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京都の紅葉は12月も美しい!混雑回避で楽しむ晩秋の京都1泊2日旅

  • 2024.12.3

京都通信

ようやく秋も深まってきた京都の街。

今年は平年よりも2週間ほど遅れて木々が色づきはじめ、紅葉のピークは12月上旬〜中旬にずれ込むことが予想されています。

 

そこで今回は、これから京都を訪れる方に向け、錦秋に染まる景色を堪能できる1泊2日のモデルコースをご提案。

隠れた名所やこの時期だけの特別拝観が行われているスポット、混雑回避のための奥の手をご紹介します。

【DAY1】

寺宝「源氏物語図屏風」が初公開紫式部ゆかりの地、大徳寺塔頭「真珠庵」

旅のはじまりは、京都市の北西に広がる「紫野」から。市内中心部の喧噪を離れ、ゆっくりと過ごせるエリアで寺社めぐりを楽しみましょう。

界隈の代表的な寺社といえば、京都でも有数の規模を誇る禅宗寺院・大徳寺。その広大な境内には20を超える塔頭があり、国宝や重要文化財に指定された建築、庭園、美術品を多数有しています。

なかでも「真珠庵」は、とんちで有名な一休和尚を開祖とする名刹。今、大河ドラマで話題の紫式部はこの周辺で生まれ育ったとされ、境内には産湯に使ったと伝わる井戸が遺されています。

紫式部 産湯の井戸
紫式部 産湯の井戸。1000年以上経った今も、枯れることなく地下水が湧き出ているそう。

普段は一般に公開されていない真珠庵ですが、今年は12月8日までの期間限定で、3年ぶりとなる特別公開を実施。江戸時代初期に描かれたとされる寺宝「源氏物語図屏風」が初公開となっています。

「源氏物語図屏風」
桐壺(一帖)や空蝉(三帖)など、6帖の場面が描かれた「源氏物語図屏風」。作者不詳だが、狩野派や土佐派の影響が見て取れるという。

期間中は、2018年に約400年ぶりに新調された方丈襖絵も特別に公開。手掛けたのは「釣りバカ日誌」で知られる漫画家・北見けんいち氏や、ゲーム「ファイナルファンタジー」のアートディレクターを務めた上国料勇氏ら、もともと住職と縁のあった現代作家6名です。

北見けんいち氏『楽園』
画像提供:京都春秋北見けんいち氏『楽園』。与論島の美しい景色と笑顔に満ちた人々が描かれている。

そのほか、御所の化粧殿を移築した書院「通僊院」や、江戸初期の茶匠・金森宗和好みとされる二畳台目茶室「庭玉軒」、わび茶の祖・村田珠光の作と伝わる「七五三の庭」などもあわせて公開されています。

大徳寺 真珠庵(だいとくじ しんじゅあん)
住所:京都市北区紫野大徳寺町52
TEL:075-231-7015(京都春秋)
拝観時間:9:30~15:30受付終了
公式 HP:https://kyotoshunju.com/temple/daitokuji-shinjuan_temple/

 

 

 

名物・あぶり餅は必食!隠れた紅葉の名所「今宮神社」

真珠庵をあとにしたら、大徳寺境内に隣接した「今宮神社」へ。

 

994年、平安京で流行した疫病を鎮めるため疫神を祀り、御霊会を行ったことからはじまった由緒ある神社で、健康長寿・災疫鎮静・良縁開運の社として広く信仰を集めています。

境内から見た楼門と紅葉
境内から見た楼門と紅葉。燃えるように色づくモミジが美しい。

この時期になると、楼門へと続く参道・今宮門前通りのイチョウ並木は黄金色に輝き、本殿や拝殿、楼門、太鼓橋などの周辺に見られるモミジが紅葉。色鮮やかに染まる秋の風情に心奪われます。

境内には、病気平癒を早める不思議な力を持つとされる霊石「阿呆賢(あほかし)さん」があり、この石に病気平癒を祈り、手で軽く撫でてから自分の体の悪いところをさすれば、健康の回復を早めると言い伝えられています。

楼門とイチョウ並木の参道
楼門の向こうには黄金色に輝くイチョウ並木の参道が伸びる。

今宮神社を訪れたら、門前菓子として古くから参拝客に親しまれてきた“あぶり餅”も外せません。

 

親指大の小さな餅に竹串を刺し、炭火であぶって白味噌ダレを絡ませたもので、素朴で香ばしい味わいが病みつきに!参詣の帰りに食べると病気封じや厄除けのご利益があるとされています。

今宮神社(いまみやじんじゃ)
住所:京都市北区紫野今宮町21
TEL:075-491-0082
拝観時間:9:00~17:00受付終了
公式 HP:http://www.imamiyajinja.org/

 

 

 

紅葉ライトアップを満喫し、抹茶を一服知る人ぞ知る穴場スポット「鹿王院」

日没後に訪れたいのは、嵐山のほど近くにある「鹿王院」。1379年に足利義満が建立した臨済宗の寺院です。

金閣寺のモデルになった建物「舎利殿」とライトアップされた紅葉
©水野秀比古庭園の中心にある象徴的な建物「舎利殿」は、別名“元金閣”。同じく足利義満が建立した金閣寺のモデルになったといわれている。

嵐山を借景とした平庭式枯山水庭園は、秋になると全体が紅葉に染まり、白砂や青々とした苔とのコントラストが美しい。12月8日まで開催される「夜の特別拝観」では、山門や庭園の紅葉がライトアップされ、境内は昼間とは異なる幻想的な雰囲気に包まれます。

山門から中門へと続く石畳の参道
©水野秀比古山門から中門へと続く石畳の参道。色づいたカエデの枝葉がアーチをつくり、訪れる人を非日常の世界へと誘う。

各日定員150人の事前予約制なので、人の多さに辟易することなく楽しめるのがうれしい限り。毛氈を敷いた客間では、茶道速水流による抹茶と茶菓子のもてなしで、ほっとひと息つくことができます。

鹿王院(ろくおういん)
住所:京都市右京区嵯峨北堀町24
TEL:075-491-0082
拝観時間:9:00~17:00
鹿王院公式HP:https://rokuouin.com/
夜の特別拝観公式 HP:https://mzt3p.hp.peraichi.com/
Instagram アカウント:@rokuoin_koshiki

 

 

 

【DAY2】

人気スポットは朝一番がおすすめ!天龍寺の「曹源池庭園」で秋の絶景に出合う

いつも多くの観光客で混雑する嵐山エリア。なかでも屈指の人気を誇る紅葉の名所・天龍寺「曹源池(そうげんち)庭園」を訪れるなら、近くに一泊して翌日の朝一番を狙うのがおすすめです。

12月最初の週末までは、ちょうど紅葉真っ盛り。朝早くから訪れることで混雑を避けられるだけでなく、清々しく澄んだ空気のなか、朝陽にきらめく紅葉の美しさを堪能することができます。

 

錦秋に染まる曹源池庭園
©大本山 天龍寺表情豊かな秋の景色が堪能できる曹源池庭園。水鏡に映る紅葉も見事!

天龍寺は700年前の面影をとどめる由緒ある寺院。国内初の史跡・特別名勝に指定され、世界遺産「古都京都の文化財」のひとつにも認定・登録されています。

中央にある曹源池をめぐるように配された池泉回遊式庭園では、秋を迎えると、カエデやツツジ、桜など、数多くの木々が鮮やかに紅葉。借景として取り込んだ嵐山や亀山、白砂、池の水面とともに織りなす、ダイナミックながらも繊細な美しさに魅了されます。

大方丈から見た庭園
©大本山 天龍寺大方丈から見た庭園。縁や座敷に座り、いつまでも眺めていたくなる。

大方丈から眺める庭園も美しく、襖によって切り取られた景色はまるで1枚の絵画のよう。曹源池庭園の裏にある「紅葉のトンネル」も絶好の紅葉スポットです。

天龍寺 曹源池庭園(てんりゅうじ そうげんちていえん)
住所:京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68
TEL:075-881-1235
拝観時間:8:30〜17:00(最終受付16:50)
公式 HP:https://www.tenryuji.com/
Instagram アカウント:@heavenly_dragon.temple

 

 

Text by Erina Nomura

 

野村枝里奈
1986年大阪生まれ、京都在住のライター。大学卒業後、出版・広告・WEBなど多彩な媒体に携わる制作会社に勤務。2020年に独立し、現在はフリーランスとして活動している。とくに興味のある分野は、ものづくり、伝統文化、暮らし、旅など。Premium Japan 京都特派員ライターとして、編集部ブログ内「京都通信」で、京都の“今”を発信する。

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