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今田美桜さん「憧れの大門先生と一緒にオペ」 「劇場版ドクターX」出演で学んだこと

  • 2024.12.6

「私、失敗しないので。」の言葉通り、数々の難しいオペを成功させてきたフリーランスの天才外科医・大門未知子の活躍を描いた「ドクターX~外科医・大門未知子~」が映画化。12月6日から公開されます。シリーズの集大成となる今作では、これまで明かされてこなかった大門未知子のルーツが描かれています。2019年放送の第6シリーズから、東帝大学病院の看護師・大間正子役で参加している今田美桜さんに、演じてきた役の成長を感じた出来事や、主演の米倉涼子さんから学んだこと、ご自身がお守りのように大切にしている言葉などをお聞きしました。

働く目的の変化、演じながら感じた

――今田さん演じる大間正子は、米倉涼子さん演じる外科医・大門未知子のオペを手伝ったことで、看護師一本でやっていくことを決意するという役どころでした。これまでの正子の成長ぶりをどう感じていましたか?

今田美桜さん(以下、今田): 最初は故郷の青森から出てきたばかりで、看護師として何もできないような女性でした。実家に仕送りをするために夜間バイトに励んだせいでミスを連発する半人前でしたが、大門先生と出会って、徐々に看護師としての自覚や仕事の楽しさを感じるようになっていったと思います。正子にとって、働く目的が少しずつ変わってきているんだなということは、演じていても伝わってきました。

Ⓒ2024「劇場版ドクターX」製作委員会

手術室看護師(オペナース)のお仕事としては手術のシーンが多かったのですが、最初は手術をサポートする「外回り」という業務がメインだったんです。なので、個人的には大門先生と一緒に手術台の前に並んでいる皆さんが手際よくオペをしている姿を見て、「かっこいいな」と憧れていました。今は正子も「器械出し」といって、手術を担当する先生にメスなどの器具を渡す役目に昇格して、大門先生たちと一緒に立つことができて嬉しいです。

米倉さんの真摯な姿、忘れられない

――映画では、大門未知子が師匠である神原晶(岸部一徳)のことで、ある試練に直面します。後半では正子も加わった重要な手術シーンがありますが、大門先生の隣にいてどんなことを感じていましたか。

今田: 晶さんは大門先生にとって恩師であり大事な人でもありますが、きっと大門先生が今でも外科医を続けている理由のひとつは、晶さんがいるからだと思うんです。その晶さんのことで大門先生が悩み苦しむ場面は、私も台本を読んでいて思うところがいろいろありましたし、涙が出ました。私は途中からの参加でしたが、最初からこの「ドクターX」を作ってこられたキャストやスタッフの皆様との空気を一緒に感じることができて、幸せでした。

朝日新聞telling,(テリング)

――米倉さんの主演としての現場での振る舞いや姿勢を見ていて、どんなことを学びましたか。

今田: 私自身、「ドクターX」はずっと見てきた作品だったので、最初は「あの大門先生を演じている米倉涼子さんにお会いする」という緊張があったのですが、米倉さんはとてもキュートな方で、大門先生とはまた違ったカッコよさのある方でした。

現場で米倉さんが気遣いをされていたり現場を盛り上げていらっしゃったり、手術シーンでは実際に米倉さんが縫合するなど、役や作品に真摯に向き合っているお姿は忘れられないですし、学ぶことが本当にたくさんありました。

「30点でいい」。肩の力が抜けたあの人の言葉

――大門未知子の決めセリフ「私、失敗しないので。」のように、今田さんが「これを言えば大丈夫!」と自分自身に言い聞かせている「お守り」のような言葉はありますか?

今田: 「30点」ですね。以前、「記憶」(2018年放送)というドラマで中井貴一さんとご一緒したのですが、クランクアップの時に「30点でいい。そのままの方がいいから、それで行け」と言われたことがあるんです。その頃はデビューして3年経ったくらいで、まだ何も分からず、だからといって「分からないということも恥ずかしい」と思ってしまう時期でもありました。そんなときに、貴一さんからその言葉をいただいて「無理して背伸びしすぎず、私らしく頑張ればいいんだ」と思えて、肩の力が抜けたような気がしました。

朝日新聞telling,(テリング)

そのお言葉をいただけていなかったら、仕事に対する向き合い方も違っていたかもしれないです。今も何か失敗したら、「私は30点だから、しょうがない時もあるよ」「また次、頑張ろう」と思える。逆に「どうしよう」と考えすぎて力んでいる時は、「そんなに背伸びしすぎず、等身大で頑張ろう」など、いろいろな場面でその言葉を思い出して、ずっと大事にしている言葉です。

ヘアメイク:渡嘉敷愛子
スタイリング:猪塚慶太

■根津香菜子のプロフィール
ライター。雑誌編集部のアシスタントや新聞記事の編集・執筆を経て、フリーランスに。学生時代、入院中に読んだインタビュー記事に胸が震え、ライターを志す。幼いころから美味しそうな食べものの本を読んでは「これはどんな味がするんだろう?」と想像するのが好き。

■慎 芝賢のプロフィール
2007年来日。芸術学部写真学科卒業後、出版社カメラマンとして勤務。2014年からフリーランス。

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