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冬はこれでポカポカ! 自家製チリオイルで食べる、生姜たっぷり餃子

  • 2024.12.12

冬の到来と共に身体をあたためてくれる物が食べたくなりますね。温まる食材の代名詞と言えば「唐辛子」と「生姜」。香りが良く薬味としても大活躍で、薬効もある身体に嬉しいスパイスです。今回は採りたてのフレッシュな唐辛子でチリオイルを作り、生姜たっぷりの餃子をご紹介。冷えが気になる季節に嬉しいポカポカのレシピを、神奈川県葉山で旬の野菜を育て、植物を身近に暮らしながらアンティークバイヤーとして活動中のルーシー恩田さんに教えていただきます。

今年は唐辛子を花壇で栽培

夏前に植えた唐辛子は11月に入っても花壇の中で、鮮やかな色を差しています。今年はバジルやミント、ヒソップやフェンネルなどと一緒に花壇の中に唐辛子を植え込みました。紅一点とまではいきませんが、淡い小花の中でひときわ輝くホットでセクシーな深紅♡

ハーブガーデン
見えませんがこの奥に唐辛子を植えました。

唐辛子はどのような土壌でも育てやすく、プランター栽培も可能。花壇の中で放ったらかしに育てましたが、沢山収穫が出来ました。

トウガラシ
葉は炒めものにしても美味しいです。

イタリアンバジルやホーリーバジルは一足お先に、ひと夏の仕事を終えましたが、唐辛子は11月中旬でも現役。今年は暖かかったので冬の入り口まで楽しめました。緑から赤くなっていく唐辛子の様子が花壇に変化を与えて、いいアクセントとなっていました。

フレッシュも美味しい唐辛子

唐辛子ペースト
青唐辛子はガパオのペーストに。

唐辛子は1株でも沢山収穫ができます。乾燥させて日持ちさせるのもいいけれど、せっかくですから、フレッシュな唐辛子も楽しみましょう。唐辛子はご存じのとおり辛い! ので、ぱくぱく食べるというよりも、まとめてタレやペーストに使うのがおすすめ。種類にもよるので一概にはいえませんが、青唐辛子のほうが爽やかでまろやかな辛さ、赤唐辛子は刺激的で鋭い辛みなので、料理によって使い分けるとよいでしょう。

唐辛子
日本でもいろいろな唐辛子が手に入るようになりました。

青唐辛子は完熟前の赤唐辛子。収穫時期が変わるだけでどちらも同じ「唐辛子」です。緑のトマトが赤くなるのと同じ。

トウガラシの辛味成分「カプサイシン」には消化促進作用があり、発汗を促して体を温めてくれます。脂肪燃焼や代謝アップが期待できるので、嬉しい効果がいっぱい! 「むくみ」っていうのは身体に溜め込んだ水分なので、冷えに繋がっちゃう。血流をよくすることは冷え対策にも効果的なのです。何事も滞るっていうのはよくないわよね。

寒い時に食べる辛いもの、最高ですよねぇ。ただ、汗のかきすぎは身体を冷やすので要注意。そうそう! 身体を温める作用と言えば「生姜」も忘れてはいけません。

中世ヨーロッパの貴重品「生姜」

生姜は東洋でも西洋でも古くから愛されたハーブで、ここ日本でも古くから身近に使われてきました。生姜に含まれる「ジンゲロール」という辛み成分には殺菌作用があり、風邪の引き始めに生姜湯を飲むのは理にかなった、おばあちゃんの知恵袋なのです。

このジンゲロールは乾燥や加熱することで「ショウガオール」に変化します

なんと‼︎ ショウガオールになると体を芯から温める効果がさらに高まり、免疫力アップや冷え性の改善に効果的。生姜は昔から漢方薬としても重宝されてきました。生姜や乾姜と呼ばれ、主に胃腸薬やかぜ薬として処方され、ご存じ「葛根湯」にも含まれています。気の流れをよくするため、うつ病や不眠にも効果があると考えられています。

ジンジャーパウダー
欧米ではお菓子などにジンジャーパウダーがよく使われます。

イギリスでもジンジャービール、ジンジャーブレッド、クリスマス・プディングなど、生姜スイーツはポピュラー。生姜は熱帯アジア・インド原産と言われているショウガ科の多年草。ヨーロッパではほとんど生育しないため、ジンジャーパウダーやスライスのシロップ漬けが多く使われてきました。

手に入らないとなると、どうしても欲しくなるのが人間の性(さが)。当時のイギリスでは生姜がお金持ちたちの嗜好品として高値で取引されていたようです。

ジンジャージャー
ジンジャージャー。

古来、中国では、陶器の壷に塩や生姜を入れ、輸送や保管をしていました。これに生姜を入れてヨーロッパに輸出し始めると、欧米人が「ジンジャージャー(ジンジャーポット)」と呼んでインテリアとしても評判となり、デコラティブなデザインの壷が多く作られました。東洋と西洋が融合したシノワズリ(17世紀頃から流行した、ヨーロッパの貴族や富裕層で大流行した東洋趣味)の代表的なアイテムです。

結婚や婚約の際の贈り物などにも用いられ、19世紀にはコレクターもいたのだとか。流行りのおしゃれアイテムだったのでしょうね♡ いまでも人気があり、現行品がオシャレな雑貨屋さんで販売されていたり、ラルフローレンの店舗ディスプレイなどでも使われています。

ジンジャージャー
手前の伊万里の巨大な壷は、日本では沈香壷などと呼ばれますが、海を渡るとジンジャージャー。奥の棚に入っている蓋付きの壷は、中国とイギリスのもの。ジンジャージャーやティーキャディーと呼ばれています。

香りもよく、薬効のある生姜は大昔から人々を魅了するスパイスだったようです。美味しい物を楽しく食べれば、心も身体もハッピー。それは今昔共通の「人間の喜び」だもの。

さぁ! さむーい冬がやってきます。心も身体も温かくしましょう。今年の冬は唐辛子と生姜で「ポカポカ大作戦!」の決行です。

フレッシュ唐辛子のガーリックチリオイルを作ろう!

スパイス好きならぜひ作ってもらいたい「チリオイル」。気軽に作れて、使うスパイスで中華風やインド風、メキシカンなど自由自在。今回はシンプルに八角やシナモンを使います。生唐辛子と生姜、ニンニクで身体ポカポカ、元気モリモリ。ただ、お口の中はバッチリ「ニンニク臭」になるので、デート前はやめておくのが得策です。

■ 材料

  • 生唐辛子 50g
  • ニンニク 2玉
  • 生姜 1片
  • 油 200c
  • 塩 小さじ1/2
  • 砂糖 小さじ2
  • 五香粉 小さじ1/2
  • 八角 1個
  • シナモン 1本
  • 花椒 大さじ1

■ 作り方

① 唐辛子のヘタを落とし、剥いたニンニク、ぶつ切りにした生姜と共にフードプロセッサーにかける。※素手で唐辛子を触った後に顔などを触ると痛いので注意。

② 弱めの中火でフライパンに油を熱し、塩、砂糖、五香粉、八角、シナモン、花椒を加え香りを出す。

③ フードプロセッサーにかけた①を②のフライパンに加え混ぜ、ニンニクが焦げない温度でじっくり色が変わるまで、たまに混ぜながら火にかける(※15分ほど)。

④ 火を止めて完全に冷ましてから、瓶に詰める。

辛いので少しで大満足。瓶に入れて保存すれば1年以上持ちます。冷や奴やお粥にもいいですねぇ。

生姜たっぷり餃子を作ろう!

餃子はとってもシンプルに作りましょう。ネギと生姜だけの簡単なタネには、お肉の1/3くらいと、ビックリするほどの生姜を使います。正気ならこんなに使わないかもしれませんが、何が正気でどこから狂気かなんで、人それぞれの常識感。この際、杓子の定規はポイッと投げ捨てて、純粋無垢な気持ちで作っていきましょう。

■ 材料

  • 豚挽肉 400g
  • 生姜 130g
  • ネギ 1本
  • 餃子の皮 1パック(今回使ったのは小さめの皮の50枚)
  • a) オイスターソース 大さじ2
  • a) 紹興酒 大さじ1
  • a) 胡椒 小さじ1
  • a) 塩 小さじ1/2

■ 作り方

① 生姜とネギは粗みじん切りにする。

② 豚挽肉にa)の材料を混ぜてから、①の生姜とネギを加えてさらに混ぜる。

③ 餃子を包んでフライパンで焼き、チリオイルをかけて召し上がれ!

今回使った皮は、鎌倉大町にある邦栄堂製麺の餃子の皮(小)。

この皮は柔らかく伸びるので、とにかく包みやすい! 破れない! 我が家の餃子はいつもこちらで。お気に入りの食器や食材があると、料理はもっともっと! 楽しくなります。

水餃子
水餃子もオススメ。

今回紹介したチリオイルと餃子で鍋っていうのもいいですねぇ。家族や友人とテーブルを囲み、美味しい物をみんなで食べる時間は、心も温めてくれるでしょう。血行がよくなると、疲れが溜まりにくくなります。ただでさえ寒い冬は体が重くなってレイジーになりがち。唐辛子と生姜パワーのポカポカ大作戦で健やかに過ごしましょ♡

Credit
写真&文 / ルーシー恩田

ルーシー・おんだ/アンティークバイヤー/IFA認定アロマセラピスト/ITEC認定リフレクソロジスト。20代に訪れたタイ・チャン島でのファスティング(断食)経験から、心・体・生活環境などを全体的にとらえることにより、本来の自然治癒力を高め病気に負けない体づくりを学び啓発される。会社員としてデザインの仕事をしながら英国IFAアロマセラピストの資格を取得。退職後は更なる経験と知識の向上のためイギリスへ渡り、英国ITEC認定リフレクソロジストの資格を取得。現在は家業のイギリスアンティークの買付と販売をしながら、アロマセラピスト的な視点で自家栽培の野菜とハーブを使ったお料理教室やワークショップを開催している。

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