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足がつりやすい人の特徴とは。どんな人が「よく足をつる」のか。病気の危険サインは?

  • 2024.12.4

足がつるとは、ふくらはぎや足の甲、指などの筋肉が痙攣し、強い痛みを伴う現象のことです。とくに夜間や激しい運動後、または冷えた環境下で起こりやすいのが特徴です。

一時的な足のつりであれば、多くの場合は自然に治まりますが、頻繁に繰り返される場合や長時間痛みが続く場合は、健康上の問題が隠れている可能性があります。

「なぜ足がつるのか」「つりやすい体質とはどんな特徴があるのか」、その原因や対策についてお届けします。監修は、公立学校共済組合関東中央病院 心臓血管外科部長で二子玉川女性のクリニック下肢静脈瘤担当の佐賀俊文先生です。

こんな人は足がつりやすい! 足をよくつる人の特徴

足がつりやすい人には、いくつかの共通する特徴があります。

  • 筋肉疲労が溜まりやすい人(ランナーやハードなトレーニングをする人)
  • 水分不足やミネラル不足の傾向がある人(とくにマグネシウム、カリウム不足)
  • 長時間同じ姿勢を取りがちな人(デスクワーク、立ち仕事)
  • 下肢静脈瘤を発症している人
  • 運動不足による筋力低下
  • 偏った食生活をしている人(塩分不足、または摂り過ぎ、)
  • 血行不良がある人(冷え性、糖尿病、高血圧など)
  • 妊娠中の女性や加齢による影響

当てはまっているかもと感じた人はいるでしょうか。もう少し具体的に解説していきます。

なぜ足がつりやすくなるのか? 原因とは

足がつる根本的な原因には、以下の要因が挙げられます。

筋肉や神経の異常

筋肉は神経から送られる電気信号によって収縮や弛緩を繰り返します。しかし、この神経信号がうまく働かないと、筋肉が必要以上に収縮し、その結果として「足がつる」状態になります。

電解質のバランスが崩れている

カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウムといったミネラルは、筋肉や神経の働きを調整します。これらが不足すると、筋肉が正常に動かなくなり、痙攣が起こります。

血行不良

長時間同じ姿勢でいることや冷えは、筋肉への酸素や栄養の供給を妨げ、足がつるリスクを高めます。

脱水症状

汗をかいた後や水分摂取が少ない場合、血液の循環が悪化し、筋肉の痙攣を引き起こすことがあります。

下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)

本来心臓に環流する血液が、血管の緩みが原因で下肢の静脈に血液が溜まってしまう病気です。

足を見ると膝から下にボコボコと皮膚が盛り上がるほどの血管があるのが特徴です。遺伝や立ち仕事、妊娠などが原因として挙げられます。

食事療法や薬では治療は困難なため、専門の医療機関を受診する必要があります。

次:足がつりやすい人のための予防策(食事編)

足がつりやすい人のための予防策(食事編)

足がつるリスクを下げるためには、日常生活において以下の食事を意識してみましょう。

ミネラルが豊富な食材を意識的に摂る

カリウムやマグネシウムは筋肉の健康をサポートします。

マグネシウムを含む食材

 ほうれん草
 アーモンドやくるみなどのナッツ類
 アボカド
 ダークチョコレート(高カカオ含有)
 大豆製品(豆腐、納豆など)

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カリウムを含む食材

 バナナ
 サツマイモ
 トマトやトマトジュース
 オレンジやアボカド
 魚(特にサケやマグロ)

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カルシウムを含む食材

 牛乳やヨーグルトなどの乳製品
 小魚(イワシ、しらすなど)
 ブロッコリーやチンゲン菜

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次:避けたほうがいい食材

避けたほうがいい食材

足がつる原因となる電解質バランスの乱れや血流の悪化を招く可能性のある食材は控えめにしましょう。

ナトリウム過多の食材(塩分過剰)

 ポテトチップスやスナック菓子
 カップ麺やインスタント食品
 漬物や梅干し(塩分を多く含むもの)

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カフェインを多く含む飲み物

 コーヒー(過剰摂取に注意)
 エナジードリンク
 濃い紅茶、緑茶など

過剰な糖分を含む食品

 ケーキやクッキーなどのスイーツ
 ジュース(とくに砂糖入りのもの)

アルコール

過剰なアルコール摂取は体内の水分とミネラルを奪い、筋肉痙攣を引き起こしやすくします。

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足がつりやすい人のための予防策(生活習慣編)

日々の生活の中にも、意識して取り組むべきポイントがあります。

水分補給をこまめに行う

運動前後や日常生活でも、こまめに水を飲むことで脱水を防ぎます。とくに夏場や運動時には喉が渇く前に飲みましょう。

ストレッチや軽い運動をこまめに行う

筋肉を柔らかく保つために、定期的なストレッチを行いましょう。とくに、寝る前にふくらはぎを伸ばすストレッチを行うと、夜間の足の痙攣を防ぐ効果が期待できます。

長時間の立ち仕事を避ける

長時間の立ち仕事は、血液の流れの鬱滞と下肢静脈瘤発症の原因にもなります。どうしても仕事でしなければならい場合は、弾性ストッキングの着用や、1~2時間毎のストレッチを心がけましょう。

 

足がつってしまった場合の対処法

万が一、足がつってしまった場合におすすめの、すぐに実践できる対処法をご紹介します。

ストレッチを行う

つった筋肉をゆっくりと伸ばします。例えば、ふくらはぎがつった場合は、足の指を手前に引っ張るようにすると緩和します。

マッサージする

痙攣している部分を優しくほぐすようにマッサージをすることで、血流が改善され、痛みが和らぎます。

温める

痙攣した部分に温かいタオルや湯たんぽを当てることで、筋肉がリラックスしやすくなります。

もしかして病気の予兆? 医師に相談すべき危険パターンとは

足がつる現象の多くは、一時的な筋肉の痙攣やミネラルバランスの乱れが原因ですが、中には深刻な病気のサインである場合も。

以下のようなパターンは、早めに医師に相談することをおすすめします。

頻度や症状の重さが増している

  • 足がつる頻度が急激に増えたり、一日に何度も起きたりする場合
  • 痙攣の時間が長く、強い痛みを伴う場合

これらは、神経や筋肉に関わる疾患の兆候かもしれません。

夜間、頻繁に足がつる

夜間に足が頻繁につる場合、「レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)」や「下肢静脈瘤」の可能性があります。

これらは血流や神経に異常がある場合に起きる症状です。

足以外の部位にも異常が見られる

  • 手や腕など、足以外の筋肉にも痙攣が頻発している場合
  • 筋肉の痙攣とともに、しびれや麻痺、感覚の喪失がある場合

これらは、神経系の疾患と関連している可能性があります。

痙攣に伴い全身症状がある

倦怠感、頭痛、息切れ、めまいなどを伴う場合、疾患が隠れている可能性があります。

上記の症状がなくても、足がつる頻度が1週間以上にわたり毎日続いていたり、セルフケアをしても改善しない場合は、医療機関の受診をおすすめします。

監修者プロフィール

佐賀俊文

公立学校共済組合関東中央病院 心臓血管外科部長。二子玉川女性のクリニック下肢静脈瘤担当

保有資格・所属学会
日本外科学会外科専門医
心臓血管外科専門医
日本脈管学会脈管専門医
胸部外科学会専門医
血管内治療認定医
腹部ステントグラフト指導医
胸部ステントグラフト指導医
浅大腿動脈ステントグラフト実施医
下肢静脈瘤血管内焼灼術指導医
経カテーテル的大動脈弁置換術実施医
弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター

<Edit:編集部>

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