この世に存在するアーカイブピースのなかには、そのタイムレスさが故に、時として私たちの身の周りにあることさえ気づかないものもある。そのひとつに挙げられるのが、アウターウェアの歴史を塗り替えてきたモンクレール(MONCLER)のダウンジャケットだ。
今冬で第3弾を迎える「モンクレール リアイコン」プロジェクトでは、進化と革新を絶えず追求するブランドの精神に基づき、過去のアイコニックなスタイルを未来に向けて再解釈してきた。2022年9月にミラノのドゥオーモ広場で行われたショーでは、その第1弾と銘打ち、ブランド創立70周年を記念した「マヤ」の新作を発表。昨年は、1954年にK2初制覇を成したイタリアの登山家たちが着用した「カラコルム」をアップデートした。
そして今年、モンクレールが新たに目を向けたのは、80年代のイタリアを席巻した若者文化「パニナリ」と、そのファッションのキーとなった「ヴェローネ」だ。この名作は今回、クラシックなショート丈に加え、「ヴェローネ オーパス」と「ヴェローネ AI」と名付けられた2つの新しいシルエットとして再提案された。
胸もとにロゴを配し、ウエストのドローストリングでフィット感を調節できるようデザインされたこのアイコニックなジャケットは当時、光沢のある鮮やかな色彩の破れにくい素材で精巧に作られていた。リバーシブルモデルとして生まれ変わったショート丈のバージョンでは、マットな質感の柔らかなナイロンと、光沢のあるポリエステルの2つの表情が楽しめる。また、袖は取り外すことができ、ベストとしても着用可能だ。
女性らしいシルエットの革新と探求を通じて誕生した「ヴェローネ オーパス」
フロアレングスの「ヴェローネ オーパス」は、女性らしいシルエットの革新と探求を通して、機能性の限界を再定義したもの。オートクチュールピースのような風貌のこの一着はエレガントなホワイトとブラックの2色展開で、ウィンタージャケットの洗練された美学とモンクレールの卓越した技術が見事に融合している。柔らかさと優れた耐久性を実現するのは、マット仕上げのナイロン素材。取り外し可能なスリーブによってベストにも変身する。
話題の人工知能を駆使した「ヴェローネ AI」
一方、「ヴェローネ AI」は最先端の人工知能のサポートを得て製作された。ブーダンキルティングは強化され、ボックスシルエットはオーバーサイズに。バックヨークにはブランドのロゴジャカードパネルが配されている。同じく耐久性のある柔らかなナイロン製で、性別にとらわれないジェンダーニュートラルなスタイルが特徴だ。襟と袖を好みで外して、自由なカスタマイズを楽しみたい。
「モンクレール リアイコン」はモンクレール公式サイト及び一部のブティックで販売中。
Text: Giorgia Feroldi Adaptation: Motoko Fujita
From VOGUE.IT
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