片想いの相手は女装男子。お互いの女装姿に惚れてしまった男子高校生たちの恋は、一体どうなる!?

目の前にいる美少女が、実は男の子だったら?

『女装してめんどくさい事になってるネクラとヤンキーの両片想い』（とおる/マッグガーデン）は、お互いの女装姿に惚れ込み、両片想いになってしまう女装男子ラブコメディだ。

和風メイドカフェで働く憂真。店では女装姿で「花」として勤務している。そんな花に一目惚れしてしまったのが、秀明だ。彼は花と接点を持つため、女装姿で「めい」として店に通うことを決意する。そして今度は、憂真がめいを好きになってしまい…。

女装であることと恋心を抱いていることは秘密のまま、ふたりの恋は周りを巻き込んでいく。

素の姿では、オタクとヤンキーのふたり。相反した性格のふたりが主人公である点もまた面白い。互いに互いの属性を嫌いと言いつつ、女装した姿で惹かれ合う。女装中も心の声は男子のままなので、相手に対し「男子として」悶えている姿が実にコミカルだ。

憂真は趣味で女装をしている上にメイドカフェで働いているからか、女装の完成度が高い。見た目だけでなく、しぐさや雰囲気まで店に合う女の子になっている。

反対に、秀明は花に会うためだけに女装をしている。だからだろうか、憂真と比べると言動から「男子っぽさ」がにじみ出てしまう。そこがまたかわいらしく、キャラクターの魅力でもあろう。

時代はジェンダーフリーになりつつある。本作はその価値観をうまく盛り込みつつ、片想いの楽しさをコメディタッチで描いていく。

お互いに男であることを隠しているため、今後はもっと拗れてしまうはず!? 真実を知った時、ふたりの関係はどうなるのか。男子高校生たちの恋模様からまだまだ目が離せない。

文＝ネゴト / 森ソタカ