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【東京】新オープン!出来立て和菓子のコースを堪能できる「九九九」六本木で味わう贅沢な茶寮体験をレポート!

  • 2024.12.4

出来立て和菓子のコースを堪能!「九九九」六本木で味わう贅沢な茶寮体験

出来立ての和菓子をコース仕立てで提供する「九九九(くくく)」が、11月28日(木)に東京・六本木にグランドオープン!

六本木に誕生した「九九九(くくく)」は、歳時記に基づいた和菓子とお茶のペアリングを通して、日本の四季を五感で楽しめる贅沢な茶寮体験を提供するお店です。


目の前で仕上げる出来立ての和菓子は、全国から厳選した茶葉の旨みとともに堪能できます。季節の素材を活かした和菓子とお茶のコースがメインで、夜には一品揃いや茶カクテルも楽しめます。


今回は、そんな「九九九」で和菓子のコースを堪能してきました!コース内でも特におすすめの、和菓子とお茶のペアリングを一部ご紹介します。ぜひチェックしてくださいね。

和の美しさを感じさせる店内で、季節を移すコースを堪能

「九九九」の店内は、茶室の要素を取り入れたモダンな空間です。和の美を感じさせるシンプルで落ち着いたデザインの中に、アートや骨董品が展示され、緊張感と安らぎを同時に味わえる雰囲気が漂っています。

一般的な茶室は、厳格な作法や規律が求められる閉ざされた場所ですが、ここの空間設計は「外」の自然とつながるように意識されており、より気軽にお茶と和菓子を楽しめるよう配慮されています。


障子の位置や壁の素材には工夫が施され、茶室でありながら、まるで庭園の一部に身を置いているかのような開放感を感じることができます。この微妙なバランスは、緊張感と安らぎの調和を生み出しています。

店内には、ポップアートの歴史を変えたアンディ・ウォーホルの名作「花」が飾られています。この作品は、九九九のコンセプトとも深く関連しており、茶の湯文化を大成させた千利休と「歴史を変えた」という共通点があるため、飾ることが決まったそうです。

京都・宇治田原産「氷出し玉露」

体験したコース(19,800円・サービス料別)のテーマは「装う山々から玄冬へ」。秋から冬への移り変わりを表現した、美しいコースを堪能しました。

最初にいただいたのは、京都・宇治田原産の玉露です。氷出しで抽出されたことで苦味が抑えられ、旨味がぎゅっと凝縮された一杯!飲むたびにじんわりと広がる奥深い口当たりです。

口の中でとろける!「亥の子餅」

今回のコースのはじめに登場したのは、イノシシの形をした「亥の子餅」。この時期、茶道では「お茶のお正月」と呼ばれるほど多くの重要な行事が行われ、その一つに「炉開き」があります。

炉開きとは、寒くなった季節に炭を使い始めることで、昔は木造建築が多かったため、火災を防ぐ縁起物として食べられていたという歴史があります。

「亥の子餅」は、そんな歴史的背景を持つ縁起の良いお菓子。中国の五行思想では、イノシシが「水」を表すとされ、このお菓子を食べることで火災から身を守る意味が込められています。

餅の中には、クルミとイチジクを詰めた餡が使われており、出来立ての柔らかな食感が口の中でとろけるように広がります。この一口で、自然な甘さと香ばしさが絶妙に調和し、まさに季節を感じさせる一品です!

この「亥の子餅」に合わせるのは、侘び茶。お茶業界ではブレンドを「合組(ごうぐみ)」と呼び、侘び茶の特徴として少し苦味と渋みが残ります。

和菓子の甘みとこの侘び茶の苦味が見事に調和し、お互いの味を引き立て合って、和菓子とお茶のペアリングの深い味わいを楽しむことができます。

和菓子としての枠を超える「氷炉」

四品目の「氷炉」は、和菓子の枠を超え、まるで茶道の精神を感じさせる芸術的な一品です。この和菓子は、路に炭が入っている情景をテーマにしており、その深いテーマ性がとても印象的です。

主役は、まるでかき氷のように仕立てられた炭アイス。アイスには特製の「炭油」がたっぷりとかけられていて、炭の芳醇な香りと光沢が加わることで、見た目と風味が見事に調和しています。

そして、この和菓子にぴったりのペアリングとして提供されたのが、ミント煎茶。

ミントの爽やかさが炭油の濃厚な風味を切り、口の中をすっきりとリセットしてくれます。

冷たいアイスが口内を鎮めることで、コース全体に絶妙な変化が生まれ、次の一品への期待感を高めてくれる素晴らしいペアリングです。

晩秋から初冬への移ろいを感じさせる「柿釜羹」

五品目の「柿釜羹」は、柿そのものの美味しさを存分に引き出した和菓子で、まさに秋の味覚を感じさせてくれます。

柿と砂糖だけで仕上げられたこの和菓子は、柿本来の自然な甘さがとても魅力的。柿に含まれるペクチンを巧みに利用して、シンプルながらも深い味わいを引き出しているそう。素材の力を活かした職人の技が光っています。


仕上げに添えられた琥珀糖は、その風味と食感がさらに引き立て役となっており、一口食べるごとに楽しい驚きがあります。

見た目も美しく、まるで霜が降りたような輝きを放つ琥珀糖は、晩秋から初冬への移り変わりを感じさせるデザインで、視覚でも楽しめる一品です。

ペアリングは黒文字茶。さっぱりとした風味が、柿釜羹の濃厚な甘さを上手に引き締めてくれます。

芋の香りと旨味を最大限に引き出した「山景色」

六品目の「山景色」。二種類の芋を使った温かい和菓子です。目の前で丁寧に焼き上げられていく芋の様子を見ていると、心がほっこりと温かくなります。

特に、芋の皮には香ばしさと豊かな風味がぎゅっと凝縮されていて、その皮を残すことで、まろやかで深い味わいが引き立っています!

鳴門金時の皮を活かしながら、内側には紅はるかの羊羹がたっぷりと詰められていて、見た目の美しさと風味のバランスが絶妙。

外側と中身で芋の種類を変えているのも面白いですよね。

そして、この和菓子にぴったりなのが、栗焙じ茶。

栗の鬼皮をローストして煮出したお茶は、ほんのりとした栗の香りと深いコクが感じられて、芋と栗という秋の味覚を見事に繋げてくれます。

まるで秋を丸ごと味わっているかのような、贅沢なひとときを過ごすことができました。

目が離せない!職人の技術が光る圧巻の練り切り「寒椿」

練り切りの「寒椿」は、まさに素材、技術、文化が融合した逸品で、和菓子の魅力を深く感じさせてくれます。

特にその中心となるこしあんは、自家製で特別な製法が施されています。

一般的な和菓子店では80メッシュの網を使ってあんを漉すのが主流ですが、こちらでは100メッシュというさらに細かい特注の網を使用しています。

この細かな手法により、こしあんが一層滑らかになり、とろけるような口溶けが楽しめます。

練り切り生地には、白あんに加え、地元・三重県産の伊勢芋と餅が使われています。

特に伊勢芋は香りと粘りが特徴で、東京ではあまり馴染みがないものの、その独特の風味が和菓子に深みと豊かな味わいを与えています。地元の素材にこだわって使用する、作り手の思いが伝わってきます。

また、練り切りの細工にも職人技が光ります。例えば、ミツバチの巣や自然を模した繊細なデザインは、修行時代に得た技術を活かしたものだそう。

作り手は三重県の和菓子店で修行を積み、関西と関東の和菓子文化の違いや、地元で採れる素材を探究し続けているというその背景も、和菓子に込められた奥深さを感じさせます。

練り切りのペアリングは濃厚な抹茶です。お茶席では和菓子を食べ終えてから抹茶をいただくのが一般的ですが、ここではいつ飲んでもOKだそう。

テーマでもある"心をほどく"を表現するように、和菓子とお茶をカジュアルに楽しむ形が提案されています。

緊張感と安らぎが調和する空間へのこだわり

コース終了後には、障子の奥に位置する特別エリアに案内され、お土産や茶器を購入することができます。

特に注目したいのは、茶室内に飾られている4つの茶碗です。これらの茶碗は、千利休が実際に手に取った可能性があるという逸話が残る歴史的なものから、近代の技法を取り入れたものまで多様に展示されており、茶器の進化と時代背景を感じることができます。

季節を感じるどら焼き

季節によって餡の種類が変わる、テイクアウトのどら焼きも要チェック。

11月は栗の餡がぎゅっと詰まったどら焼き。ふわっとした生地に包まれた餡は、栗本来の甘さと濃厚な風味が絶妙に調和しており、ひと口食べるたびに秋を感じさせてくれます。手土産に絶対喜ばれるはずです!

餡は滑らかでありながらも、食べ応えもしっかり。生地も程よい甘さで、餡とのバランスがとっても美味しいです...!自然な甘さで、秋の味覚を存分に楽しめる和菓子でした。

「九九九」で味わう、和菓子とお茶の極上ペアリング

いかがでしたでしょうか?

「九九九」のコースを通して感じられるのは、ただの食事ではなく、和菓子とお茶が織り成す芸術的なひとときです。

目の前で仕上げられる温かい和菓子は、その一瞬一瞬が特別で、素材の持ち味を最大限に引き出す職人の技が光ります。そしてそれに合わせるお茶は、味わい深さだけでなく、心まで整えてくれるような繊細さを感じさせます。

また、夜のバータイムには、一品揃いやオリジナル茶カクテルを楽しむことができます。訪れるたびに新しい発見が待っているので、ぜひ一度足を運んでみてくださいね!

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