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なぜ女芸人は「共演NG」が多い? ラランド サーヤにAマッソ 加納、サバサバ系ほど炎上するワケ

  • 2024.11.30

2024年は女芸人のトラブルが多かった

シドニー石井の恋愛に対する助言だったが…(C)日刊ゲンダイ
シドニー石井の恋愛に対する助言だったが…(C)日刊ゲンダイ

ラランドのYouTube『ララチューン』におけるサーヤの言動が物議を醸し、炎上する騒動があった。思えば今年は「フワちゃんvsやす子」のトラブル、その渦中にいたとされるAマッソ・加納など、珍しく女性芸人に関する炎上事件が多かった。

そこで今回は、かつて年間100本以上のライブに出演し、自身もライブ主催者の経験もあるという現役の芸人・帽子田(仮名)が、「女性芸人事情」について解説する。

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男社会で必死に生き抜く女芸人たち

前提として、お笑いの世界は圧倒的に男社会であり、女性芸人は全体の1~2割しかおらず、その中でもテレビで活躍する人はほんの一握りだ。

「女性というだけで目立つ」メリットはあるが、実際は男性より厳しい立ち位置に立たされている。男性ばかりで常にやりにくい舞台上で、しっかりと爪痕を残す女性芸人を僕自身尊敬している。

しかし僕がお笑いライブを主催する時には、女性芸人の扱いに悩むことがある。「女性芸人の性格がきつい、ややこしい」と言いたいわけではない。女性芸人同士(特に名が売れている場合)には、暗黙の了解の「共演NG」があったりするのだ。

ヒコロヒーに暴露されたキンタロー。(C)日刊ゲンダイ
ヒコロヒーに暴露されたキンタロー。(C)日刊ゲンダイ

基本的に女性芸人は腰が低くて、気さくな人ばかりだ。ライブスタッフとして話しかけても皆笑顔で対応してくれるし、逆にこちらに気を使ってくれたりする。男性芸人より圧倒的に感じが良い。

それなのに、女性芸人同士だとうまく行かないことが多いのだ。

例えば「楽屋での態度が大きい」「発言が気に障る」「女出しすぎ」などの男からみたら些細なことで、嫌ったり嫌われたりしている。以前テレビでヒコロヒーが「キンタロー。と紺野ぶるまが死ぬほど仲が悪い」と話していたが、そのレベルの不仲話がゴロゴロあふれている。

なので、女性芸人にオファーをかける際に「○○さんと○○さんは一緒にしていいんだっけ?」と確認を取ることがあったりする。

サバサバ系ほどトラブルを起こしがち

「下ネタ謎かけ」が人気だった紺野ぶるま(C)日刊ゲンダイ
「下ネタ謎かけ」が人気だった紺野ぶるま(C)日刊ゲンダイ

なぜ皆いい人なのに、女性同士となると揉めるのか…。

個人的な考えだが、女性芸人同士が揉める根底には「女性には負けられない」というプライドがあるのだろう。なぜなら、自分と芸風や属性が似ている人と揉めるケースが多いからだ。

男性芸人は数が多い分、自分のライバルや類似タレントが分かりにくい。だが女性芸人は少数派なので、自分とポジションを奪い合う芸人が、はためにもよく分かる。傾向として、女性ピン芸人は女性ピン芸人と揉めるし、センス系女性芸人はセンス系女性芸人と揉めるのだ。

これもまた個人的な感覚だが、「センス系」と言われている人ほど繊細で気付きやすく、多くのトラブルを抱える傾向にあると思う。さっぱりして男勝りに見える人ほど揉めていたりする。

この世界に「本気」であることの表れ

やす子はフワちゃんとは仲直りできた?(C)日刊ゲンダイ
やす子はフワちゃんとは仲直りできた?(C)日刊ゲンダイ

僕と仲の良い女性芸人も「自分と少しでも被るような、面白い女後輩が出てきたら気にならないふりをしつつも必ずチェックする」と言っていた。

もともと薄っすら気に入らなかった後輩が、「挨拶をしなかった」「態度が大きかった」という小さな無礼を働いた瞬間、それを錦の御旗にして揉め事に発展していくのだろう。

僕個人的には、女性芸人がそんなに過剰反応するのも、この世界に本気であることの表れだと思う。

昔ほどではないが、今だって女性がお笑いの世界に飛び込むハードルはかなり高い。そこで生き残っていこうとする女性は、いろいろと過敏に反応せざるを得ないのかもしれない(だからといって、他人に迷惑をかけていいわけではないが…)。

気が弱かったり、ポジションを取る際に押し負けていては、女性芸人は前に出られないのだ。色々な葛藤を抱えながらも「お笑い」に真面目な女性芸人を僕は尊敬している。

(帽子田/芸人、ライター)

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