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いざというときの鈴鹿央士”左右馬に惹かれる…怪しすぎる濱尾ノリタカの正体は?『嘘解きレトリック』第9話考察レビュー

  • 2024.12.5
『嘘解きレトリック』第9話 ©フジテレビ

鈴鹿央士&松本穂香がW主演を務めるドラマ『嘘解きレトリック』(フジテレビ系)が放送中。本作は、借金まみれの貧乏探偵とウソを聞き分ける能力者の異色コンビによる、レトロモダン路地裏探偵活劇。今回は、第9話のレビューをお届けする。(文・菜本かな)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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※以下、『嘘解きレトリック』第9話のネタバレを含みます。ご注意ください。

【著者プロフィール:菜本かな】
メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動を行っていた。エンタメとファッションが大好き。

『嘘解きレトリック』第9話 ©フジテレビ
『嘘解きレトリック』第9話 ©フジテレビ

「2人のどちらが、本物の依里の子か見極めてほしいの」

『嘘解きレトリック』(フジテレビ系)第9話で、左右馬(鈴鹿央士)と鹿乃子(松本穂香)は、久(余貴美子)のニセモノの孫を見抜くことになった。

というのも、久の娘である依里(吉田美佳子)は、25年前に書生の乙吉(濱田和馬)と駆け落ちをしてから、一度も実家に帰っていなかったらしい。もちろん、久も娘に会いたい気持ちがあったが、夫のせいで探すことができなかった。

そんななか、夫が急な病で他界。書斎を整理しているときに、依里の駆け落ち後を調査した書類が見つかった。そこに記されていたのは、依里が小さな町で“山岡鶴子”を名乗って暮らしていたことと、子どもを産んだあとに命を落としてしまったこと。

久の夫も、依里がどうしているのかを知っていたのなら、久に教えてあげればよかったのに…と思うが、“娘は死んでいる”と思うよりも、“娘がどこかで元気に生きているはずだ”と思いながら生きていく方が、妻にとってはいいと考えたのだろうか。

それにしても、最愛の娘と会うことができないまま、永遠に離ればなれになってしまった久の心情を考えると、胸が痛む。駆け落ちをしてから、依里はずっと両親に対して罪悪感を抱きながら生きていたはずだ。しかし、大好きな彼と一緒にいるためには、そうするしかなかった。

心のどこかでは、久もそんな依里の気持ちが分かっていたのだろう。でも、もう「大丈夫だよ」「許しているからね」と声をかけてあげることはできない。そんなとき、依里に子どもがいると知れば、会ってみたいと思う気持ちも分かる。

『嘘解きレトリック』第9話 ©フジテレビ
『嘘解きレトリック』第9話 ©フジテレビ

しかし、依里の子どもを探すために出した新聞広告に釣られてやってきたのは、史郎(濱尾ノリタカ)と皐月(野村康太)の2人だった。どちらもが嘘をついている可能性も考えられるが、久は初めて皐月を見たときに「依里の子だ」と思ったらしい。ただ、それが確実だとは言い切れないため、左右馬の探偵事務所に依頼にやって来た。

嘘が聞こえる能力を持つ鹿乃子は、史郎が嘘をついていることにすぐに気づいてしまう。「横浜のダンスホールで、雑用兼用心棒をしていた」という経歴だけでなく、“徳田史郎”という名前まで嘘。

調べてみると、実際に徳田史郎が横浜のダンスホールで働いている事実はあったが、顔がまったくの別人だった。最初は、久の遺産を求めてやって来たのかな…と思ったが、どうやら彼の狙い(?)は鹿乃子のようだ。

これまで、左右馬は鹿乃子の能力を用いて数々の事件を解決に導いてきた。そのなかで、いちばん困ったのが、嘘が聞こえる能力を明かせないこと。

「どうして、この人が嘘をついていると分かるの?」と言われても、「鹿乃子が嘘が聞こえる能力を持っているからです!」と返すことはできない(というか、言ったとしても信じてもらえないだろう)。そのため、真犯人が明らかになっているのにも関わらず、相手にどう説明すればいいのか…というジレンマがあった。

しかし、今回の事件に携わっていた史郎は、鹿乃子の能力を察していた。その人がしゃべっている言葉が嘘だと分かったとき、鹿乃子は指をギュッと絡ませて左右馬に合図をする。それは、2人だけの秘密のはずだったのに、なぜか史郎はその合図に気づいていたのだ。一体、彼は何者なのか。

『嘘解きレトリック』第9話 ©フジテレビ
『嘘解きレトリック』第9話 ©フジテレビ

皐月が本物の孫なのでは? となったあたりで、サッと身を引いたのもなんだか怪しい。「時間の無駄だから」と言っていたが、それなら最初から嘘をついて孫を名乗る必要などなかったのではないだろうか。

「探偵を呼ぶと聞いて、どうやって本物を見抜くか興味があった」という発言も、かなり引っかかる。もしかすると、ただ鹿乃子に近づくために、この問題に関わってきた可能性も…?

「皐月くんが、本物だと分かって良かった。彼は、本当にいい人だ。安心してください。僕はもう実原家には関わりません」という史郎の言葉に、嘘はなかった。ということは、やっぱり実原家に対する執着はないのだろう。

しかし、そのあとに「鹿乃子さん、今の僕の話はどっち?」と言ったときの挑戦的な目つきにゾワっとさせられた。史郎は、ここで去るわけではなく、鍵を握る人物として今後も登場するのではないだろうか。これまで、鹿乃子の能力が伝わらないことにもどかしさを感じることもあったけれど、左右馬以外に知っている人物がいる…というのもなんだか恐ろしい。

しかし、鹿乃子の身に危険が近づいたとしても、絶対に左右馬は身をていして守ってくれるだろう。史郎が疑いの目で鹿乃子を見ていたときも、「鹿乃子くんは、何も知りませんよ」とすぐに守ってあげていた。このように、毎回、“惚れてまうやろ案件”を入れ込んでくる左右馬。

普段は、ふわふわした感じのキャラなのに、いざというときは冷静な判断ができるところに惹かれている視聴者も多いのではないだろうか。もちろん、わたしもそのひとり。『嘘解きレトリック』終盤戦も、左右馬のギャップにときめきながら、鹿乃子のほんわかとした雰囲気に癒されたいと思う。

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