1. トップ
  2. ファッション
  3. 彼女はいつもわたしの数歩先。同じ誕生日の、よく似た同級生に憧れた

彼女はいつもわたしの数歩先。同じ誕生日の、よく似た同級生に憧れた

  • 2024.12.4

わたしは中学時代、とある好きな先生がいた。しかし、今回はその先生ではなく、とあるクラスメイトについて語りたい。なぜなら元をたどると、わたしが憧れていた、そのクラスメイトがその先生のことを推していたことがきっかけで、わたしも推したということが否定できないからである。

◎ ◎

中学1年生で入学してからの、初めの席順は名前の順だったので、その子と席は近くなかった。そのため、話すようになったのは少し経ってからだった。体育の授業の並び順は背の順でその子とほぼ身長が同じだったので、その時は近かった。

話すきっかけになったのは、誕生日が一緒だと誰かが教えてくれたことだった。今まで同じ誕生日の人は芸能人でも聞いたことがなかったので、勝手に親近感が沸いた。理由は特にないと思うが、その子がわたしと同じくらいの髪の長さに切ったとき、色黒なところや身長が同じくらいなことも相まって、後ろ姿だと見分けがつかないと言われたこともあった。

◎ ◎

数年後に流行ったsnowというアプリで、修学旅行のときに顔が交換できるフィルターを使って自撮りを撮ったのも懐かしい思い出だ。たしかコアなアニメオタクや声優オタクになったのは、紛れもなくこの子の影響である。

その子は優しかったので、お母さんに色んなことを制限されていたわたしに、CDを貸してくれたり、マンガを貸してくれたりした。その子と仲良くしたい子(ライバル)が現れたときは、今思い出すと大変恥ずかしい記憶だが、カーディガンをどっちが貸してもらうか、プチ喧嘩になったこともあった。その子の家の柔軟剤の香りはいい匂いだったが、どの製品を使っているか本人は知らなかった。もし、その子が製品名を把握していたら、きっとわたしはその柔軟剤を真似して使っていただろう(笑)。

◎ ◎

Twitterでその子と同じアニメキャラのアイコンにして、ユーザー名も似たようなものにするという、ふざけたことをした時期もあった。そのときも、また違うクラスメイトがその子に憧れていて、わたしと同じ手法でTwitterのアイコンやユーザー名を似せてきたので、3人のツイートが判別つかなくなっていた。今考えると、かなり痛いことばかりしていたなぁ……。

そういえば、大学受験が上手くいかず途方に暮れていたときに、その後わたしが通うことになった大学を教えてくれたのも、その子だった。

◎ ◎

大学生になってからも1、2回遊んだことはあった。その子がコロナ禍で遊びにせっかく誘ってくれたときに、わたしの親があまり外に遊びに行くことに寛容ではなかったため、また連絡するね、といったような曖昧な返信をしてしまい、それっきり5年以上会えていない。LINEで誕生日を祝い合うのも、いつの間にかやらなくなってしまった。大学で彼氏ができてから、趣味や服装も変わったようだ。いつも、わたしより数歩先を歩いている、見た目も考え方も大人なその子に、中学時代とはまた違った憧れの気持ちを抱いている。

■白百合のプロフィール
自己肯定感高めだけれど繊細。進学校とコロナに奪われた青春を取り戻し中。趣味はカフェ開拓と読書。

元記事で読む
の記事をもっとみる