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【クリスマスディナー】に新提案! 食用サボテン「ノパル」の絶品レシピ5選

  • 2024.12.11

クリスマスディナーに新提案! 「サボテンのまち春日井」取材で美味しさを見つけた、食べるサボテン「ノパル(ウチワサボテンの新芽)」。ノパルを使ったクリスマスメニュー5選の簡単レシピを、写真と動画の解説つきでご紹介します。特別な夜を彩るアイデア満載! ぜひご自宅でもチャレンジしてみください。

ノパル料理で特別なクリスマスを楽しもう!

今年の夏、愛知県春日井市で進められている「サボテンのまち春日井」プロジェクトを取材し、特産品であるノパル(ウチワサボテンの若芽)を使用したサボテン料理の数々に舌鼓を打った編集部員K。

サボテンの食材としての可能性にすっかり魅了された私は、その魅力をさらに深堀りするべく、長年飲食業に携わり料理をライフワークとする妻に、ノパルを使ったオリジナルのクリスマスメニューの試作を依頼しました。

その結果、私以上にノパルに魅了された妻は、渾身のレシピを5つも完成させたので、今回は、連載「多肉植物狂い」の番外編として、見て楽しむだけでなく、食べても美味しいサボテンの魅力について、ここで皆さんにご紹介します。

ノパルは食卓を彩り、クリスマスにも大活躍する食材なんです!

ノパルの基本情報

ノパル(写真上)は、ウチワサボテン(サボテン科オプンチア属)の若い茎の部分を指し、特にメキシコで広く食用にされています。

その歴史は古代アステカ文明までさかのぼり、現在もメキシコ料理には欠かせない存在で、メキシコに国境を接している米国南西部のスーパーマーケットでも日常食として販売されています。

また、サボテンの中でも随一の生命力を誇るウチワサボテンは、世界の食糧危機を救うかもしれない高いポテンシャルを持つ作物として、国連も注目しています。

ノパルの味と栄養価

ノパルは生食と加熱の両方で美味しく食べることができます。

生食では、シャキシャキとした歯応えとオクラのような粘り気が特徴で、少し酸味も感じられます。
加熱すると、甘みと旨みが増してトロッとした食感になり、クセがなく食べやすくなります。

栄養面では食物繊維やビタミンC、カルシウムが豊富で低カロリー。
また、血糖値の安定やコレステロール値の改善が期待され、健康食材としても注目されています。

ノパルの買える場所

ノパルは我が国では一般的な食材ではないため、ネットでの購入が現実的。

ちなみに本記事で使用しているノパルはすべて、春日井市の老舗サボテン農家「後藤サボテン」のもので、同社のオンラインストアで購入することができます。

このほかにも、同じく春日井市でノパルを栽培、販売している「太陽の葉」や、個人でフリマアプリに出品している「Kaktus’s shop」などでも購入することができます。

ノパルを使ったクリスマスメニューレシピ5選

【ノパルを使う際の下処理のポイント】

食用に栽培されたノパルにはトゲはほぼないのですが、サボテンそのものにはそのトゲを産む棘座(しざ)と呼ばれる突起があるため、事前にそれをピーラーを使い取り除く必要があります。

手作りドレッシングで楽しむノパルとベーコンの彩りサラダ

シャキッとしたノパルと香ばしいベーコンの絶妙な組み合わせに、手作りドレッシングの爽やかさが加わった、ノパルを野菜のように楽しめる一皿。
独特な酸味と苦味のあるノパルの魅力は生で食べてこそ、その真髄が味わえます。

彩り豊かな野菜たちとノパルの食感が引き立ち、まさにクリスマスの夜に相応しいスペシャルなサラダに仕上がります。

【材料】(2人分)

・ノパル 2枚
・ベーコン 80〜100g
・ゆでたまご 2個
・茹でたジャガイモ 1つ
・レタス 半玉
・トマト 1つ
・ツナ 1缶
・種抜きオリーブ 適量
・アンチョビフィレ 4枚
・塩、胡椒 適量

〜ドレッシングの材料〜
・卵 1個
・アンチョビフィレ 2枚
・酢 大さじ3
・サラダ油 大さじ3
・塩、胡椒 少々

作り方

①卵は茹でて殻をむき、粗熱をとり半分に切ります。茹で時間は沸騰してから約8分が目安。

②ジャガイモは厚めにスライスし、竹串がスムースに刺さるくらいまで約6分間茹で、ザルに上げて粗熱を取る。

③ノパルはピーラーで棘座を取り除き、クリスマスツリーをイメージして三角形に切る。

ノパル三角切り
クリスマスツリーをイメージして三角形にカット。

④ベーコンをフライパンで熱し焼き色をつけて好みの大きさに切る。

⑤トマトはヘタを取り除き、一口大の大きさに切る。レタスは洗って水気をよく切り、手でちぎる。

【ドレッシングを作る】
⑥ボウルに生卵、アンチョビフィレ、酢、サラダ油、塩、胡椒を入れ、泡立て器でよ〜くかき混ぜる。

⑦大きめの皿にそれぞれを盛り付け、ドレッシングをかけてでき上がり!

ノパルとジャガイモのかんたんグラタン Gratin dauphinois aux nopales

グラタン
焼いたノパルはトロッとした食感がやみつきに。チーズとの相性も抜群。

クリーミーで濃厚な一皿。
ジャガイモのホクホク感とノパルの柔らかな歯ごたえが心地よいコントラストを生み出し、フォークが止まらなくなるおいしさ!
チーズの香ばしい焼き色が、見た目と香りで食欲をさらに引き立てます。

ホワイトソースを使わず、牛乳だけで簡単に作れるのもポイント!
これからの、寒い冬にぴったりのメニューです。

【材料】(2人分)
・ノパル 2〜3枚
・ジャガイモ 大きいサイズなら 3個、小さめサイズなら4〜5個
・牛乳 300cc
・コンビーフ 40g
・ニンニク 1片
・ピザ用チーズ 適量
・コンソメ 小さじ2~3
・塩、胡椒 適量

作り方

①ジャガイモは皮をむき、2〜3mm程度の薄切りにする。

②ノパルはピーラーで棘座を取り除き、切ったジャガイモと同じくらいのサイズに切る。厚みがあるので、包丁の刃を寝かせ、そぐようにスライスするとよい。

③フライパン(鍋でもOK)に薄切りにしたジャガイモを並べ、牛乳、刻んだニンニクを加え、火にかける。

④牛乳がふつふつと沸いてきたらコンソメと塩&胡椒を加え、弱火で約5分煮る。
コンソメを入れることで牛乳の独特なにおいが無くなり、牛乳が苦手な方でも美味しく食べられる。

短時間で煮てジャガイモのシャキシャキ感を残すのがポイント。

⑤グラタン皿に、煮たジャガイモとノパルを交互に並べる。
その上にコンビーフをのせて、ソースをかけ、最後にとろけるチーズをトッピング。

⑥200℃のオーブントースターで焼き色が付くまで10分程度焼いて出来上がり!

【実際の作っているところを動画でもご覧いただけます】

ノパルのブルスケッタ Bruschetta alle Nopales

2種類で楽しみます。

ノパルとコンビーフのブルスケッタは、ジューシーなコンビーフの旨味と、ノパルのさっぱりとした酸味が絶妙にマッチした一品。
クリーミーなベースが口当たりを滑らかにし、バゲットの食感が楽しさをプラス。やみつきになる大人の味わいです。

ノパルとトマトのブルスケッタは、トマトの甘酸っぱさとノパルの爽やかな風味が奏でる、ライトでフレッシュなブルスケッタ。
仕上げのオリーブオイルの香りが鼻をくすぐり、一口ごとにイタリアの香りを感じるような軽やかさが広がります。

【材料】(2人分)

[ノパルとコンビーフのブルスケッタ]

・バゲット 6〜7mmくらいにスライスしたものを6〜7枚
・コンビーフ 1缶(約80g)
・ノパル 1枚
・ヨーグルト 50g
・ニンニク 半片(1片の半分)
・塩、胡椒 適量

[ノパルとトマトのブルスケッタ】

・バゲット 6〜7mmにスライスしたものを5枚程度
・トマト 大きめなら1個、小さめなら2個
・ノパル 1枚
・ニンニク 半片
・オリーブオイル 少々
・塩、胡椒 適量

作り方

【ノパルとコンビーフのブルスケッタ】

①カップにコーヒーフィルターまたはキッチンペーパーをセットし、ヨーグルトを約1時間放置し、水分を濾しておく。

②ノパルはピーラーで棘座を取り除き、ラップで包み電子レンジで30秒加熱し、粗熱が取れたところでみじん切りにする。

③器にほぐしたコンビーフ、水分を濾したヨーグルト、ノパル、刻んだニンニク(すりおろしやチューブでも可)、胡椒をふり、混ぜ合わせる。

レンチン
ノパルは熱を加えると変色し昆布のようになる(左)。(右)は生の状態。

④ペースト状になるまで混ぜ合わせ、具材をバゲットに塗れば完成!

【ノパルとトマトのブルスケッタ】

①トマトは半分に切り、タネを取り出したらキッチンペーパーで水気を取り除き、みじん切りにする。

②ノパルは生のほうもみじん切りにし、加熱処理したノパルと合わせることで異なる食感が楽しめる。

③器にトマト、ノパル、刻んだニンニク(すりおろしやチューブも可)オリーブオイルを入れ、混ぜ合わせ、塩、胡椒で味を整える。

④具材をバゲットにのせれば完成!

【実際の作っているところを動画でもご覧いただけます】

メカジキのソテー 〜ノパルとトマトのソース〜 Pesce Spada alla Griglia con Salsa di Nopal e Pomodoro

地中海とメキシコの出会いは、メインディッシュに相応しい洗練された一皿。

地中海料理でお馴染みのメカジキの香ばしいソテーに、ノパルの瑞々しさとトマトの甘酸っぱさが絶妙に絡む一品。
火を通したノパルがほんのり柔らかくなり、トマトのソースが全体を包み込むことで、軽やかさの中にも深みのある味わいを実現しました。

ノパルの爽やかな酸味が魚の旨味を引き立て、まるで地中海の空気にメキシコの太陽が混ざり合ったような新鮮な感動を楽しめる料理です。

【材料】(2人分)

・メカジキの切り身 4切れ
・ノパル 2枚
・ミニトマト 1パック
・ニンニク 2片
・パセリ 適量
・白ワイン 50cc
・塩、胡椒 適量

作り方

【メカジキ】

①メカジキの両面に塩、胡椒をふる。

②フライパンにオリーブオイルを敷き、ニンニク(半片)を入れ、弱火でオイルに香りをつける。
そこにメカジキを入れ中火にし、焼き色が付いたら裏返し両面を焼いていく。
この時、ニンニクは一旦取り出す。

③両面にしっかりと焼き色がついたらフタをして約2分、中まで火が通ったら一旦取り出す。

【ソース】

④ノパルは棘座を取り除き2cmくらいの角切りに、ミニトマトは半分に切っておく。

⑤メカジキを焼いたフライパンにオリーブオイルを足し、ニンニク、ミニトマト、白ワインを加え、中火にかける。
ミニトマトが加熱され、ソースに濃いオレンジ色が付くまでフツフツと煮る。
ここで水分が足りないようならば、水または白ワインを加えてもよい。

⑥ノパルを投入しさらに加熱し、ノパルにとろみが出たところで塩をふって味を整える。
シンプルなイタリアンの味付けなので、まろやかな味わいが好みの場合は顆粒状の和風だしを加えてもOK。

⑦焼いておいたメカジキを戻し入れ、ソースをなじませる。

⑧パセリで香りを加えたら完成!

【実際の作っているところを動画でもご覧いただけます】

手作りサルシッチャとノパルのスパゲティ Spaghetti con salsiccia fatta in casa e nopal

お肉を食べたい! という方におすすめ、イタリア風アレンジのユニークなノパル料理。

イタリア発祥のサルシッチャ(生ソーセージ)は、肉の旨味とハーブの香りが特徴で、手作りならではのジューシーさが際立ちます。
その濃厚な味わいにノパルの爽やかな酸味とシャキッとした食感が絶妙なアクセントを加えます。

スパゲティに絡むソースは、ノパルの風味とサルシッチャの旨味を引き立てるよう丁寧に仕上げ、口の中で食材が調和する一皿に。
豊かな香りと食感のハーモニーが楽しめるこのパスタは、何度でも食べたくなる美味しさです。

【材料】(2人分)

・ノパル 2枚
・豚ひき肉 250g
・イタリアンパセリ みじん切りにしたものを大さじ2
手でちぎったものを大さじ1
・パセリ みじん切りにしたものを大さじ2
・セージパウダー 少々
・乾燥バジル 少々
・ナツメグ 少々
・塩 3g
・胡椒 少々
・パスタ(乾麺1.6mm) 200g
・オリーブオイル 20cc
・ニンニク 2片
・唐辛子 1つ

作り方

①サルシッチャのベースを作る。
ボールにひき肉を入れ、みじん切りにしたイタリアンパセリ、パセリ、セージパウダー、ニンニク(チューブでも可)乾燥バジル、ナツメグ、塩&胡椒を入れ混ぜ合わせ、手でこねる。

②ノパルは棘座を取り除き3cmくらいの短冊切りにし、ニンニクは包丁の腹を使い軽く潰し割る。

③フライパンにオリーブオイル20cc、ニンニク、唐辛子を入れ、弱火にかけながらオイルに香をつける。

④オリーブオイルに香りがついたら中火にし、サルシッチャベースを入れ焼いていく。
この時、ニンニクと唐辛子を取り除く。
ニンニクと唐辛子が焦げるとエグ味が移ってしまうため要注意!

サルシッチャベースは、両面にこんがりと焼き色が付くまで形を崩さずに焼いていく。

ぎゅっと押す
サルシッチャのベースは手で平に広げ焼いていく。

⑤サルシッチャベースの両面に焼き色が付いたら、ヘラなどを使い一口サイズにカットする。
そこにノパル、取り除いたニンニクを戻し入れ、中火にかけノパルに火を入れていく。
白ワインを加え、ソースをなじませていく。

ぐつぐつ
一口サイズにカットするとこんな感じ。

⑥パスタを茹でる。
ちなみに、我が家ではパスタは2人分で316gくらい。一般的なお店での”大盛り”に相当します。

水の量の1%の塩を入れ、沸騰したらパスタを投入。
茹で時間は袋に明記してある時間より1分短めがおすすめ。

⑦ ソースにパスタの茹で汁を加えソースと茹で汁をなじませ、そこに茹で上がったパスタを入れ、さらに茹で汁を加えソースとパスタを絡ませていく。
この時、味見をしながら塩味を整える。
マイルドな味が好みの場合、和風だしを加えてもOK。

⑧最後に、手でちぎったイタリアンパセリとみじん切りのパセリで香りを付けて完成!

【実際の作っているところを動画でもご覧いただけます】

実は相性抜群なクリスマスディナーとノパル

クリスマスカラーといえば赤と緑ですが、それぞれに意味があるのはご存じですか?

赤は愛と情熱を表し、キリスト教においてはイエス・キリストの血を象徴しているともいわれています。
緑は永遠の命希望、繁栄を象徴する色で、クリスマスツリーに使われるモミの木や松といった常緑樹は、四季を問わず緑を保つことから、不死や再生を象徴しています。

今回の主役であるノパル(=ウチワサボテン)は、サボテンの中でも特に強い生命力を誇ります。
そのため、ノパルの緑をクリスマスの食卓に取り入れることで、永遠の命や希望を象徴する意味が加わり、聖夜の食事を一層特別なものにしてくれるでしょう。

まとめ|ノパルで特別なクリスマスを!

いかがでしたか? ノパルで楽しむクリスマスディナー
メキシコの伝統食材「ノパル」を使ったクリスマスディナーは、ユニークで健康的なだけでなく、
見た目も華やかでおもてなしにもぴったりなんです!

今回ご紹介した料理には、以下のポイントが詰まっています:

新しい食材で驚きと楽しさをプラス
ノパルの爽やかな酸味と独特な食感は、普段の食卓にはない特別な風味を提供してくれます。

多彩なレシピでアレンジ自由
サルシッチャやグラタンなど、ノパルはあらゆるジャンルの料理にマッチする万能食材。
クリスマスディナーを個性豊かに彩ります。

健康を意識したごちそうメニュー
低カロリーで栄養価の高いノパルは、年末のごちそうシーズンでもヘルシーさをキープできます。

特別な日の食卓にノパルを加えれば、家族やゲストとの会話も弾むこと間違いなし!
ぜひあなたのクリスマスディナーに取り入れてみてください。

MerryChristmas!

記事協力

料理・レシピ考案 : RUI WATANABE

 

Credit
文&写真(クレジット記載以外) / 編集部員K - ライター・エディター -

フリーランスのロックフォトグラファーの傍ら、サボテンを愛し5年、コーデックスに魅せられ3年を経て、2022年4月にガーデンストーリー編集部に参加。精力的に取材、執筆を行う。飼い猫「ここちゃん(黒猫♂4歳)」に日々翻弄されている。

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