1. トップ
  2. レシピ
  3. 嫌いな食事は残しても良い?!日米の給食比較で改めて気づいた日本の「食育」のすごさとは?

嫌いな食事は残しても良い?!日米の給食比較で改めて気づいた日本の「食育」のすごさとは?

  • 2024.11.29

アメリカでシングルマザーをしながら、子育てについて発信しているひろこです。「食育」って国によっても人によっても、考え方がすごく色々ありますよね。日本だと「好き嫌いをしないように!」と何でも食べさせる人が多いですが、私が今暮らしているアメリカではまた少し違った考え方があります。アメリカの小学校の給食事情を交えて紹介します。

偏食大国アメリカ!

アメリカには色んな宗教や人種の人達がいて、それぞれ食文化も全く違っています。なので「好き嫌いしないように」という考えを日本ほどは感じません。「嫌いなら避けて食べなさい」「ブロッコリーが嫌なら、代わりにイチゴでビタミンを採ろうね!」くらいの感じです。食わず嫌いということもあるし、一口も手を付けないのは失礼なのでJust try one bite, you might like it.(一口だけ食べてごらん、好きかもしれないよ)という声掛けをしている親は多いですが、食べてみて好きじゃなければそれ以上は強要しない親がほとんどです。子どもが嫌いなものを克服させることに労力を割く親はあまりいません。もちろんその反面、大人でも偏食の人がとても多いのがアメリカです。

アメリカの給食ってどんなメニュー?

 (1593674)

アメリカの給食は、学校で購入するかお弁当を持参するかを個人の自由で選ぶことができます。長男が通っていた小学校では、学校給食用のアカウントがありそこに親がお金をチャージする仕組みになっていました。カフェテリアのレジで自動的に引き落としがされるので、現金を持たせる必要はありません。ランチを持って行った日でも、「ちょっと足りなかったな⋯⋯」「チョコレートミルクが飲みたいな」と思えばカフェテリアで買う事が出来ます。公立の学校であれば、申請すると親の収入によって給食費が半額になったり、無料で食べることができます。三男が通う学校は所得に拘わらず全員無料で提供されます。昼食だけではなく、朝食も希望者には無料で提供されています。アメリカは共働きの家庭が多いため、仕事の都合で朝早く家を出る必要がある人の子ども達も学校で朝食を食べているようです。「給食費を払えない⋯⋯」という悩みを抱えたり、子どもが家で一人で食事をとる心配をしなくて済むのは良い制度だと思います。肝心のメニューはというと、学校にもよりますが日本の給食ほどバラエティに富んだメニューにはなっていません。長男の学校ではほぼ毎週メニューが同じでした。ピザ、ホットドッグ、ブリトー、マカロニチーズなど、いかにもアメリカンなラインナップ。日本人の親からするとちょっと心配になるメニューでした。現在三男が通っている公立の小学校では給食に力を入れているようで、メニューが割と豊富です。インド系や韓国系の子どもも多く通っているので、チキンティッカマサラやブルゴギなどの他国の家庭料理も出るので息子も給食を楽しみにしています。ですが、毎月必ず「マカロニチーズとチョコチップクッキー」というメニューの日が1日あります。日本の給食では考えられないメニューですが、給食を作る人達にも「手抜きの日」は必要だよなと思いながら毎月メニューを眺めています。

 (1593663)

自分で選べるアメリカの学校給食

メニュー以外にもアメリカと日本の給食の違いがあるのですが、1番の違いは自分で選べるところだと思います。メインのメニューは決まっていますが、必ずサラダバーがあるので子ども達は食べたい野菜やフルーツを自分で選んで取ります。飲み物も日本のように「牛乳」と決まっているわけではなく、チョコレートミルクや、野菜ジュースなどがあり、子ども達が飲みたいものを自分で選ぶことができます。サラダバーでは自分で取るので、もちろん「量」も自分で決めます。たくさん食べる子もいれば、少な目がいい子もいますし、体調など日によっても違うと思うので、自分で量を決めるというのもすごくいいなと思います。子どもに選ばせるということは親としては「ちゃんと野菜も食べているのかな⋯⋯」と不安もあります。ですがそこはもう「野菜も食べるようにしてね」と家庭で話して、あとは子どもの行動を信じるしかないなと思っています。あとは食べる「場所」も選ぶことができます。アメリカでは日本のようにみんなで教室で食べるということはしないので、カフェテリアや外のテーブルで食べます。席は決まっていないので、好きな場所で食べることができますし、天気がいい日は外で食べられるのも気持ちがリフレッシュできていいなと思います。一緒に食べる「人」を選ぶのも子ども自身。「今日は隣のクラスの〇〇くんとお外で一緒に食べたよ!」と、ランチタイムに他のクラスの子との交流も持てるのも、アメリカならではだと思います。

日本の給食の「食育」はすごい!

日本の給食は、そのおいしさやメニューの豊富さ栄養管理もすごいですが、それ以外の「食育」も大切にされていることがすごいなと思います。「いただきます」「ごちそうさま」というあいさつには、作ってくれた人だけではなく、食に対する感謝が込められていますし、日本人の「好き嫌いしないように」という考えには「もったいないから残さず綺麗に食べましょう」という考えも含まれていますよね。英語には「もったいない」を一言で表す単語がないように、アメリカではそういった考えがとても薄いと感じます。アメリカのカフェテリアでは専属のスタッフが働いているため、日本のように配膳当番はありません。準備や片付けをみんなで協力しながらやるというのも、日本の給食で学べることの一つだと思います。子どもの健康のためにも、これからの人との付き合いでも、「好き嫌いなくなんでも食べられる」「残さず綺麗に食べる」ってすごく大事なことだと思います。ただ、そこにこだわりすぎて子どもにとって食事の時間が苦痛になったり、親の方がストレスに感じるくらいなら、もう少しアメリカのように自分で量や食べるものなどを決められるような”いい塩梅のゆるさ”があるといいのかなと思います。みなさんが家庭で実践している食育の取り組みや声掛けも是非教えてください!

おすすめ記事

Instagram:ひろこ(@hirorokok)

著書『LA在住のママがやっている アメリカ式・はじめてのお金教育』

元記事で読む
の記事をもっとみる