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【国際障害者デー】誰もが楽しめるファッションーユニバーサル/インクルーシブデザインとは

  • 2024.12.4

おしゃれを楽しむことを、諦めなくてもいいように

MoMo Productions

ユニバーサルデザインとは、すべての人々が自分の能力に関係なく利用できるデザインのこと。バリアフリーに続いて、建築や都市設計の文脈で生まれたコンセプトで、一部の人を排除するような特別なデザインや後付けの改修を避け、最初からすべての人の特質を考えてデザインすることが特徴。

インクルーシブデザインは、ユニバーサルデザインが誰でも使いやすいようなデザインを「デザイナー」が考案する一方、インクルーシブデザインの場合はデザイナーだけでなく、障害の有無、年齢、ジェンダー、言語、国籍、文化、能力などの違いから「これまで社会から排除されてきた人」を最初から巻き込み、一緒にデザインをしていくことが特徴。

いま、このユニバーサルデザインやインクルシーブデザインにフォーカスしたファッションが続々と登場。ここでは6つのアパレルの服づくりにかける想いからコンセプト、そして具体的な仕様までを見てみよう。自分らしさ100%の、ワクワクする一着が見つかるかもしれない!

SOLIT!

SOLIT代表の田中美咲さんがプラスサイズに該当することから、日本では着たい服が着られなかったという経験をきっかけにはじめた「SOLIT!」。2024年4月にバンクーバー・ファッション・ウィークに参加した、いま勢いのあるインクルーシブファッションブランドだ。

「周りを見渡せば車いすを使用しているため着る服が限られる友人がいたり、信仰上の理由で気に入った服を選べない仲間がいます。もっと自由に服を纏って自己表現したいのに……、それがなんらかの理由で叶わない人が多いことに気づきました」

SOLIT!

SOLIT!の服は、企画段階から多様な人を巻き込んでつくられている。たとえば、写真のDawn one piece(2024年12月上旬から1カ月間限定で再販予定)は車いすユーザーの女性と10代の男子高校生の声がきっかけでデザインがスタート。車いすユーザーの女性の「ワンピースは着づらい」「お腹の筋肉が弱くなったことで目立つようになったぽっこりお腹を隠したい」という悩みや、男子高校生の「スカートを履いて自分らしくありたい」という想いを反映できるよう、とことん話し合いながら、試作品を何度もつくり直して完成した。

自分の好みや体型にあわせてサイズ・形・丈を部位ごとに調節できるカスタマイズ性の高いデザインも特徴。購入後でも、ボトムスの裾上げやジャケットの袖丈のお直しもできる。完全受注生産のため、手元に商品が届くまでに約1.5カ月はかかるが、長く着られる一枚ができあがることによって、大量生産・大量消費・大量廃棄への対策になる点も◎。

すでに10代後半から80代までと幅広い層から支持を得ている。「デートに行けたり、面接に行けるようになったり、結婚式にでかけられるようになった」という感想も。着る人が自分らしさを損なわず、行きたい場所や会いたい人のもとに行ける。SOLIT!はそんな一着を届けてくれる。

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キヤスク with ZOZO

9,000以上のブランドのアイテムを取り扱うファッションEC「ZOZOTOWN」を運営するZOZOと、障害や病気のある人に向けて服のお直しサービスを提供する「キヤスク」を運営するコワードローブが協業し立ち上げたのが、インクルーシブウェアの受注生産サービス「キヤスク with ZOZO」。

一人ひとり異なるファッションの悩みがあって、着やすさや機能性を優先して毎日着る服を選ぶしかない人も多い。キヤスク with ZOZOは、そんな服の選択肢の少なさという悩みに着目して生まれた。

キヤスク with ZOZO

そのポイントは、最大56サイズ展開で販売が可能なことにプラスして、キヤスクの知見を活かしたデザイン。たとえば車いすユーザーの悩みに応えるパンツには、床ずれ(※)を防ぐため、臀部(でんぶ)の縫い目がない。着替えを簡単にするために脇に大きく開くファスナーがつけられ、「腰から裾」や「腰から膝」までの長さが選択可能になっている。また、座った姿勢がキレイに見えるよう計算されたデザインも魅力の一つ。

実際に、サンプルを着用した障害のある人からは「街着としてかっこいい、かわいい。これを履いておでかけしたい」「このサービスをきっかけに、インクルーシブファッションの世界が広がっていってくれたら嬉しい」という声も。

(※)褥瘡(じょくそう)とも呼び、座りっぱなしや寝たきりなどによって、体重で圧迫されている場所の血流が悪くなったり滞ることで、皮膚の一部が赤い色味をおびたり、ただれたり、傷ができてしまうこと

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