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森崎ウィンが『モアナと伝説の海2』『ライオン・キング:ムファサ』の楽曲で、ディズニーの原体験を振り返る「観客に夢を見させる音楽」

  • 2024.12.5

『モアナと伝説の海2』(12月6日公開)、超実写版『ライオン・キング:ムファサ』(12月20日公開)と新作映画の公開を控えるディズニー。この2作に興味津々なのが歌手、俳優の森崎ウィンだ。というのも、森崎は子どものころからディズニーが大好き。とりわけ、1994年に公開されたアニメーション版『ライオン・キング』は幼少期に観て以来、大のお気に入り。オリジナル・サウンドトラックがアニメーション映画史上の売り上げ世界一を記録した作品だけに、森崎は映画だけではなく曲にも強く惹かれたという。

【写真を見る】『ライオン・キング』が大好きな森崎ウィンが“ガオー”ポーズを披露!

【写真を見る】『ライオン・キング』が大好きな森崎ウィンが“ガオー”ポーズを披露! 撮影/河内彩
【写真を見る】『ライオン・キング』が大好きな森崎ウィンが“ガオー”ポーズを披露! 撮影/河内彩

「大好きなシーンが、シンバと仲間たちが一列になって歩きながら『ハクナ・マタタ』を歌っているうちにシンバが大人になっていくところ。ああ、時間が経っていく様子を音楽を使って表現しているんだなって子ども心に思ったのをすごく覚えてますね。とにかくアニメがあまりにも好きすぎて、超実写版はまだ観ていなかったんです。でも、ディズニーがアニメの新しい挑戦として超実写版を作ったと思うと、やっぱり観とかないといけないな、と思っていているんですよね」。

「超実写版という新しい試みをしながらも、ディズニーが守り続けている伝統が音楽から伝わってきました」

『ライオン・キング:ムファサ』は『ライオン・キング』の主人公、シンバの父、ムファサの若き日の物語。ムファサがどうやって動物たちの王国を築いたのか。そして、のちにシンバの宿敵になるスカーとの因縁が描かれる。超実写プレミアム吹替版声優には、尾上右近と松田元太がそれぞれムファサ役と若き日のスカー、タカ役を務め兄弟役で初共演を果たしたほか、渡辺謙、MARIA-E、吉原光夫、和音美桜、悠木碧、LiLiCoなど各界から豪華キャストも参加する。『ライオン・キング:ムファサ』の予告編をチェックした森崎は、やはり音楽に惹かれたという。

「これぞディズニーの音楽!と思いました。超実写版という新しい試みをしながらも、ディズニーが守り続けている伝統がある。それが音楽から伝わってきました。その伝統がなにかというと、観客に夢を見させる音楽だということじゃないかと思います。音楽が作品の入り口になっているんですよね」。

今回、『ライオン・キング:ムファサ』の音楽を担当しているのは、実写版『リトル・マーメイド』(23)を手掛けたリン=マニュエル・ミランダ。ミュージカルの舞台で活躍することも多い森崎は、ミランダが脚本・音楽・主演を担当して大ヒットしたヒップホップ・ミュージカル「ハミルトン」のことも知っていた。

「残念ながら舞台は見ていないのですが、リン=マニュエル・ミランダがフリースタイルのラップを披露する姿は動画で見たことがあります。実写版『リトル・マーメイド』の音楽はすごくよかったし、『ライオン・キング:ムファサ』の音楽も絶対、最高だと思いますね」。

「ディズニーの歌は、カットによって歌い方や表現を細かく変化させるんです」

そんな森崎は『ライオン・キング:ムファサ』への期待が高まる一方で、同じく12月に公開となる『モアナと伝説の海2』の予告編の映像にもすっかり心奪われてしまったようだ。

「予告を観た時に、映像から海の匂いが伝わってきたんです。CGを駆使した映像なんですけど、浜辺に生えている木とか、登場人物が砂浜を歩く時の描写とか、映像から島の空気が伝わってくるんですよね。コンクリートだらけの都会で暮らしている自分からすると、その映像を見ているだけで癒されるんです」。

『モアナと伝説の海2』は前作から3年後を舞台に、“海に選ばれた少女”モアナの新たな冒険を描く。どこかにいる仲間を探し続けているモアナは、人間を憎んで世界を切り裂いた“嵐の神の伝説”を知る。そして、すベての海をつなぐ“導く者”に選ばれたモアナは、再び仲間たちと冒険の旅に出る。モアナの声を担当したのは森崎と共演経験があるミュージカル女優、屋比久知奈。そのほか、尾上松也、小関裕太、鈴木梨央、山路和弘、ソニンらなど多彩なキャストが歌声を披露する。

予告編で流れた劇中歌「ビヨンド~越えてゆこう~」を聴いた森崎は、「ディズニー・ソングらしい夢を見させてくれる曲」だと大満足。曲を手掛けたのは、グラミー賞の最優秀ミュージカル・シアター・アルバム賞を最年少で受賞したアビゲイル・バーロウとエミリー・ベアー。前作『モアナと伝説の海』に引き続き、リン=マニュエル・ミランダと共にサウンドトラックを手掛けたマーク・マンシーナだ。

「『ビヨンド~越えてゆこう~』からは島の開放感が伝わってきます。ディズニーの歌は、カットによって歌い方や表現を細かく変化させるんです。島で歌う時、海の上の船で歌う時は違う。そういう細かいディレクションがしっかり行き届いているんです。自分がミュージカルに出演しているので、そういう演出が気になってしまうんですよね。日本語吹き替えの歌もオリジナルと同じように演出されていてすばらしい。そして、劇中歌だけではなくて劇伴もいいんですよ。『ライオン・キング:ムファサ』ではアフリカの音楽を取り入れていたし、『モアナと伝説の海2』では南の島の音楽を取り入れている。音楽を聴くだけで風景が浮かんでくるんです」。

「ディズニーの作品は音の使い方がすごい!音と音楽と映像が一体になっています」

ディズニーでミュージカルの魅力を知った森崎だけに、ディズニーの音楽についての話になると止まらない。森崎にとってディズニーはアニメーション作品であると同時に、優れたミュージカル作品なのだ。

ディズニー作品は子どもたちに初めてのミュージカル映画としてもおすすめだという 撮影/河内彩
ディズニー作品は子どもたちに初めてのミュージカル映画としてもおすすめだという 撮影/河内彩

「この前、生放送のテレビ番組で、子どもたちから『ミュージカル映画を初めて観るとしたら、どんな作品がいいですか?』って訊かれたんです。真っ先に『ディズニー!』と答えました。世の中にはミュージカルが苦手な人がいて、『なんで急に歌いだすのかわからない』と言われたりするんですけど、そういう人もディズニーは違和感を感じずに楽しんでいたりするんですよね。それがディズニーのすごいところで。人間はもちろん、動物が歌いだしても不思議に感じさせないんです」。

そんな森崎が子どものころに観て特に印象に残っているディズニー作品が、世界的な大ヒットを記録した『アラジン』(92)だ。「『アラジン』はアラブの世界観がすごく好きで、何度も繰り返し観ました。砂漠があって、王様がいて、みんなターバンを巻いていて、まさに魔法の世界!音楽もエキゾチックだし、子ども心にワクワクしてました。僕が初めて見たミュージック・ビデオはマイケル・ジャクソンの『Remember the Time』なんですけど、それもアラブのイメージなので、ルーツはそこにあるのかもしれません」。

『アラジン』のジニーが大好きだという森崎。自分だったら「3つの願い」はなににしよう?とあれこれ考えたとか。一番のお気に入りの曲はジニーが歌う「フレンド・ライク・ミー」だが、アカデミー賞最優秀主題歌賞を受賞した主題歌「ホール・ニュー・ワールド」にも胸を高鳴らせたという。「だってかっこよすぎませんか?空飛ぶ絨毯に乗って『I can show you the world~(見せてあげよう輝く世界)』って歌われたら(笑)。最高のラヴソングですよね。もしかしたら、僕は知らない世界を見せてくれるからディズニーが好きなのかもしれないですね。僕がいまの仕事をやっているのも、お客さんを見たことがない世界に連れて行ってあげたいからで、そういう想いは子どものころにディズニーを観ることで培われたのかもしれません」。

現在、エンタテインメントの世界で活躍する森崎にとって、ディズニーは夢を見ること、そして、夢を見せること教えてくれた重要なルーツだった。それだけに新作への期待は高く、「『ライオン・キング:ムファサ』と『モアナと伝説の海2』は絶対、映画館で観ます!」と目を輝かせた。「ディズニーの作品は映画館で観るのが楽しみなんですよね。というのも、ディズニーの作品は音の使い方がすごいんです。例えば足音一つでキャラクターの心情を表現する。それに風とか雨とか自然の音を音楽に取り入れるのもうまいんですよ。音と音楽と映像が一体になっている。だから、音や音楽を楽しむには映画館の大きくて音がいいスピーカーが一番なんです。今回、これまで観たことがなかった超実写版も体験して、ディズニーの最新の技術を確かめたいと思っています」。

取材・文/村尾泰郎

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