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最低ラインは“1ラウンド平均2アンダー以上” 岩井明愛、千怜姉妹、馬場咲希ら7名が米ツアー最終予選会へ挑む

  • 2024.12.3
岩井千怜(左)、岩井明愛(右)(C)Getty images
SPREAD : 岩井千怜(左)、岩井明愛(右)(C)Getty images

5日から、アメリカ、アラバマ州のマグノリアグローブゴルフコースで、来季の米国女子ツアー出場資格をかけた最終予選会が開催される。
山下美夢有、岩井明愛、岩井千怜、原英莉花、山口すず夏がエントリー。米ツアーで来季シード権獲得を逃した吉田優利と、今季、米下部ツアーが主戦場だった馬場咲希も出場し、日本人選手は計7名が、5ラウンド、90ホールの長丁場を戦う。
中でも注目は岩井姉妹と19歳の馬場。
これまで多くの選手が、任意の年から行使できる日本ツアー複数年シードを保持した上で、米ツアーの予選会に挑戦しているが、岩井姉妹も馬場も、その権利は持っていない。
日本ツアー複数年シードを持っていない岩井姉妹は、来季の米ツアー出場資格を獲得することができたとしても、同ツアーを撤退することになった時、日本ツアーにスムーズに戻れるかは不透明。リスクを背負った上での挑戦となる。
馬場は、2023年のプロテストに合格し、24年のルーキーイヤーは米下部ツアーで腕を磨いた。今回の結果次第では来季も米下部ツアーが主戦場となるかもしれない。そのプレシャーを背負いながらの挑戦となる。

■最終予選会のボーダーライン

25位タイまでに入れば、来季は米ツアーの限定的な試合に出場できる。
昨年の最終予選会は今回と同じマグノリアグローブGCだったが、6ラウンド、108ホールで開催された。25位タイ以内は、23位タイまでの26名。23位タイのスコアは12アンダーだった。
22年の最終予選会は、前半4ラウンドと後半4ラウンド、計8ラウンドで開催された。そして、前半4ラウンドの会場がマグノリアグローブGCで、25位タイが9アンダーだった。
これらを参考にすると、今回、1日平均2~3アンダー、5ラウンドトータル10~15アンダーが、最低ラインとして設定するべきスコアになりそうだ。

■岩井明愛、千怜姉妹

明愛も千怜も十分な実績を引っ提げての挑戦となる。
明愛は23年に初優勝を含めて3勝、今季も3勝をあげた。千怜は22年に2勝、23年に2勝、今季は3勝をあげた。
これでプロ入り後の総獲得賞金は、明愛が3億5370万7520円、千怜が3億1017万1135円。総獲得メルセデスポイントは、明愛が5742.33、千怜が4884.08となっている。
明愛の方が一歩リード、という感じの結果となっているが、2人は良きライバルとして、プロデビュー後も勝ったり負けたりしながら成長していった。
次はフィールドを2人そろって米ツアーへ移し、世界のIWAIに向けた階段を上れるか注目だ。
2人を小学2年生の頃から見ている永井哲二コーチより、2人が最終予選会に挑戦することに関してコメントを頂戴した。
「困難な道でありながら夢と希望を持って、自分達の信じるトコロに挑戦するわけだけど、こんな素晴らしいことないよね。もちろん、応援だけではなく、協力できることは何でもする。でも、やはり心配しかないかなぁ。早く、アメリカのツアーで活躍する姿を見てみたい」
永井コーチは、2人が受けた21年の日本のプロテストの時は「どちらかが受かって、どちらかが落ちたらどうしよう」と不安だったようだ。
だが、今回の米ツアーの最終予選会に向けては、不安感よりも、これからの期待感の方が勝っているようである。

■馬場咲希

米下部ツアーの年間ポイントランキングは18位。上位10名の米ツアー出場資格だけでなく、限定的な出場資格が得られる15位までにも入ることができなかった。
スタッツを見ると、パーオン率が50位、ドライビングディスタンスが65位、フェアウェイキープ率が65位、パーオンホールの平均パット数が38位、1ラウンドあたりの平均パット数が13位。
米下部ツアーで目立った記録は残せなかったが、日本ツアーでは光るものを見せた。出場は、富士通レディース(14位タイ)と三菱電機レディス(39位タイ)のたった2試合ではあるが、各スタッツで好記録を出した。
2試合のパーオン率は76.8519%で年間2位相当、ドライビングディスタンスは249.75ヤードで17位相当、フェアウェイキープ率は69.0476%で31位相当、パーオンホールの平均パット数は1.7349で2位相当、1ラウンドあたりの平均パット数が29.1667で17位タイ相当、となっている。
米ツアーで戦える力は十分にある。22年の全米女子アマ優勝者の勝負強さを、米ツアー最終予選会で発揮してもらいたい。

■来季は米ツアーに日本女子急増か

来季、米ツアーのシード権があり同ツアーを主戦場にする予定の日本人選手は、畑岡奈紗、笹生優花、古江彩佳、渋野日向子、西村優菜、勝みなみ、西郷真央、竹田麗央の8名。
そして、今回の最終予選会の結果次第では、最大15名の日本人選手が米ツアーを主戦場にすることになる。
今季、笹生と古江が海外メジャーを制し、西郷が米ツアーのルーキーオブザイヤーに輝くなど、米ツアーでの日本人選手の活躍が目立ったが、来季はさらに、米ツアーでの日本人選手の存在感が増していきそう。
岩井姉妹や馬場には、米ツアーで好成績を出す能力がある。無事に、米ツアー切符を獲得してもらいたい。

著者プロフィール

野洲明●ゴルフ活動家

各種スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。より深くプロゴルフを楽しむためのデータを活用した記事、多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとにした論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。

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