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web限定カットあり【吉岡里帆】映画『正体』インタビュー。「誰かに信じてもらえたことで、また誰かを信じられるようになる」

  • 2024.12.6

InRed12月号のカバーに出演してくれた俳優・吉岡里帆さん。出演映画『正体』について詳しくお伺いします。

ちゃんと対話をすることの重要性もメッセージとして込められている

吉岡さんの最新作は、藤井道人監督が手掛ける映画『正体』。逃走中の指名手配犯・鏑木が潜伏先で出会う、安藤沙耶香役を演じた。

「私が演じた沙耶香という女性は、冤罪をかけられた父親の無罪をなんとか証明しようとしていて、『自分だけでも信じていく』と決意を持って日々を暮らしている人です。職場で、横浜流星さんが演じる主人公・鏑木と出会うことになるんですが、彼が指名手配で追われている逃走犯だと気づきながらも、生活を共にしてくうちに彼の人間性を知り、胸の内で無罪を信じるようになります。この映画は、指名手配犯の男性が死に物狂いで逃走する姿が描かれているんですが、同時に昨今の人間関係の希薄化や嘘の情報に振り回されるとか、そういったことに対して人間って捨てたもんじゃないんだということや、ちゃんと対話をすることの重要性もメッセージとして込められています。沙耶香は人を信じて、人に信じられるように真っ当に生きている人で、物語の核にもつながりますし、主人公にとって希望にならなきゃいけない難しい役どころでした。人を信じられなくなっている人が、誰かに信じてもらえたことで、また誰かを信じられるようになる。人間関係の根幹にあるピュアな感情が描かれています」

横浜流星さんは「素晴らしい役者さんで、感動しました」

初共演だった横浜流星さんについては、「素晴らしい役者さんで、感動しました」とリスペクトがあふれた。

「話をしていても、撮影をしていても、朴訥で努力家で真面目な方。現場でもお芝居のことばっかり考えているのが伝わってくるんです。私もそうだから、似ているというのはおこがましいけれど、お芝居に臨む姿勢や心構えのようなものにすごく共感できたんです。実際にお会いする前は、第一印象の端正な外見が強く残っていたので、目の前にいるご本人の寡黙な佇まいとのギャップに驚きました。脚本に描かれた鏑木という完璧な主人公として現場にいて、こんなにも素敵な俳優さんだったんだと感動したんです。大事な泣きのシーンでも、『吉岡さん、すみません。もうちょっとだけ付き合ってください』と横浜さんが何度も申し訳なさそうにされていて。共演者としては、主演の横浜さんが評価されるように作品を盛り上げたい!と胸が熱くなってしまったんです」

初めての藤井組は温かさや強さ、まだ人に見せてない柔らかな部分までを引き出されるような経験

また、初めての藤井組での経験は、同じものづくりに携わる人間として、貴重な糧となり心を温めてくれた。

「先ほどの泣きのシーンをはじめ、藤井監督は納得がいくまで何度もテイクを重ねる方。本当に何度もお芝居をするんですが、その理由が藤井さんの中でとても明確だから、こちらも迷ったり疑うことなくお芝居に没頭できる。こんなに丁寧に役者と向き合ってくださるのかと感動しましたし、ここまで突き詰めるから心に刺さる描写や感動を生み出せる。役者の内面の深い部分にある、温かさや強さ、まだ人に見せてない柔らかな部分までを引き出されるような経験をしました」


映画『正体』

染井為人の原作小説を藤井道人監督が映画化。指名手配犯の343日間にわたる逃走劇を映し出す。出演:横浜流星、吉岡里帆、森本慎太郎、山田杏奈、山田孝之。11月29日(金)より全国ロードショー。
©2024 映画「正体」製作委員会


PLOFILE
よしおか・りほ/1993年1月15日生まれ。京都府出身。直近の出演作に配信ドラマ「忍びの家 House of Ninjas」、映画『怪物の木こり』『まる』、『トランスフォーマー/ONE』(吹き替え)など。今後、映画『九龍ジェネリックロマンス』、舞台『まつとおね』(2025年3月)、大河ドラマ「豊臣兄弟!」(2026年)を控える。

MODEL:RIHO YOSHIOKA
PHOTOGRAPH:YUMA KURAMOTO(Pygmy Company)
STYLING:MAKIKO IWATA
HAIR & MAKE-UP:TOMOE NAKAYAMA
INTERVIEW & TEXT :HAZUKI NAGAMINE

※InRed2024年12月号より。情報は雑誌掲載時のものになります。
※画像・イラスト・文章の無断転載はご遠慮ください。

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