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あなたはどのタイプ?冷え性のタイプ別対策方法を解説

  • 2025.1.31



手足が冷える、下半身だけが冷える……あなたもそんな冷え性の悩みを抱えていませんか? 実は、冷え性にはいくつかのタイプがあり、それぞれに合ったケアがあります。

今回は、冷え性のタイプ別の特徴や対策をあんしん漢方の山形ゆかりさんにうかがいました。自分に合ったケア方法を知り、寒い時期も冷えに負けない毎日を送りましょう。

   1. 冷え性には4つのタイプがある


ひとくちに冷え性といっても、実際には「四肢末端型」「下半身型」「内臓型」「全身型」の4つのタイプがあります。(※1)
それぞれの冷え性の特徴を理解して、自分はどのタイプに当てはまるかチェックしましょう。

  1-1. 四肢末端型
四肢末端型は手足の先が冷たくなる、典型的な冷え性と呼べるタイプです。次の項目に心当たりのある人は、四肢末端型かもしれません。

● 手足が常に冷たい
● 食事の量が少ない
● あまり運動しない
● 爪が折れやすい

このタイプは、食事制限をしている人や、運動不足で筋力が低下している人に多くみられます。

  1-2. 下半身型
下半身型は、上半身は温かいのにお尻や脚が冷えるタイプです。次の項目に思い当たる人は、下半身型の可能性があります。

● 脚は冷えるが、手は温かい
● 上半身に汗をかきやすい
● 1日の中で座っている時間が長い
● ふくらはぎを触ると冷たい

下半身型は、デスクワークなど座っている時間が長い人に多いタイプです。下半身が冷えやすい一方、上半身には熱がこもりやすく、のぼせやすいという特徴があります。

  1-3. 内臓型
内臓型は、からだの表面は温かいのに内側が冷える「隠れ冷え性」とも呼ばれるタイプです。次の項目に当てはまる人は、内臓型かもしれません。

● 手足は温かい
● おなかが冷えやすい
● 普段から胃の調子が悪い
● むくみやすい

内臓型冷え性は胃腸が弱い人や冷たい飲食物を好む人に多く、冷えを自覚しにくい点が特徴です。

  1-4. 全身型
全身型の冷え性は、からだ全体が常に冷えているタイプです。季節に関係なく1年中からだが冷たく感じるため、自覚症状のない人もいます。次の項目に当てはまる人は、全身型冷え性の可能性があります。

● 汗をあまりかかない
● かぜをひきやすい
● 食事の量が少ない
● 疲れやすい

このタイプはストレスがたまっている人や、生活習慣が乱れがちな人に多い傾向にあります。

 


   2. 冷え性のタイプ別の対策方法



あなたの症状に当てはまる冷え性は見つかりましたか? 次は、冷え性のタイプに合わせたケアを紹介します。

  2-1. 四肢末端型
四肢末端型冷え性の主な原因は、からだのエネルギー不足です。(※1)

過度なダイエットや偏った食事でエネルギー不足の状態が続くと、からだは熱を逃さないように手足の血管を収縮させます。すると、血の巡りが滞ってしまい、冷えが起こるのです。

そのため、過度な食事制限をせずにしっかりと食事を摂ることが大切です。とくに、たんぱく質はからだを温める効果の高い栄養素なので、肉や魚などを意識して食べるようにしましょう。

また、運動不足による筋肉量の低下も要因のひとつです。筋肉は、体内でもっとも多くの熱を作り出しています。(※2)日常生活にウォーキングなどの軽い運動やストレッチを取り入れ、からだを動かす習慣を身につけていきましょう。

  2-2. 下半身型
下半身型冷え性は、下半身の血行不良が原因で起こります。(※1)そのため、デスクワークなどで長時間座る人は、数十分おきに姿勢を変えたり、立ち上がって歩いたりして血行を促しましょう。

とくに、「第二の心臓」とも呼ばれるふくらはぎの筋肉を意識して動かすことが大切です。いすに座った状態でかかとの上げ下げ運動や、駅などではなるべく階段を使うことを習慣にして、筋肉を刺激しましょう。(※3)

さらに、お尻の筋肉へのアプローチも有効です。下半身型の人はお尻の筋肉がかたくなっている場合が多く、血の流れが滞りがちな傾向にあります。ストレッチで筋肉の緊張をゆるめたり、保温効果のあるショーツやスパッツなどを使ってお尻を温めたりしましょう。お尻の筋肉がほぐれると、血流が促されて冷えの改善につながります。

  2-3. 内臓型
内臓型冷え性の主な原因は、自律神経の乱れです。(※1)精神的ストレスや不規則な生活などの身体的ストレスがたまると、胃や腸といった消化器の働きが弱まり、内臓の冷えが起きます。

そのため、このタイプは自律神経のバランスを整えることが大切です。朝起きたら日光を浴び、散歩や軽いストレッチなどを行い、リフレッシュできる時間を作りましょう。規則正しい生活を送り、睡眠不足にならないよう気をつけることも大切です。

また、内臓型冷え性では胃や腸に不調が出ることがあります。その際は、カイロや腹巻きなどを使っておなかを温めるようにすると、消化器の働きがよくなるのでおすすめです。

  2-4. 内臓型
全身型冷え性は、基礎代謝の低下が主な原因です。(※1)基礎代謝が低下すると、体内でじゅうぶんな熱が作られず、からだ全体の冷えが生じます。

基礎代謝の低下は筋肉の減少や、ストレスによる自律神経の乱れによって引き起こされるため、適度な運動で対策しましょう。運動といっても、いきなり激しい運動をする必要はありません。歯磨き中につま先立ちをする、近所への外出はなるべく歩くなど、日常生活の中でからだを動かす習慣をつけていくことが大切です。

適度な運動は筋肉量を増やすだけでなく、交感神経と副交感神経のバランスを整え、自律神経を安定させる効果もあります。無理のない範囲で取り組んでいきましょう。

 


   3. すべての冷え性に共通する対策方法


ここまでタイプ別に冷え性対策を紹介しましたが、すべての冷え性に共通するケアもあります。

  3-1. 冷たい食べ物・飲み物を避ける
冷たい食べ物や飲み物はからだを内側から冷やし、血行を滞らせます。からだの冷えを予防するには、冷たい飲食物はなるべく避けるようにしましょう。アイスクリームやアイスティーなどの冷たいものをはじめ、きゅうりやトマトといった夏野菜もからだを冷やす作用があります。

代わりに、温かい食べ物やからだを温める作用のある食材を食べるようにしましょう。生野菜サラダなら温野菜のサラダに、アイスティーならホットの紅茶に替えることで、からだを内側から温められます。

からだを温める作用のある食材としては、にんじんやれんこん、ほうれん草など、冬が旬の野菜があります。(※4)まぐろや牛肉など、赤身の食材もからだを温める(※2)とされているので、意識して食べるようにしましょう。

  3-2. 服装で体温調整をする
冷え性には服装で体温調整するのも有効です。

ポイントは、首、手首、足首の「3つの首」を冷やさないことです。(※5)この3つの首には太い血管が通っているので、ここを重点的に温めるとからだ全体が温まります。ハイネックのトップスやマフラー、手袋、厚手のくつ下やレッグウォーマーなどを活用して対策しましょう。

きつい下着やタイトな服は血の流れを妨げるため、ゆったりとした服装を選び、からだを締め付けないようにすることも大切です。

  3-3. 漢方薬を試してみる
すべてのタイプの冷え性に対応できる方法として、漢方薬の活用もおすすめです。医薬品として効果が認められている漢方薬は、自然の生薬がからだにやさしく働くため、一般的に副作用が少ないといわれています。

「冷え性対策の食事や運動を毎日続けるのは難しい……」という場合も、漢方薬なら毎日飲むだけなので、無理せず続けられる点もメリットです。

冷え症の改善には、「胃腸の働きをよくして熱を作りだす」「血流をよくして熱を巡らせる」「自律神経を整える」といった作用の生薬を含む漢方薬を選びます。
漢方薬は冷えの原因を根本から改善するため、冷えにくいからだへと導いてくれるでしょう。

<冷え症対策におすすめの漢方薬>
・当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)
血流をよくすることでからだを温めるとともに、不足した栄養を補い熱を作り出す力を助ける漢方薬です。手足や下肢の冷えが強い人の温活におすすめです。

・十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
エネルギーや栄養を補い胃腸の働きを高めるとともに、からだの末端まで血行を促して冷え症の改善に働きかけます。疲労倦怠感、貧血などがある人にも向いています。

・加味逍遙散(かみしょうようさん)
エネルギーである「気」の流れを整え、不足した栄養を補うことで冷え症の改善に働きかける漢方薬です。自律神経のバランスを整え、血行を促す作用があります。疲れやすく、下半身が冷えて上半身がのぼせやすい人に向いています。


   4. 自分に合ったケアで冷え知らずな毎日を

冷え性にはタイプごとに特徴があり、それに応じた対策が必要です。まずは、自分のタイプに合ったケアを始めてみましょう。

冷たい飲食物を避けることや、3つの首を温める服装、さらに漢方薬の力を借りるなど、日常に取り入れやすい工夫もおすすめです。今日からできることをひとつずつ始めて、寒さに負けない毎日を過ごしましょう。


<参考サイト>
※1 一般財団法人茨城県メディカルセンター「冷え性にはタイプがあった?タイプ別の冷え性対策と改善法」
※2 環境省デコ活くらしの中のエコろがけ「内科医の馬渕知子先生がアドバイス! 体内の熱を作る力を高めて、冬を快適に、元気に過ごそう!」
※3 環境省デコ活くらしの中のエコろがけ「ウォームビズ」日めくりトリビア
※4 厚生労働省働く女性の心とからだの応援サイト「冷え対策!体をあたためる食材、冷やす食材」
※5 環境省デコ活くらしの中のエコろがけ「ウォームビズ(WARMBIZ)とは」

 

<この記事の監修者>

あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかり

薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発にも携わる。

症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

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