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普通を「変える」のではなく「広げる」。17歳が考える名字のこと

  • 2024.12.2

この議題に対して私が語る前にいくつか自己紹介をしておこうと思う。私は全日制の高校に通う一般的な女子高校生。クラスの中ではそこまで明るくはなく、友達と呼べる人も両指に数えるほどしかいない。今風の言い方をすれば隠キャの属性に入ると思う。この情報だけではこれだけで隠キャ?大人しいだけじゃないの?なんて思う人もいるだろうが私には圧倒的に現実、つまり高校や中学などの友達よりもネットの友達が多い。隠キャの定義は人によるだろうが私は私自身が十分に隠キャに該当すると考えているのでそのままにしておいて欲しい。

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少し話が逸れたが、そんなネットでの繋がりを多く持つ私が名字について考えてみると寧ろ名字どころか名前すら明かさずに今の交友関係がなされていることを実感した。だからといって名字、名前が重要でないとは決して言わないがそれでも今の若者は案外、人間関係において「本名」と言うものを重要視していないのかもしれないと私は考える。正直、私も呼称があればそれでいいと思ってしまうことも多い。

そんな私でもやはり名字に思い入れがあるのか、今すぐ別の名字に変えられるかと言われたら迷わずNoと答えるだろう。

私はこの名字への思い入れが何処から来るのかを考えてみた。するとやはり思い浮かぶのは家族だろう。家族全員で今と別の名字に変わってもいいかと聞かれると、まあいいかなとさえ思えてくるくらいには家族の存在は大きいと思う。こう思えるのはきっと私の家族がある程度仲がいいからだろうが、私はやはり自分1人だけ別の名字になると考えると言葉には表せない寂しさを感じた。家族関係は何も変わらない、今のまま同じ家で暮らせるとした上でも名字が家族と別になると想像しただけで率直に嫌だな、と思った。

しかし私にはその可能性が十分にある。それに私は女性であるから男性よりも遥かにその可能性は高い。数年先の未来では私はこの孤独感を婚約届を出した後に感じなければならないのだろうか。そう思うと、結婚なんてしたくないとさえ思ってしまう。

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しかし上記の例はあくまで「今まで使っていて、血の繋がった家族と別の名字になること」にフォーカスを当てているから、否定的な意見になるのは当然だろう。実際、私が中学くらいの時、私には好きな人がいてその人の名字と自分の名前を組み合わせて結婚したらこんな響きなんだ、なんて考えた記憶もある。あの時は上記のような孤独感を感じなかったし寧ろ幸福感さえあっただろうか。

今は当時よりも物事を考える力も感受性も豊かになったから本当に好きな人がいて、その人の名字をもし貰うとしたらなんて考えても当時のような幸福感は感じないかもしれない。だがそれでも愛する人と同じになると言うのは今までの名字を変えることよりも幸福感や満足度は大きいのかもしれない。

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私はこれを踏まえて夫婦別姓の制度についても意見したいと思う。名字を結婚によって変えることについて、私の大まかな考えは「家族と別の名字になるのは嫌だ」と「好きな人と同じ名字になるのは嬉しい」の2つに分けられると思う。まあそれ以外にも特にこだわりがない人もいるだろうが、そういう人は名字が変わった後の手続きなどを考えて欲しいと思う。同じ名字にしたいと思う人からすれば必要な過程だし、と考えることができるだろうがどちらでもいい人や同姓にしたくない人からすれば億劫な工程であることに変わりはない。

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以上のことから私は選択式夫婦別姓制度には賛成する。もちろん、選択式ということを忘れないでほしい。一定数、名字を愛する人と揃えたいという人がいるのだからそれを禁止にする権利は私たちにはない。元々、それが普通だったのだから普通を変えるのではなく普通の範囲を広げていくのが重要だと思う。つまり、その範囲を広げることができるのは別姓の選択肢も普通として取り入れること。

しかし選択式夫婦別姓制度の反対意見の代表例としては「子供への影響」だ。母親と父親どちらかの名字を子供が名乗るかで名乗らなかった方の親との関係性を心配する内容が多い。しかし、自身が物心ついた時のことを考えて欲しい。父親と母親、どちらかの名字が自分と違うから嫌だな、なんて思ったことがあるだろうか。自分で自分の名前を書くなどして名字を認識するようになる小学生くらいの時に、お父さんもしくはお母さんとどうして私は名字が違うの、と言われることがあるかもしれない。それでも、その時にきちんと説明してその子供がそれを当たり前と認識していくことで普通の範囲は広がっていくのではないかと私は思う。

女性の名字の在り方が今後、変わっていくことを願っています。

■やひこのプロフィール
女子高校生。
作文を趣味にしたくて頑張ってます。

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