乱しているんです」

さらに2023年のイギリス版『Harper's Bazaar』のインタビューでは、欲望の対象として描かれた“エリザベス”という役柄と、それに伴う名声が自身に与えた影響についてこのように語っている。

「とても窮屈に感じましたし、行き詰まった感じがしました。だからその後に演じた役柄は、そこから抜け出そうとするものでした」

2003年から2008年までの5年間を「とても厄介な5年間だった」と考えているキーラ。映画『ラブ・アクチュアリー』や『プライドと偏見』、『つぐない』といった話題作に出演していたものの、窮屈さを感じた経験が妨げとなり、かなり無力だと感じていたという。

「どう表現したらいいのかわからなかったんです。理解できないものの中に閉じ込められているような感じがとても強かった」

そして2018年には『The Hollywood Reporter』のポッドキャスト番組にて、当時22歳のときに精神的に不安定になり、心的外傷後ストレス障害（PTSD）と診断されていたことを告白。2008年2月に開催された「第61回英国アカデミー賞」に出席するため、3カ月ぶりに家を出たキーラは、レッドカーペットでパニック発作を起こさないように催眠療法を受けていたという。そして1年間の休養をとることに。

他人の体型についてコメントすべきでない理由

セレブたちの体型の変化はもちろん、身近な人に対して「痩せた？」「太った？」などとコメントすることで相手を傷つける可能性があり、摂食障害だとありもしない噂を報道されたキーラのように、精神的につらい経験となってしまうことも。

フィットネスに関する情報を発信する「Fit Rated」が1,000人以上のアメリカ人を対象に行なった調査では、10代の女子の約94％、男子の約64％が他人から体型を辱められた経験があるという。さらに、女性の約 63％が母親から体型を批判されたことがあると答え、約62％が友人から体型について非難されたことがあるとも回答している。

「痩せた」「痩せている」という言葉は、“褒め言葉”として使っている人が多いものの、実際に摂食障害に悩んでいたり、何かしらの病気やストレスと闘っている可能性も。どんなことを経験しているか、どんな不安を抱えているかは本人にしかわからないため、体型についてのコメントは避けるべきである。