オンライン商談や打ち合わせの普及に伴い、録画や録音を行う機会が増えてきました。録画や録音で記録を残しておくと、必要な際に内容を確認できるため非常に便利です。しかし、録画や録音の実施方法によっては、相手に不快感を与えてしまう可能性があります。
今回は、会議中の録画や録音を行う際の基本的なマナーについてご紹介します。ぜひ参考にしてください。
録画・録音は法律違反になるの?
会議中の相手に無断で録画や録音を行うこと自体は法律違反にはなりません。しかし、方法や取り扱い方によっては法的な問題に発展する可能性があります。
録音には「盗聴」と「秘密録音」の2種類があります。
- 盗聴: 会話に参加していない第三者が、相手の同意なく録音を行うこと。これは電気通信秘密保護法違反に該当します。
- 秘密録音: 会話に参加している当事者が、相手の同意なく録音を行うこと。秘密録音自体は違法ではありませんが、得た情報を無断で第三者に漏らすと、名誉毀損やプライバシー侵害に問われる可能性があります。
これらを踏まえ、録画や録音を行う際は必ず相手の許可を得て、得たデータは慎重に管理することが重要です。
録画・録音を行う際の基本マナー
1. 必ず許可を取る
会議中の録画や録音を行う際には、相手の同意を得るのが基本です。無断で録音を行うとマナー違反とされ、トラブルにつながる恐れがあります。
事前にメールなどで録画の旨を通知し、会議開始時に再度確認すると安心です。また、Web会議ツールでは録画を開始すると通知が行く場合がありますが、それだけに頼らず、事前にきちんと伝えておきましょう。
2. 許可を取る際のポイント
録画や録音の許可を取る際には、以下の3点を相手に伝えるようにしましょう:
- 目的を伝える: 例「議事録を正確に残すため」
- 用途を伝える: 例「社内共有資料として使用します」
- 管理方法を伝える: 例「データは暗号化して保管し、アクセスを限定します」
これらを明確に伝えることで、相手に安心感を与え、不安やトラブルを防止することができます。
録画・録音データの管理方法
録画や録音データには、個人情報や機密情報が含まれる場合があります。そのため、以下のような管理方法を取り入れましょう:
- データを暗号化して保管する
- アクセス権限を限定し、不特定多数が閲覧できないようにする
- 一定期間後にデータを削除する
こうした管理を徹底することで、情報漏洩を防ぎ、信頼関係を損なわないようにしましょう。
相手への配慮を忘れずに
無許可での録音は法律違反にはなりませんが、相手の立場に立って行動することが大切です。録画や録音を行う場合には、必ず許可を得て、マナーを守った対応を心がけましょう。
思いやりある行動を心がけ、円滑な仕事環境を作っていきましょう。
ライター:能美黎子(のうみれいこ/ @reikonohmi)
大学卒業後、新卒にて最大手保険会社にて約7年秘書の経験を経て、ITコンサル企業の社長秘書に転職。その後、数社の社長秘書を経験し秘書歴約15年となる。秘書検定準1級を取得。
今までの経験を活かし、接遇や礼儀作法、マナーなど“品格”を大事にした執筆作業を行っている。