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【きのこ】水洗いと生食がNGの理由は?乾燥シイタケの戻し方など…おいしく食べる豆知識【栄養士解説】

  • 2024.12.1

きのこ調理の“基本”を知っていますか?

きのこをおいしく食べるための豆知識を紹介
きのこをおいしく食べるための豆知識を紹介

秋の深まりとともに恋しくなる鍋料理や炊き込みごはんに欠かせない名脇役が、「きのこ」。ビタミンDやビタミンB群が豊富で、栄養面でも縁の下の力持ち。でも、下ごしらえや調理方法を間違えると、せっかくの栄養やうま味を逃してしまうことに。よりおいしくいただくための豆知識をご紹介します。

豆知識1:「マッシュルーム」以外は加熱調理を

きのこには、アレルギー反応や食中毒の原因菌や有害物質がわずかに含まれている可能性があり、基本的に生食NG。必ず加熱調理しましょう。生の状態では少量のうまみ成分(グアニル酸)が加熱することで増え、香りも良くなります。お鍋や味噌汁の具に使う場合は水から加えて、きのこの天然ダシを引き出しましょう。例外として、新鮮なマッシュルームは生食OK。ただし、傘が開いて軸が伸び、黒ずんで見えるものは鮮度が落ちている可能性があり、見極めが大切です。不安な場合は加熱して食べるようにしましょう。

豆知識2:「なめこ」以外は水洗いしなくてOK

市販されているきのこは、水洗い不要。水にさらすと風味や食感が損なわれ、水溶性の栄養素(ビタミンB群、カリウムなど)が流れ出てしまうためです。汚れが気になる場合は、湿らせたキッチンペーパーなどで拭き取る程度にしましょう。

なめこは、ぬめりに混じって不純物が付着していることがあるため、軽く水洗いして調理しましょう。なお、石づきと呼ばれる軸の下部(かたく茶色っぽい部分)は口当たりが悪く、栽培時のおがくずなどが付着していることもあるため、包丁で気になる部分を取り除きます(しめじは手でほぐしてから根本を少しだけ切り落とすと食品ロスが少ないです)。

豆知識3:調理前のプチ天日干しで栄養価アップ

きのこの栄養が特に凝縮されているのが、傘の内側部分。調理前に30分程度、傘の内側を上にして日光に当てると、ビタミンDを効率よく摂ることができます。これは、きのこに含まれる栄養成分のエルゴステロールが紫外線に当たることでビタミンDに変わるためです。

表面が少し乾燥し、味が染み込みやすくなる利点もあります。シイタケ、マイタケ、シメジが天日干ししやすいでしょう。完全に乾燥させるわけではないので手早く使いきってください。

豆知識4:冷凍保存でうま味がアップ

きのこは鮮度が落ちやすいため、すぐに調理しない場合は使いやすい大きさにカットして冷凍保存がおすすめ。

きのこ内部の細胞壁が壊れて、うまみ成分が溶け出し、冷凍後に加熱調理する方が生の状態から加熱するよりも、風味が増すと考えられています。使いやすい量に小分けして冷凍保存し、凍ったまま調理すれば時短にも。

冷凍すると食感がやわらかくなるため、エリンギなど独特の歯応えを楽しみたい場合は、生のまま新鮮なうちに使い切りましょう。

豆知識5:乾燥シイタケは冷水で戻す

乾燥シイタケ(干しシイタケ)は水分が除かれた分、うま味と栄養がぎゅっと凝縮されています。水で戻す際は、温水ではなく冷水に6時間程度浸した後、60~80℃でゆっくり煮出すとうまみ成分(グアニル酸)の生成量がアップ。

食品用ポリ袋や保存容器に水に浸した乾燥シイタケを入れ、冷蔵庫で一晩かけて戻せば手間もかかりません。戻し汁にもうま味が溶け出しているので捨てずにダシとして活用しましょう。

※参考文献:杉田浩一ほか監修『新版 日本食品大事典』医歯薬出版株式会社,2017、久保田紀久枝・森光康次郎編『食品学-食品成分と機能性- 第2版』東京化学同人、池上文雄ほか監修『からだのための食材大全』NHK出版,2019、上西一弘ほか監修『健やかな毎日のための栄養大全』NHK出版,2022、中村宣督著『食品でひく 機能性成分の事典』女子栄養出版部,2022

(野村ゆき)

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