公園で、一度離れたママ友の輪に戻りづらい… うまくいかなくても、不器用でもいい!! 笑いと勇気をもらえるコミックエッセイ『ホワ～イ！？ なぜだかうまく生きられないッ！』

「今日はいろいろとうまくいかなかったな……」仕事や子育て、友人関係など。こんなふうに気分が落ち込むことは、誰しも経験があるだろう。そんな時に笑いと勇気をもらえるのが、はちみつコミックエッセイから刊行されている『ホワ～イ！？ なぜだかうまく生きられないッ！』（とまぱん/オーバーラップ）。特徴的なタイトルの本作は、インスタグラムで大人気の絵師 とまぱんさん初の書籍である。

学校で勉強する、社会で働く、子どもを育てる。そして避けては通れぬ空気と言葉のコミュニケーション……。毎日懸命に生きているのに、ちょいちょいうまくいかない。人間って本当に毎日が大変すぎる！ そう嘆いている方におすすめの、読めば読むほど味が出る“するめ系”コミックエッセイだ。

本作では、著者のこれまでの「うまく生きられないッ！」というエピソードをユーモアたっぷりに描いている。“公園で子どもに対応したあとに、ママ友の輪に戻りづらい！”という「あるある！」のエピソードから、“この木なんの木のCMに出てくる会社名を必死に覚えようとした”という「ある……ある!?」というぶっ飛びエピソードまで。思わず噴き出してしまう話が盛りだくさん。

クセのある絵柄も本作の魅力の1つである。ラフな表情と妙にリアルな表情、そして絶妙な言葉のチョイスが面白さを際立たせている。人とのコミュニケーションに苦手意識のある著者のとまぱんさん。就活に失敗した、仕事が長続きしなかった、ようやくできた職場の友人に勧誘された……とまぱんさんと各シーンで登場する人物の、表情や言葉に笑わずにはいられない。

本作は、放送作家の野々村友紀子氏が絶賛している1冊でもある。「そのままのとまぱんさんでいい。だってこの本は、きっと誰かの希望の星だ。読めば尊し、不器用人生!!」と推薦コメントを出している。爆笑してしまう面白さがある一方で、推薦コメントにある通り不思議と勇気が湧くのだ。

なぜ勇気が湧くのか？ それは一見すると悲観するような人生の出来事を、著者が笑いに変えて昇華しているからであろう。「どんな自分だってこのままで十分。すべての経験が個性につながっている」と思わせてくれる。

育児や仕事の息抜きをしたい時や、とにかく笑いたい！ という時にぴったりの作品だ。そして生きづらさを感じる方にとっては、本作を読むことで肩の力が抜けるだろう。「これを読むことで、ありのままで生きられるッ！」そんな笑いと勇気がもらえる1冊、ぜひ読んでいただきたい。

文＝ネゴト / いなり