今回は筆者の知人が、職場で体験した出来事を紹介します。【愚痴を言う人の多い職場】で、「なんとか職場環境をよくしたい!」と“ある行動”を起こしたら、他の社員から言われてしまった“ショッキングな一言”とは?
常に誰かが会社の体制や、他の社員について愚痴を言っているような職場
これは私が以前、中途で入社した企業で経験した出来事です。入社してすぐに感じたのは、「愚痴を言う人が多い」こと。
常に誰かが会社の体制や、他の社員について愚痴を言っているような状況で、私は「こんな職場環境では、みんな気持ち良く仕事ができないのでは?」と不安に思っていました。
しかも、愚痴の内容を聞いてみると、「会社からの業務の指示が明確でない」とか「部長の稟議の承認が遅すぎる」とか、会社側に相談すれば簡単に解決しそうなものばかり。
そこで私は「上司と話し合う場を作って、みんなの不満が解消すれば、もっと職場環境が良くなるに違いない」と考えたのです。
私は早速、みんなから聞いた不満を【社員の声】として文書にまとめました。そして部長に、「みんなの思いを代表してお伝えします」とその文書を提出したのです。
私としては本気で「一緒に働くみんなのために、会社を良い環境にしたい」と思っての行動だったため、その時は「いいことをした」と清々しい気持ちでいっぱいでした。
しかしその直後に、事態は思わぬ方向へ進んでいったのです。
席に戻ると、先輩がため息をつきながら声をかけてきて……
私が席に戻ると、【社員の声】を部長に提出したのを見ていた先輩が、ため息をつきながら声をかけてきました。「さっき提出していた文書に、俺が言った意見だって書いてないだろうな?」
先輩の冷ややかな態度に戸惑いながら、ふと周りを見回すと、みんな先輩と同じように、呆れたような目で私を見ていることに気づきました。
そして私が「意見は匿名で書いたので、個人名はいっさい出していませんよ」と言うと、一斉に安堵の表情を浮かべたのがはっきりとわかりました。
それを見て、「みんなは本当に環境改善を望んでいるわけではなく、『ただ愚痴を言いたいだけ』だった」ことに気づいた私。
声をかけてきた先輩以外はみんな無言でしたが、そこにいる全員から「余計なことするなよ」と言われているような気分でした。
結局その会社は自分に合わなかったこともあり、2年も経たずに退職しました。あの時、自分がとった行動が正しかったのか、間違っていたのかは今でもわかりません。
しかし、独断で行動せず、もっと周りの先輩たちに相談した上で行動していれば良かったと反省はしています。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2024年11月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Hinano.N
不動産・金融関係のキャリアから、同ジャンルにまつわるエピソードを取材し、執筆するコラムニストに転身。特に様々な背景を持ち、金融投資をする女性の取材を得意としており、またその分野の女性の美容意識にも関心を持ち、日々インタビューを重ね、記事を執筆中。