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横浜流星主演、日本版「わかっていても the shapes of love」の見どころは?大ヒットした韓国版と徹底比較

  • 2024.11.30
熱っぽく見つめる横浜流星、カッコいい! 「わかっていても the shapes of love」より (C)AbemaTV,Inc.
熱っぽく見つめる横浜流星、カッコいい! 「わかっていても the shapes of love」より (C)AbemaTV,Inc.

【動画】横浜流星と南沙良が急接近する特報映像

横浜流星主演のABEMAオリジナル連続ドラマ「わかっていても the shapes of love」(全8話※初回は1~3話を公開/ABEMA・Netflix)が12月9日(月)にスタートする。韓国ドラマ「わかっていても」(Netflixにて独占配信中)を原案としつつ、日本版オリジナルの設定やシーンも多い本作。人気俳優ソン・ガン&ハン・ソヒの美麗カップルが世界を魅了した韓国版が2021年の公開から現在に至るまで根強い人気を誇る中、日本版ならではの見どころとは? ネタバレを極力避けつつ韓国版と比較し、その魅力をあぶり出してみたい。

まるで花に群がる蝶のように…漣に沼る人々

日本版「わかっていても the shapes of love」(以下“日本版”)は、女性たちを共感の渦に巻き込んだ累計1億7,500万ビューの同名webtoonをもとにした韓国ドラマ「わかっていても」(以下“韓国版”)の世界観を再構築した新たな物語。日本・鎌倉を舞台に「傷つくとわかっていても、愛に手を伸ばしてしまう人間の衝動」を描き出したラブストーリーだ。

鎌倉にある芸術大学に特別臨時講師として海外から赴任してきた若き天才芸術家・漣(れん/横浜流星)。彼は誰もが近づきたくなる吸引力と、誰にも深入りさせないミステリアスな魅力を併せ持つ“沼男”。まるで、花に群がる蝶のように、常に誰かが彼の周りを囲んでいる。

3年ぶり恋愛ドラマの横浜流星が見せる色気

才能あふれる漣は一見器用に生きながらも、周りの人々に対しどこか諦めに近い感情を抱いていた。そんな時出会ったのが、彫刻学科の助手として働く美羽(みう/南沙良)。

美羽は大学を卒業後も、彫刻家の夢を諦められずに助手という形で大学に残りながら、海外渡航の道を探っていた。稀有な才能をもちながらも飄々と生きているように見える漣に、美羽は憧れと嫉妬と悔しさを混ぜた感情をぶつけてしまう。そして漣も、そんな彼女に興味を持ちはじめる。

主演は、2025年のNHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」の主演も控える国民的俳優・横浜流星。恋愛ドラマは3年ぶりという横浜が大人の色気たっぷりの眼差しで、ヒロイン・美羽を、そして視聴者を“沼らせる”。

「わかっていても the shapes of love」で浜崎美羽を演じる南沙良 (C)AbemaTV,Inc.
「わかっていても the shapes of love」で浜崎美羽を演じる南沙良 (C)AbemaTV,Inc.

設定の違い:学部生同士→講師と助手

韓国版の魅力は、美大生のヒロイン・ナビ(ハン・ソヒ)と彼女が心奪われる後輩ジェオン(ソン・ガン)が織りなす甘くて危うい恋模様。誰にでも優しいジェオンのとろけるような眼差しが瞬く間にナビの心を占領し、ダメだと思えば思うほど、ナビは抜け出せない恋の深みにはまっていく――。

一方、日本版の横浜演じる漣は若き天才芸術家。そして、彼の魅力に“沼る”ヒロイン・美羽はその美術大学彫刻学科の助手、という関係性。美術大学を舞台にした芸術家たちの恋である点は同じだが、学生同士のカジュアルな雰囲気漂う韓国版の恋模様とは異なり、日本版で描かれるのは名のあるアーティスト・漣と助手の美羽による、ちょっと大人な恋模様だ。

中川監督も「この物語は、流星さんのミステリアスな魅力から始まります」とコメントしているが、“若き天才”という設定が漣をさらにミステリアスな存在に押し上げる。「美羽とはずっとこうしてたい…」とうるんだ目で美羽を見つめる漣。漣が孤高の「香坂先生」からただの「漣」に変わる瞬間、美羽は後戻りできない危険な恋に足を踏み入れる。

鮮烈なオリジナル映像で見せる日本の感傷

ナビが“エロい夢”を見てしまうシーンや、ジェオンの自宅の蝶舞う幻想的な温室など、韓国版で話題を呼んだシーンのいくつかは日本版にも登場する。一方で日本版には、視覚的に印象に残るシーンが新たに加わった。

もっとも鮮烈なのが、2人の“始まり”。韓国版ではジェオンがバーで人違いしてナビに話しかけたことから2人は出会うが、日本版では美羽の前で漣がバケツに入った真っ赤な絵の具をまき散らす、という衝撃的なシーンが序盤に登場する。

ティザー予告編第2弾でも確認できるこのシーン。どろりとした赤が漣によって撒かれ、一瞬画面を覆いつくす。その暴力的なまでの迫力が、美羽の心を一瞬で漣一色に塗り替えてしまうのだ。原作webtoonの作者ジョンソ氏が「特に印象に残っているのは、序盤で血のように飛び散った赤い絵の具が紅潮のように広がる演出でした。とてもかっこよかったです!」と感嘆したシーンだ。

「わかっていても the shapes of love」より (C)AbemaTV,Inc.
「わかっていても the shapes of love」より (C)AbemaTV,Inc.

同じくティザー予告に登場する、美羽が彫刻をバールでたたき割る強烈なシーンも日本版オリジナル。また、湘南の海や江の島など鎌倉の美しい風景が、背景として映り込む。人気観光地・鎌倉のどこか非日常的でファンタジックな雰囲気が、舞台にかかる紗幕のようにうっすらと作品全体を覆い、日本版ならではの感傷を生み出している。

すべての役柄に一人ずつ彫刻家が…“群像劇”への思い

もう一つの大きな違いが、サブエピソードの扱われ方。韓国版でもナビとジェオンのほか、2人を取り巻く友人たちの恋愛模様がサブエピソードとして描かれていくが、日本版はそうしたサブエピソードがより掘り下げられていて、“群像劇”としての色彩がもっと濃い。

「彼女にとって、自分は特別な存在じゃない」「踏み出してはいけないと、わかっているから」――。

そんな、各話のキーワードになる言葉を語るのは、漣でも美羽でもなく、彼らを取り巻く友人たちだ。中川監督はイベントで「芸術家がどんな作品をつくるかと、どんな恋愛をするかというのは無関係ではないと思った」と語っていたが、その言葉通り、作品に登場する若き芸術家たちの芸術観と恋模様がしっかり描かれ、彼らが恋愛に悩む中で語るモノローグが、漣に沼る美羽の感情にシンクロしていく。

本作では、メインキャラクターに限らずすべての役柄に一人ずつ実際の彫刻家がついて、ゼロから作品を創ったのだという。加えて、横浜が情報解禁時のコメントで「恋愛群像劇として1人1人が魅力的に輝けばという思いでこの作品を創りました」と語ったことからも、群像劇への強い思いがわかる。

制作の経緯について「原作・原案がある中で、日本の今の時代でしかつくれないものとして新しく『わかっていても』をつくり変えてほしいとプロデューサーから話をいただいた」と明かした中川監督。日本版で描かれるのは、恋愛はもちろん人生の岐路に立つ若者たちが経験するさまざまな「傷つくとわかっていても、それでも」という葛藤だ。

沼男・漣に沼るもよし、若き芸術家の葛藤に共感するもよし。日本版「わかっていても the shapes of love」は、“わかっていても”突き進まずにいられない衝動を肯定してくれる、大人の青春物語なのだ。

文=ザテレビジョンドラマ部

「わかっていても the shapes of love」より (C)AbemaTV,Inc.
「わかっていても the shapes of love」より (C)AbemaTV,Inc.
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