睡眠中の肌に活力を与える最新スキンケア
本来の修復力をサポートする夜用スキンケアの躍進が目覚ましい。肌が本来持つ回復という機能を後押ししながら、より高みを目指すアプローチが多く登場する。最新テクノロジーを搭載したエイジングケアコスメにより、年齢を重ねても美しくあり続けたいというエイジ・リバースの願いはもはや夢ではなくなりつつある。美しく若々しい肌を保つために、夜美容はマストケアだ。
エイジング研究から生まれたディオール プレステージはビタミンやミネラルといった微量栄養素が肌ダメージの修復を超え、肌機能の回復に働くことに着目。微量栄養素による微小炎症の鎮静→細胞機能の維持&修復→細胞機能の回復という発見を受け、微量栄養素を豊富に含むローズペプチドを配合した第3世代。
美肌菌で知られるランコムのジェ二フィック。回復力こそが肌の美しさを握ると、回復科学からインスピレーションを得て、第4世代を開発。肌の回復力を高めるβグルカンを配合し、強く美しい肌を目指す。
生体のリズムを刻む体内時計に着目したのはシャネルの最高峰ライン、サブリマージュ。ひとつひとつの細胞が持つ体内時計に乱れが生じると夜間の修復と再生のサイクルが正常に行われなくなる。夜用美容液に配合された植物成分のクロノペプチドがそれぞれの体内時計を同期することで、修復と再生のサイクルをサポート。超濃縮の再生トリートメントで美しくなる力を最大化させる。
SHISEIDOのフューチャーソリューションは年齢と相関関係のない、美肌育成にかかわる遺伝子CCN2を発見。肌老化を促す悪玉因子セルピンb3を抑制するとともにこの美肌遺伝子の発現を促す新成分を配合してパワーアップ。
深い睡眠へと誘うリラクシングなアイテム
だが、どんなに高級なスキンケアを使っていても肝心の睡眠が良質なものでなければ、効果はなかなか表れづらい。スキンケアが効きづらいと不満をもらす前に眠る環境を整えることから始めてみてはどうだろう。あの手この手を使って、眠りの効果をブーストさせて。
ウェルビーイングな暮らしを提案するイギリス発のラグジュアリーオーガニックブランド、バンフォードには睡眠をテーマにしたb SILENTラインがある。アロマセラピストと協働し、天然の薬草やオーガニック成分で心地よい眠りに誘う製品は高い人気を誇る。
ナチュラル志向のスポーツラバーから愛されるアスレティアは、よく動くために、よく眠る大切さを知るブランド。心地よい眠りだけでなく、すっきりした目覚めのために開発した天然植物精油100%の香りのピローミストを就寝前、枕カバーの側面に2プッシュ。香りによってこれから眠るという合図を脳に送るリチュアルとして、簡単だから習慣化しやすいのもありがたい。
体を眠る態勢に導くには、手足から放熱し、体の深部の体温を下げることが何より重要。就寝の2 ~ 3時間前にぬるめのお湯にゆったり浸かり、体を温めておくことは深部体温を下げるのに有効な方法だ。炭酸ガスがお湯に溶け込むことで生まれる重炭酸イオンにより、温浴効果が高まるBARTHはぬるめのお湯でも効果を発揮する。熱すぎるお湯は交感神経を刺激して眠る態勢からは遠ざかるので、このぬるま湯でも血行を促し、疲労回復や体温の上昇をサポートする重炭酸入浴剤の効果は見逃せない。
また入眠しやすいよう体をリラックスさせるために活用したいのが、筋肉を緩める効果のあるマグネシウムのサプリメント。奇跡のミネラルと言われるが、腸での吸収が悪いためになかなか摂りづらかったマグネシウムを最新技術で吸収率を高めたものが登場し、話題に。
Text: Teruno Taira Editor: Misaki Kawatsu
※この記事は『VOGUE JAPAN』2024年11月号「夜の時間をフル活用。ビューティーな睡眠力」より転載しています。