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冬場に起こる『入浴中の事故』 政府が教える“正しい防止策”と“対処法”とは

  • 2024.12.24
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出典:photoAC(写真はイメージです)

冬場は熱めのお湯をため、ゆっくり湯船に浸かりたいという方も多いでしょう。しかし、寒さが本格化する11月〜4月までの冬の時期は、入浴中に意識障害を起こしてしまう事故が、高齢者を中心に増えていることはご存知でしょうか?

大切なご家族、そしてご自身の命を守るためにも、正しい知識を身につけておきたいものですよね。そこで今回は、政府広報オンラインが解説している「冬の入浴中の事故」の正しい防止策と対処法をご紹介します。

1.なぜ冬場に入浴事故が多いのか

そもそも、なぜ冬場に入浴事故が多発してしまうのでしょうか?

政府広報オンラインによると、その原因の1つとして「急な温度差による血圧の急激な変化」が挙げられるのだそう。

まず、暖かい部屋の中から、温度の低い脱衣所に移動して衣服を脱ぎ、浴室も寒い場合、血管が縮まり血圧が一気に上昇してしまうそう。そして、温かいお湯がたまった浴槽に入り体温が上昇することで、血管が広がり、急上昇した血圧が下がってしまうのだとか。その結果、

この急激な血圧の変化により、一時的に脳内に血液が回らない貧血の状態になり一過性の意識障害を起こすことがあります。

とのこと。特に、65歳以上の高齢者は、血圧を正常に保つ機能が衰えてきている場合があるため、注意が必要になるのだそう。ほかにも、血圧が不安定な方や、風呂場でめまいや立ちくらみを起こしたことのある人は気をつけた方がよいそうです。

2.入浴中の事故を防ぐためのポイント

 たとえ持病や前兆がない場合でも、入浴中の事故が起きてしまう可能性があるそうです。そのため、高齢者だけでなく家族全員が「自分にも起きるかもしれない」という予防意識を持つべきなのだそう。

その上で、政府広報オンラインは入浴中の事故を防ぐための6つの対策を紹介しています。

1.入浴前に脱衣所や浴室を暖めておく
急激な血圧の変動を防ぐため、お風呂を沸かすときに暖房器具などを使い脱衣所や浴室内を暖めておきましょう
。浴室に暖房設備がない場合は、「湯を浴槽に入れるときにシャワーから給湯する」、「浴槽の湯が沸いたところで、十分にかき混ぜて蒸気を立て、ふたを外しておく」など、できるだけ浴室内を暖め寒暖差が少なくなるように工夫しておきましょう。
2.湯温は41度以下、お湯につかる時間は10分までを目安にする
熱いお湯や長湯が好きな人は注意しましょう。例えば、42度のお湯で10分入浴すると、体温が38度近くに達し、高体温などによる意識障害を起こす危険が高まります。お湯の温度は41度以下にし、お湯につかる時間は10分までを目安にし、長時間の入浴は避けましょう。温度計やタイマーなどを活用して、湯温、部屋の温度、入浴時間など普段意識しにくい部分について「見える化」することもおすすめです。
また、かけ湯をしてからお湯に入りましょう。心臓から遠い足先のほうから肩まで徐々にお湯をかけてお湯の温度に体を慣らすと、心臓に負担がかからず血圧の急激な変動を防げます。
3.浴槽から急に立ち上がらない
入浴中には体に水圧がかかっています。その状態から急に立ち上がると体にかかっていた水圧がなくなり、圧迫されていた血管が一気に拡張し、脳に行く血液が減ることで脳が貧血のような状態になり、意識を失ってしまうことがあります。浴槽から立ち上がった時に、めまいや立ちくらみを起こしたことがあるかたは要注意です。浴槽から出るときは、手すりや浴槽のへりなどを使ってゆっくり立ち上がるようにしましょう。
4.食後すぐの入浴や、飲酒後、医薬品服用後の入浴は避ける
特に、高齢者は、食後に血圧が下がりすぎる食後低血圧によって失神することがあるため、食後すぐの入浴は避けましょう。飲酒によっても一時的に血圧が下がります。飲酒後はアルコールが抜けるまでは入浴しないようにしましょう。また、体調の悪いときや、精神安定剤、睡眠薬などの服用後も入浴は避けましょう。
5.お風呂に入る前に、同居する家族にひと声かける
入浴中に体調の悪化などの異変があった場合は、家族などの同居者に早く発見してもらうことが重要です。そのためにも入浴前に家族にひと声かけてから入浴するようにしましょう。
6.家族は入浴中の高齢者の動向に注意する
家族は、高齢者が入浴していることを気にかけておき、「時間が長い」、「音が全くしない」、「突然大きな音がした」など何か異常を感じたらためらわずに声を掛けるようにしましょう。

3.風呂場で倒れている人の正しい対処法とは?

もし風呂場で倒れている人がいたら、どのような対応をすればよいのでしょうか?政府広報オンラインは、「もし、浴槽でぐったりしている人(溺れている人)を発見したら可能な範囲で対応しましょう」として、下記の5つを挙げています。

1.浴槽の栓を抜く大声で助けを呼び、人を集める
2.入浴者を浴槽から出せるようであれば救出する。出せないときは、ふたに上半身を乗せるなどして沈まないようにする。
3.直ちに救急車を要請する。
4.浴槽から出せた場合は、両肩をたたきながら声を掛け、反応があるか確認する。反応がない場合は呼吸を確認する。
5.呼吸がない場合には胸骨圧迫を開始し、救急車の到着まで続ける人工呼吸ができるようであれば、胸骨圧迫30回、人工呼吸2回を繰り返す。

入浴中の事故を防ごう!

今回は、政府広報オンラインが解説している「冬の入浴中の事故」の正しい防止策と対処法をご紹介しました。まだまだ寒さの厳しい日々が続くため、入浴中の事故を防ぐためにも、この機会にぜひ覚えていってくださいね。


出典:「交通事故死の約2倍?!冬の入浴中の事故に要注意!」(政府広報オンライン)(https://www.gov-online.go.jp/useful/article/202111/1.html)(最終閲覧日:2024-12-18)