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【京都ホテル】任天堂旧本社を改築! 安藤忠雄氏設計監修のオールインクルーシブホテル「丸福樓」【すみずみ宿泊ルポ】

  • 2024.12.24

任天堂の旧本社社屋をホテルとして改築した「丸福樓(まるふくろう)」。昭和5年(1930)竣工の既存棟と、新しく増築した新築棟からなるホテルで、全棟の設計監修を建築家の安藤忠雄氏が手掛けています。夕食・朝食・ラウンジでの軽食などすべて宿泊料金に含めたオールインクルーシブプランで、ゲストをおもてなし。しっとり大人の雰囲気が香る、美しくて雰囲気たっぷりのホテルをご紹介します。

入った瞬間にタイムスリップ! 大人の京都旅にぴったり

るるぶ&more.編集部

「丸福樓」があるのは、京阪電車七条駅から鴨川を渡って徒歩約4分の場所。任天堂の創業地にあたる、京都・鍵屋町です。かるたや花札の製造販売や、任天堂創業者・山内家の住居として利用された旧本社社屋をホテルとして蘇らせました。

るるぶ&more.編集部

開業したのは2022年4月。それまでは任天堂旧本社社屋として知る人ぞ知る建物で、一般公開はされていませんでした。そのおかげもあってか、1930年の竣工から現在までほとんど変わらないたたずまいです。

当時のインテリアを随所に活用
当時のインテリアを随所に活用

設計監修を務めた安藤忠雄氏は、旧本社社屋の建設当時の風格を生かしながら、現代の新鮮な空気をまとったホテルへとアップデート。外観はもちろん内装も、できる限り両方の面影が感じられるようにと復元されました。

ゲストラウンジ
ゲストラウンジ

訪れると最初に通されるのが、こちらのゲストラウンジ。応接室として使われていた部屋を改装しつつ、旧本社社屋で使われていたインテリアや設えを残した、当日の息吹がしっかり感じられる場所です。
ここでチェックイン手続きを行ったら、いよいよ客室へ。

宿泊すみずみinfo

館内は全体的に照明をぐっと落としたシックな雰囲気です。京都の街の賑やかさとは対象的な空間で、訪れた瞬間にリラックス感が高まります。

任天堂の旧本社社屋の面影があちこちに残る「既存棟」

既存棟の入り口
既存棟の入口

「丸福樓」にある18の客室は、ひとつひとつ仕様が異なるのが特徴の一つ。まずは、創業者一族・山内家の住居や、任天堂の事務所、倉庫などとして使われていた「既存棟」の客室へ行ってみましょう。

ちょっとしたスペースも雰囲気たっぷり!
ちょっとしたスペースも雰囲気たっぷり!

竣工した昭和初期に、最先端だったデザインを取り入れて建築された既存棟。照明器具や手すり、ステンドグラスなどは当時のものがそのまま残されているため、壊れても二度と同じものは手に入らないとか。当時の趣ある空間のなかにも、新しさやスタイリッシュさを感じます。

「スーペリアキング」
「スーペリアキング」

旧社屋のデザインを踏襲した内装の「スーペリアキング」。暖炉や壁紙など、重厚な雰囲気にうっとりします。こちらは1~2名用の客室で、ベッドはキングサイズを採用。

るるぶ&more.編集部

同じタイプの客室でも内装が少しずつ異なるので、ゲストから「何度訪れても新鮮」と好評です。こちらの客室は大きな窓がとっても印象的かつ、窓からは京都市街のローカルな景色が眺められてワクワクします。

るるぶ&more.編集部

昭和初期の建物でも、水回りはしっかりリノベーション。バスタブのある浴室や温水洗浄便座付きトイレなど、快適な滞在を叶えます。

宿泊すみずみinfo

テレビはYouTubeやNetflixなどの動画配信サービスが利用できるスマートTVを採用。お気に入りの動画を見ながらゆっくりくつろげます。

るるぶ&more.編集部

客室の鍵のキーチャームは、かつての社屋で使われていたモチーフ。細かな部分までコンセプチュアルで心が踊ります。

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既存棟のいちばん奥、倉庫として使われていた建物の最上階にはテラスを用意。宿泊者なら自由に行き来でき、京都市街の風景を存分に眺められます。羽を伸ばしてリラックス!

モダンでスタイリッシュな内装にワクワクする「新築棟」

るるぶ&more.編集部

続いて、新しく建てられた「新築棟」にも行ってみます。新築棟にはエレベーターを設置しているので、高齢の方や階段の上り下りが苦手な方と一緒の旅行でも安心です。

「レジデンシャルスイート」
「レジデンシャルスイート」

「レジデンシャルスイート」は既存棟のデコラティブな雰囲気とは打って変わって、安藤忠雄氏設計監修ならではのモダンで洗練された仕立て。インテリアは木製家具メーカーでインテリアセレクトショップも展開する「カンディハウス」がセレクトしています。

「レジデンシャルスイート」リビングダイニング
「レジデンシャルスイート」リビングダイニング
「レジデンシャルスイート」ベッドルーム
「レジデンシャルスイート」ベッドルーム

壁一面の大きな窓がとっても開放的で、旅行気分がぐんと高まります。ミニキッチンやランドリーも備えているので、“暮らすような旅”も実現。ベッドはキングサイズで、3名までの宿泊が可能です。(3名利用の場合はソファベッドを1台追加 ※無料)

「アレスティア」のアメニティ
「アレスティア」のアメニティ

スイートタイプの客室にはスペシャルなアメニティとして「アレスティア」のスキンケアを用意。バスルームからも京都東山の風景が眺められ、リッチな気分に浸れます。
その他すべての客室で共通のアメニティは、歯ブラシ、シェーバー、ヘアブラシ、レディースキット、NEHAN TOKYOのバスソルト、oltanaのバスアメニティ(シャンプー・コンディショナー・ボディソープ・ハンドソープ・ボディミルク)、スリッパ、シューミット、バスタオル、ボディタオル、フェイスタオル、バスローブ、ナイトウェア、ポストカード、メモ、ボールペンとなっています。

ウォークインクローゼット
ウォークインクローゼット

広々としたウォークインクローゼットには、バスローブとリネン素材のパジャマもセット。ふっくらとしたリネンのパジャマは「心地よく過ごせる」とゲストからも好評なのだそう。

小腹がすいたらラウンジでおやつタイム

ダイニングラウンジ
ダイニングラウンジ

小腹がすいたら、新築棟1階の「ダイニングラウンジ」でおやつタイムとしましょう。

るるぶ&more.編集部

宿泊者なら無料で24時間利用でき、なんとワインやジュースなどが飲み放題!

るるぶ&more.編集部

時間帯によって備え付けのドリンクや軽食は異なりますが、もし「味噌バターケーキ」があればぜひトライしてみるのをおすすめします! 味噌の風味とバターのコクがマッチした、しっとりおいしいパウンドケーキです。気に入れば、おみやげとして1本単位で購入することも可能です(1本2200円)。

ライブラリー「dNa(でぃーえぬえー)」
ライブラリー「dNa(でぃーえぬえー)」

客室以外で時間を過ごす場所としてはずせない、ライブラリースペース「dNa」へも訪れて。創業家・山内家が解釈する任天堂の歴史や文化を体現したスペースで、「丸福樓」のある京都五条や、任天堂の歴史に関するアイテムや本がずらりと並びます。

るるぶ&more.編集部

スーパーファミコンもありました! かつてこのゲーム機でとことん遊び込んだことが懐かしく思い出され、感慨深い気持ちに。

夕食・朝食・バーもオールインクルーシブプランで大満足

レストラン「carta.(かるた)」の入り口
レストラン「carta.(かるた)」の入口

あっという間に夕食の時間。オールインクルーシブプランは夕食も宿泊料金に含まれているのがうれしいもの。レストラン「carta.」へは、一度ホテルの外に出てから扉を開けて中に入ります。

るるぶ&more.編集部

料理家の細川亜衣氏がプロデュースする「carta.」では、料理はもちろん、空間や器もすべて細川氏の手で選ばれたもの。陶芸家のタイルがあしらわれた壁や、ガラス作家が手掛けた照明など、シンプルななかにも温もりのある空間が広がります。

夕食メニュー一例/©丸福樓
夕食メニュー一例/©丸福樓
夕食メニュー一例/©丸福樓
夕食メニュー一例/©丸福樓

料理はコースで提供されるスタイル。発酵調味料など日本らしい味わいを隠し味に、新しいスタイルの洋食を提供します。前菜からメイン、デザートまで、多彩な料理とともにワインや地ビールもぜひ!

バーカウンター
バーカウンター

食後は京都の街へ繰り出して二次会を楽しむのもよし、ライブラリー内にある「バーカウンター」で飲み直すもよし。バーテンダーはいませんが、ウイスキーやジン、炭酸水、レモンスライスなどが常備され、セルフでお酒を作って楽しめます。こちらの利用もなんと無料。宿泊者同士で意気投合し、会話が弾んでいるシーンもよくあるそうです。

宿泊すみずみinfo

バーにあるお酒は全て自由に飲んでOK。お酒の種類は日によって変わりますが、貴重な日本ウイスキーがある日も。持ち込みもOKです。

朝食メニュー例/©丸福樓
朝食メニュー例/©丸福樓
朝食メニュー例/©丸福樓
朝食メニュー例/©丸福樓

ほろ酔い気分で客室に戻りお風呂に入ってぐっすり眠ったら、お待ちかねの朝食タイム。バランスの取れた和朝食を、こちらもコース仕立てで提供します。

洋朝食メニュー一例 ©丸福樓
洋朝食メニュー一例 ©丸福樓

洋食が希望であればダイニングラウンジへ。卵料理やアボカドトーストなどのオーダープレートと、ハーフビュッフェがいただけます。野菜やタンパク質がたっぷりの健康的な食事で、気持ちよく1日をスタートしましょう。

ホテルから徒歩で行ける、周辺のおすすめ観光スポット3選

滞在を楽しみつつ周辺観光もたっぷりエンジョイ。有名な神社仏閣も徒歩圏内にあるので、散策しながら楽しみましょう。

【ホテルから徒歩約12分】京都国立博物館

るるぶ&more.編集部

ホテルから鴨川を渡って南東、徒歩12分の場所にあります。国指定重要文化財にも指定されたレンガ造りの明治古都館は一見の価値あり。平成知新館、技術資料参考館などもあります。

【ホテルから徒歩約14分】河井寛次郎記念館

るるぶ&more.編集部

大正から昭和にかけて活躍した陶工、河井寛次郎の住まいを記念館に。囲炉裏や吹き抜けのある板の間、書斎や居間、陶房などがそのまま残されています。

【ホテルから徒歩約6分】甘春堂東店

るるぶ&more.編集部

慶応元年(1865)創業の老舗京菓子店。さまざまな和菓子を製造販売しています。なかでも、お菓子でできた抹茶茶碗「茶寿器(ちゃじゅのうつわ)」は有名。熟練の和菓子職人と楽しみながら体験できる和菓子作りは、京都旅の思い出に。

リアルなおすすめタイムスケジュール

【1日目】
12:00京都市内観光を楽しむ
15:00 京阪電車で丸福樓へ。チェックイン
15:15 周辺散策
16:30 ラウンジでワインとお菓子を堪能。ゆったり過ごす
17:30 お部屋でリラックス
18:30 レストラン「carta.」へ。ディナーをゆっくり満喫
20:30 そのまま新築棟のバーへ。マスターになった気分でお酒作りを楽しむ
22:00 お部屋でリラックスタイム
24:00 就寝

【2日目】
8:00 起床、「carta.」で和朝食を堪能
9:00 ラウンジへ。コーヒーとおやつでくつろぐ
9:30 ライブラリー「dNa」で任天堂の文化にふれる
10:00 散歩がてら周辺散策
11:00 お部屋でくつろぎタイム
12:00 チェックアウト

オールインクルーシブホテルなので、滞在中はホテル内でのおこもりステイをとことん楽しみたいです。徒歩圏内の観光スポットのみサクッと訪れるのも◎。京都に何度も訪れている人や、コンセプチュアルなホテルが好きな人、任天堂が大好きな人にはとくにおすすめ。すてきな空間でゆったりくつろぎつつ、多彩な料理にも大満足できる「丸福樓」で、いつもとはちょっと違った京都旅を楽しんではいかがでしょう。

■丸福樓(まるふくろう)
住所:京都府京都市下京区正面通加茂川西入鍵屋町342
TEL:075-353-3355
チェックイン:15時
チェックアウト:12時
朝食:7時30分~10時30分(9時30分LO)
夕食:17時30分~23時(21時LO)
料金:スーペリアキング 8万3800円~(1室2名利用時)
レジデンシャルスイート 17万5000円~(1室2名利用時)
※価格は時期によって変動あり


Text&Photo:木村桂子(ウエストプラン)

●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。


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