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チームで作る、アジアン・クィアカルチャーの本棚。東中野の本屋〈platform3〉

  • 2024.12.2
吊るされているZINE

チームで作る、アジアン・クィアカルチャーの本棚

ソファに腰をかけ、本をじっくり物色する。〈プラットフォームスリー〉は家のような設(しつら)えの書店だ。「本棚や家具の多くはみんなで持ち寄ったものなので、家のような雰囲気があるのかもしれません」と、スタッフの潟見陽(かたみよう)さん。潟見さんは大久保にあった予約制本屋〈ロンリネスブックス〉の店主。

移転・合流する形で、出版レーベル〈(TT)press〉のともまつりかさんと丹澤弘行さんとともにこの新店をオープンした。「私たちが2023年に制作したZINE『Sleepless in Tokyo』で潟見さんを取材した頃から交流が続いて、この物件を見つけたのを機に一緒に本屋を始めることになりました」と丹澤さん。

店主の丹澤さんと潟見さん
左から、〈(TT)press〉の丹澤さんと〈ロンリネスブックス〉の潟見さん。それぞれ会社員、グラフィックデザイナーとしても働き、店はその仕事場にもなっている。

壁にはS字フックを使って吊したZINEの数々が、大抵の大判本なら収まる大きなサイズの本棚には潟見さんが取り扱ってきたクィアにまつわる文芸書にアートブックも。出版国は日韓、台湾などの東アジアにとどまらない。写真家ティム・ウォーカーがセクシュアルマイノリティたちを撮り下ろしたインドの雑誌『DIRTY: ISSUE 04』など、より広いアジア圏のクィアカルチャーが棚を賑わせている。

platform3の本棚
新刊を中心に、古本も。ソファの前にはコミックの棚。韓国やスウェーデンの作品も並ぶ。
platform3の外観
所は東中野駅西口を出てすぐのビル4階。

スペースいらずでよく映える。ZINEの扱いはお手のもの

吊るされているZINE
ZINEを並べるのは難しい。背表紙がないので棚に差すと埋もれてしまいがちだし、特にZINEの扱いが多い店ではすべてを面出しにするスペースはない。そんな悩みを解決してくれるのがこちらの方法。紐を通し、板に引っ掛けたS字フックに吊すだけ。ZINEを制作・販売する〈プラットフォームスリー〉らしさが光る発想だ。

チラシ、ポスター、看板。映画とデザインの交差点

platform3の本棚
店奥の壁一面を覆う棚は、大判のアートブックがメイン。中でも新刊・古本が多彩に揃うのが映画本。グラフィックデザイナーとして映画パンフレットも手がける潟見さんなので、書体見本として人気を博した『じょうずなワニのつかまえ方』から、韓国の季刊映画誌『PRISM OF』や映画ポスターの本まで近くの棚に集めている。

棚の中に箱を入れて、スペースを無駄なく活用

platform3の本棚
「これはいわゆる本棚ではなくて、多用途に使えるカラーボックスなんです。漫画を入れたら上のスペースがかなり余ってしまったので、小箱を追加して、上部にも本を収められるようにしました。置き場所ができたからと、早速本が溢れてしまっていますが……(笑)」と潟見さん。本屋の友人にも好評だというアイデア棚だ。

Information

platform3

住所:東京都中野区東中野1-56-5 ホシノビル401号室
TEL:なし
営:14時~22時(土・日・祝12時~)
休:不定休
Instagram:@plat_form3

2024年8月オープン。ポッドキャスト番組『東中野の三番線から』を不定期で更新中。

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