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「ニノしかおらんねん」共演者が惹きつけられる俳優・二宮和也の“二面性”

  • 2024.12.5
「インフォーマ-闇を生きる獣たち-」放送前日プレミアイベントに登場した二宮和也 撮影=阿部岳人
「インフォーマ-闇を生きる獣たち-」放送前日プレミアイベントに登場した二宮和也 撮影=阿部岳人

【写真】第5話で高野(二宮)の謎も明らかに?「インフォーマ-闇を生きる獣たち-」より

俳優の二宮和也が、桐谷健太主演のABEMAオリジナルドラマ「インフォーマ-闇を生きる獣たち-」(毎週木曜夜11:00、ABEMA SPECIALチャンネル)に警察官僚・参事官の高野龍之介役で出演中である。現在、第4話まで配信されているが、出演時間はごくわずか。SNSでは「えっ二宮さんセリフなかった」「どう絡んでくるのか楽しみ」「いやいや、最悪のニノが控えてるんだろ…?」といった声があがり、高野がどんな動きをしてくるのかはまったく読めず、今後の隠し玉要素として注目されている。“二宮が出ていてこのまま終わるわけがない”と世間が思うのは、彼に対する俳優としての信頼度の表れだろう。二宮がこれまで見せてきた、あらゆる感情を複数同時に表現できる“二面性”のある演技を中心に振り返っていく。

社会を裏であやつる情報屋“インフォーマ”が壮大な事件に挑む

「インフォーマ-闇を生きる獣たち-」は、2023年にカンテレ系で放送されたシリーズの最新作。迫力満点のアクションに加え、「闇バイト殺人事件」を発端とした先の読めないストーリー展開で、一度見たらやめられない中毒性の高い本格クライムサスペンス。政治、経済、芸能、裏社会にいたるまであらゆる情報に精通し、社会を裏であやつる謎の情報屋、通称“インフォーマ”木原(桐谷健太)と、ペンで権力に立ち向かうという信念を持つゴシップ週刊誌「週刊タイムズ」の記者の三島(佐野玲於)の“異色のコンビ”が事件の裏に潜む“巨悪”を追っていく。

編集長の命でタイ・バンコクに飛んだ三島は、木原に翻弄されながら命懸けで取材に挑む。異国の地で刑務所に入れられ、インフォーマを名乗る謎の男・鬼塚(池内博之)に捕まりながらも、「闇バイト殺人事件」で盗み出された“謎のブツ”をめぐり、現地マフィアと壮大な情報戦に巻き込まれていく。同じく「闇バイト殺人事件」の黒幕を追う警察では、異例の捜査体制が組まれ、警視正・高野(二宮)の陣頭指揮のもと捜査が進められることに。バンコクで木原と三島が、銃撃戦あり、カーチェイスありで血まみれになりながら真相を探る中、日本では高野が淡々と事件の闇と向き合っているところだ。

“冷たい炎”を表現できる俳優の非凡な演技力

第5話が放送される「インフォーマ-闇を生きる獣たち-」より (C)AbemaTV,Inc.
第5話が放送される「インフォーマ-闇を生きる獣たち-」より (C)AbemaTV,Inc.

1983年6月17日生まれの二宮。いつまでも老けない印象もあるが、41歳になった“ニノ”は画面に映るだけで『何かありそう』と思わせる。主役級の二宮が、ネット配信ドラマに突如登場しているのを知らずに見たら驚くだろう。高野はうっすらとヒゲをたくわえ、小綺麗ながらもワイルドな印象。11月6日に都内で行われた今作のプレミアイベントで二宮の乱闘シーンがあることを知ったファンは「やはり…ただの警察官僚ではない…」「乱闘!?白ニノなの?黒ニノなの?」と身構えて心の準備を始めている。

今作への出演は、他でもない主演の桐谷から「この役はニノしかおらんねん」という度重なる熱烈オファーで決まった。先述のイベントで桐谷は、二宮に対し「『インフォーマ』っていう作品にある、“冷たい炎”を表現できる数少ない俳優さんだと思っていて。だからやってほしくて、ニノが出ない未来がちょっと考えられなくて。本当に感謝でいっぱいです」と語っている。

二宮は“冷たい炎”という、相対する真逆の言葉を成立させてしまう男なのだろう。笑いながら涙を見せたり、心の中は悲しみでいっぱいなのに静かな怒りを露わにしたりする繊細な心の“二面性”を同時に表現できるのが、二宮の非凡な演技力だ。桐谷との出会いは二宮主演ドラマ「流星の絆」(2008年放送、TBS系)。主人公の有明功一は弟・泰輔(錦戸亮)と妹・静奈(戸田恵梨香)を守りながら詐欺師として生活し、幼い頃に両親を殺した犯人に復讐を企てる長男という役だった。家族と過ごしているときの柔らかな表情と、ラストのあたりで犯人と対峙したときの恨みと悲しみに満ちた顔は別人のようであり、演技の幅広さを印象付けた。

二宮と桐谷は映画「ラーゲリより愛を込めて」(2022年公開、瀬々敬久監督作)と、映画「アナログ」(2023年公開、タカハタ秀太監督作)でも共演している。「アナログ」はビートたけしが書き下ろした恋愛小説を原作とした作品で、デザイナー・水島悟(二宮)がカフェで出会った携帯電話を持たない女性・みゆき(波瑠)と関係を深めていくラブストーリー。桐谷は悟の親友・高木役を演じた。公開時のポスターで、悟は涙を流しながら口元は優しくほほ笑んでいる。好きになった女性と、ある日突然連絡が取れなくなった悟の「会いたい」気持ちが込められた複雑な涙。ここでも主人公の“二面性”が一瞬で分かる演技が切り取られている。

アイドルでタレントな“俳優”が見てきた濃い世界

 「インフォーマ-闇を生きる獣たち-」の放送前日プレミアイベントが行われた 撮影=阿部岳人
「インフォーマ-闇を生きる獣たち-」の放送前日プレミアイベントが行われた 撮影=阿部岳人

悲しみでいっぱいなのに静かな怒りを露わにする、という二宮の表情は、主演ドラマ「マイファミリー」(2022年放送、TBS系)で見ることができた。二宮演じる鳴沢温人は娘を誘拐された父親という役。物語始まってすぐの温人は仕事人間で家庭や子育てのことは妻・未知留(多部未華子)に任せきり、冷めきった夫婦でいわゆる仮面夫婦だった。しかし、娘が誘拐され、家族や協力してくれる仲間の大切さを再認識していくドラマ。犯人が誰なのかというミステリー要素もありながら、次第に人間らしい感情が漏れ出していく温人の成長物語としても人気を集めた。

人間の感情というのは単純に喜怒哀楽の4つだけで表せるものではない。常に複数の気持ちが複雑に混ざり合っている。そこを瞬間的にいくつも同時に演じられるのは、やはり二宮の才能と人間観察力の高さなのだろう。

そして、何より彼自身が見てきた世界が誰よりも色濃いという圧倒的な経験値。映画「硫黄島からの手紙」(2006年公開、クリント・イーストウッド監督作)でハリウッド作品に出演し、映画「母と暮せば」(2015年公開、山田洋次監督作)で、第39回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞するなど俳優として数々の輝かしい活躍を残しながらも、国民的アイドルグループ・嵐のメンバーであり、バラエティやCMでも活躍、YOUTUBE「よにのちゃんねる」でも活動している。

歌って踊って人々に愛され、第一線で芸能活動をして、成長を繰り返す姿を見せていく。そんな彼が画面に映れば、『何かありそう』と思わせるのは必然なのだ。

12月5日(木)放送の「インフォーマ-闇を生きる獣たち-」第5話では、バンコクで皆が命を懸けて奪い合うチップの内部に秘められたある“情報”のほか、今まで謎だった部分がどんどんと明らかになるとされている。予告映像には、高野(二宮)が眉間のシワを寄せた真顔も映っていて意味深…。桐谷が“冷たい炎”と表現した面が見えてくるころかもしれない。

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