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とにかく認められたくて知識という武器にすがった。でも世界は残酷で

  • 2024.12.4

見ないふりをしていただけで、いつだった憧れは目の前にあった。かわいくて優しくて、誰から愛されたあの子。私はいつもその姿に救われていた。どんなに頑張って勉強したって、どんなに成績が良くたって、そんな後付けの努力なんて馬鹿馬鹿しくなるくらい、最初の印象はほんの一瞬、外見なのだった。振り返って思えば、最初の一歩につまづいた私は、ずっとあの日の不幸に取りつかれたままだ。

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子供は残酷で、ブスとかデブとかそんなシンプルな言葉しか知らない。周りより身長も体重もあってとにかく目立ってしまった私は、物心ついた時からずっと「ブス」だった。かわいいの基準も頭のいいの基準もなかったあのころの純粋で無邪気ないじわるから、私だけがずっとその言葉を引きずっている。

それが本当のことなのか、間違いないのか、今の私には知るすべもない。成長して語彙が増えて、コミュニケーション能力を身に着けた私たちは嘘を知った。そして、円滑で安全な関係のために嘘という方法があり、呼吸をするようにその方法を使ってきた。

今では面と向かって、ブスとは言わないし、聞けない。それでも、かわいくないことを十分すぎるくらい理解していた私は、容姿ではなく、もっと簡単に結果のわかりやすい知識という武器にすがった。とにかく、認められたかった。馬鹿にされたくなかった。人より頑張れば、何かに優れていれば、大丈夫だと信じて疑わなかった。

知識さえあれば勉強すれば、私の世界はどんどん広くなるのに、それでも世界が私を見る目は少しも変わらなかった。知識は外見には表れないから。努力して何とか入れた大学には、同じくらいあるいは私以上に頭が良くて、かわいい子がたくさんいた。そんな景色を目の当たりにして、それまで頑張っていたことを間違ったのだと、はっきり指摘された気がした。結局、私はずっと引きずっているあの言葉から逃げられないのだと。

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私が幸福だったのは、大学でかわいくなる方法を教えてくれる友達ができたことだ。かわいくなるにも順序と方法がある。どこかで教えてもらえるものではなく、たいてい試行錯誤を繰り返して覚えるものだったけど、私は最初から正解を授けられた。はっきり成果のわかる方法で努力することは簡単だ。私は、言われた通り、実行し続けるだけでよかった。勉強を頑張っていたころほど私の世界は変わらないのに、世界からの私への態度がどんどん変わるのが、ただただ楽しかった。そして、その楽しさはたくさんの友達とキラキラした思い出に形を変えて、卒業した今でも私を支えてくれる。

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振り返ると他のずっと楽で確かな方法を代わりにしようとして、長い間避けていたけど、私の憧れはたぶんかわいい姿にしかなかった。たどりつくまでに、すごく時間がかかってしまったけど、私なりの試行錯誤はちゃんと憧れにつながっていて、たくさんの出会いの中で、形になった。ちゃんと目標を定めてその場所に向かって進んでいける人もいるし、私みたいに試行錯誤して進んだ先で出会うこともある。私を導いてくれたあの時の出会いは私の方向間違いの努力の結果だし、幸運だっただけかもしれない。それでも、しっかり考えて努力した結果だと誇りたい。小さな私の憧れた私が、誰かの憧れでありたい。

■AIAIのプロフィール
文系大卒からシステムエンジニアとして奮闘中。いつだって今が最高!

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