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センスのいい家族が暮らす家【vol.16 絵本から着想した家・川端麻里子さん邸 】 | HugMug

  • 2024.12.3
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大人も子どもも、家族みんなが過ごしやすい家づくりに大切なことってなんだろう? vol.16では、緑豊かな多摩エリアの団地で暮らす、編集者・川端麻里子さん家族の住まいへ。53㎡・ワンルームとコンパクトな住まいには、暮らしを快適にするたくさんの工夫がたくさん。さっそく理想の住まいのヒントを探ります!profile

GOOD SENSE FAMILY HOUSE【Vol.16 大人も住める子どもと猫の家・川端麻里子さん邸】
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川端麻里子さん編集者出版社に勤める編集者。自然科学・宇宙・生き物関連の写真集など、主にノンフィクションの翻訳書籍を手掛ける。
Instagram:@_mariko_kawabata_FAMILY:2人+3匹家族(ママ・娘12歳・猫3匹)
HOUSE TYPE:分譲マンション/リノベーション
HOUSE DETAIL:築約55年/居住歴3年半/53㎡/1R
AREA:東京都多摩エリア

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こだわりの住まいについて

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おおらかな団地で小さく暮らす

「近所を散歩していたとき、この古い団地と出会いました。敷地内には大きな公園があって、そこには大きな木がたくさん生えていました。今は娘と猫たちと、その公園へ行くのが家族団らんの時間です」。川端さん家族が暮らすのは、築50年以上経つ古き良き住宅団地。部屋の目の前には広々とした植栽エリアが広がり、裏手には大きな桜の木がそびえ、団地の棟と棟の間には贅沢な広さの芝生が広がる。東京であることを忘れてしまうほど、自然が充実した気持ちのいい場所だ。「昔、住人の方が植えたという栗や柿、あけび、ざくろ、びわなどの果樹もたくさん生えていて、よくお裾分けもいただけるんです」部屋は風が心地よく抜けるように、2DKからワンルームへリノベーション。設計・施工はご近所の建築事務所『on』が担当し、できるだけ古い柱や梁を残しながら、温かみのある空間に仕上げた。「建築士さんがいくつかリノベアイディアを提示してくださったなかで、娘が選んだ家の真ん中にベッドがあるプランにしました」。ベッドは“スリーピングボックス”と呼称する箱型の二段ベッド。寝床以外にも、ベンチやワークデスク、靴箱、キャットウォークなど、複数の機能を備えており、ベッドを囲むように回廊があるのが川端さん家の特徴だ。さらに目を引くのが、本棚の中央を飾るカラフルな壁画。友人の壁画ペインター・すまあみさんに依頼して、大好きな絵本『おやすみなさい おつきさま』の一場面を描いてもらった。「“おやすみなさい”の本なのに、床が赤で壁が緑など、やたら派手なお家が舞台なんです。ウサギの家にトラの毛皮があったり、ペットがネズミだったり、なかなかシュールな世界観(笑)。こんな家で暮らせたらおもしろいなと、騙し絵のような感覚で大胆に飾ってみました」

SLEEPING BOX

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寝る・働く・くつろぐ・しまうすべてが叶う、多機能ボックス

家の真ん中に佇むスリーピングボックス(箱型ベッド)は、娘さんが好きな絵本『スウェーデンの変身する家具』からインスピレーションを得て取り入れた。「冬がとても寒い北欧では、家を小さめにつくって、暖炉やかまどの熱を部屋全体にまわし、温かく暮らす文化があったそうで、折りたたみ式の家具や、複数の機能を持たせた家具が盛んにつくられていたといいます」。ベッドスペースには、ブラインドやカーテンを取り付けて、人が来たときはサッと目隠しできるよう工夫している。

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ベンチの座面を上げると大容量の収納スペースが。娘さんのオモチャや洋服などが収納されている。

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スリーピングボックスには猫が自由に行き来できるキャットウォークも。さらに登って家の梁を歩くのも大好き。

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柱に引っ掛けているワイヤーボールは、娘さんが愛猫たちのために東京蚤の市で買ってきたもの。

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スリーピングボックスの一角には、川端さんのワークスペースも。ジャストフィットしたというヴィンテージの白テーブルは、目黒の家具屋さんで見つけて15年ほど愛用している。デスク奥の壁は扉になっており、その向こう側にベッドがある。夏は開けて風通しよく、冬は扉を閉めてポスターなどを飾って楽しむ。

KIDS SPACE

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二段ベッドの上は、“好き”が詰まった秘密基地

屋根裏感が楽しい、娘さんのおこもりスペース。壁には韓国のアイドルグループBTSのポスターも。「もともと自分のスペースはいらないと話していた娘。とはいえ、後々あったほうがいいだろうと、狭いですがベッドを二段にし、上は娘のスペースにしました。今は大きくなって使っていませんが、カウンターデスクも造作。コスメを収納したり、好きなものを飾る場所として活用しているようです」

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小さな頃から集めているぬいぐるみたち。「娘は赤ちゃんの頃から“くまちゃん”と呼ばれているので、わが家にはクマがたくさんいます」。お気に入りは3歳の頃に買った、白熊のパペット。

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勉強はキッチンカウンター下に畳んでいる、祖母から譲り受けた折りたたみ式のテーブルを広げて。「自分が子どもの頃を振り返ると、勉強机はいつももの置きと化していました……(笑)。その点、使うときだけ広げられるテーブルだと、すぐノートを開いて勉強できるのがいいなと思います」

ENTRANCE

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家と外をゆるやかにつなげるゆとりのある玄関土間

自転車や傘立て、愛猫たちのトイレも置ける、広めの玄関土間。スリーピングボックスの玄関側の壁面には、コートやバッグを掛けられるフックが取りつけてあり、靴箱としての機能も兼ね備える。

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玄関の壁面には、小学校1年生の頃からプロのカメラマンに撮ってもらっているという娘さんの写真が。左から右へ、成長を感じる。

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部屋目の前の植栽エリアにある、ブルーベリーの鉢の上でくつろぎ中の愛猫・ミーシカ。猫たちは家と外を自由に行き来して暮らしている。

BOOK CORNER

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間仕切りとしても機能する収納力ばっちりの本棚兼ハンガーラック

本好き親子の、高さ1.8m×横幅6.4mの造作本棚。背面にはハンガーポールが設置され、裏は巨大なウォークインクローゼットとして機能する。床の90cm角のグリッドがちょうど本棚の格子の位置とリンクしてすっきり気持ちがいい。絵本『おやすみなさい おつきさま』をモチーフに描いた壁画は、壁画ペインター・すまあみさん親子と、川端さん親子、みんなで色塗りをした思い出も。

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壁画はレールで動かすことも可能。隠す収納にも重宝する。

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左は壁画のモチーフになった『おやすみ おつきさま』作:マーガレット・ワイズ・ブラウン/絵:クレメント・ハード(評論社)。「戦後すぐ1947年に出版された絵本で、オバマ元大統領のファーストブックでもあるそうです。この著者の絵本は原書が詩なので訳が難しいですが、谷川俊太郎さんや内田也哉子さんなど、素敵な方々が訳書を出しています」。右はスリーピングボックスの着想を得た、月刊たくさんのふしぎ2018年12月号『スウェーデンの変身する家具』(福音館)。

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小さな頃、娘さんが愛用していた藤の椅子。「当時、週末も出勤せねばならず、娘を会社に連れて行っていたのですが、娘は往復の電車の中でも会社でもこの椅子に座ってずーっと本を読んでいました。今はもう娘の重みに耐えきれず脚も壊れていますし、猫が乗って寝るだけでもギシギシいいますが、大切にしています」

KITCHEN & DINING

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自然と会話が生まれるバーカウンターダイニング

ダイニングテーブルは置かず、広めのカウンターテーブルで食卓を囲むのが川端さん家スタイル。「私がカウンターの中に立ち、ごはんをつくりながら、子どもや遊びに来た友だちとおしゃべりできるバーカウンタースタイルにしています。昔バーテンダーをしていたこともあって、このスタイルが落ち着きます」

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シンクを斜めに配置した、L字タイプのキッチン。床は水にも強いフレキシブルボードを採用。「必ず入れようと決めていたのが、業務用コンロ。野菜を強火で調理したいときなど、勝手に火が小さくならず使いやすいです」。コンロ上には、職人さんが造作してくれたというレンジフードを設置。

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木のものが多いキッチンでアクセントになっている、ステンレススチールのインディアンラック。「ふたり暮らしにしては結構ものが多めです(笑)。キッチンにプラスチックやテフロンのものは極力置かないようにしています」

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大きな本棚の一角は、キッチンの収納としても活用。冷蔵庫にはその日に起きた史実やエピソードを紹介する「ヒストリーカレンダー」を飾る。

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勝手口にあたるキッチン側のベランダにはコンポストを常設。「いろんなコンポストを調べた結果、つくるのが簡単で堆肥が出ないキエーロにしました。微生物は油っこいものが大好物らしいので、揚げ物をしたあとの油や、うどんやラーメンを食べた後の残り汁もそのまま流せるのがとても便利です」まるで秘密基地のように、ワクワクする仕掛けが詰まった川端さん家族の住まい、いかがでしたか? リノベーションアイディアや、コンパクトに暮らす工夫など、ぜひ参考にしてみてくださいね。

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