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【都内】一度は行きたい!おしゃれカフェ、美しすぎる本屋…etc.日帰りモデルコース9選

  • 2024.11.28

カフェやギャラリー、アパレルショップの旗艦店などが立ち並ぶ代官山。ゆったりとした落ち着いた空気が流れる、休日の散策にぴったりのエリアです。今回は、そんな代官山に点在する名建築を、歴史や建築の意匠を紐解きながらご紹介。今までは何気なく前を通っていた建築物にも、新たな気づきがあるかもしれません。

1.フォレストゲート代官山 MAIN棟(隈研吾建築都市設計事務所)

早速、駅に近いところから順番に巡っていきましょう。まずは、2023年10月、代官山駅中央口の目の前にオープンした複合商業施設「フォレストゲート代官山」。こちらは賃貸住宅とシェアオフィス、飲食店やアパレルなどのテナントを擁したMAIN棟です。デザイン・設計は、言わずと知れた世界的建築家・隈研吾氏。

住宅エリアのコンセプトは「代官山の森の木箱に棲む」。木箱を積み重ねたような外観は、人と人とのゆるやかな繋がりや代官山という街の持つ温かさを表しています。木のように見える箇所の素材は、実はアルミニウム。木の温かみと、メンテナンスのしやすさを両立した建築です。

棟内の広々とした吹き抜けには自然光がたっぷり入り、開放感を演出。“フォレストゲート”という名前の通り、敷地内には緑が生い茂り、都心の真ん中でまるで森に囲まれているような空間を作り出しています。

Forestgate Daikanyama(フォレストゲート代官山)MAIN棟
住所:東京都渋谷区代官山町20番23号
営業時間・定休日:各店による

2.フォレストゲート代官山 TENOHA棟(SUEP.)

MAIN棟の隣には、木造二階建てのTENOHA棟が並びます。設計は末光弘和氏と末光陽子氏による建築家ユニット「SUEP.(スープ)」によるものです。「循環する建築」をテーマに、木材をアルミの部品で接続し、解体や移築、再利用ができる仕組みになっています。フォレストゲート代官山を運営する東急不動産が保全活動を行う、岡山県西粟倉村の森林の間伐材を構造材として活用するなど、屋内外にサステナブルな資源を取り入れていることも特徴です。

1階にある、サステナブルな生活体験ができるカフェ「CIRTY CAFE」は、ワークショップやポップアップストアなどにも幅広く活用されています。屋上に広がる農園ではハーブなどを栽培し、収穫したものはカフェで提供。地産地消ならぬ「店産店消」を目指しています。

TENOHA棟で過ごしていると、棟内のインテリアや外壁など、各所に正六角形のモチーフが見られることに気づきます。正六角形は、蜂の巣のハニカム構造など自然界にも存在する形。安定感があり、化学記号の展開図にも似た、ここからネットワークが広がっていくイメージを想起させるモチーフとして採用したそうです。

Forestgate Daikanyama(フォレストゲート代官山)TENOHA棟
住所:東京都渋谷区代官山町20番12号
営業時間・定休日:各店による

3.ヒルサイドテラス(槇文彦 槇総合計画事務所)

続いてご紹介するのは、代官山の象徴ともいえる複合施設「ヒルサイドテラス」。幕張メッセや東京体育館、表参道のSPIRALなども手がけた世界的な建築家、槇文彦氏の代表作です。住居・店舗・オフィスの役割を持ち、1967年から1992年まで数期に分けて、13棟の建物が段階的に建設されてきました。

もとは緑の生い茂った傾斜地でしたが、この土地を所有していた朝倉不動産は、この土地が長期的に快適な場所であり続けるために、周囲の変化に徐々に適合させていくことを望んだそう。30年をかけて醸成された「ヒルサイドテラス」には、今ではカフェやレストランなどの飲食店からインテリア・雑貨店、ヘアサロンまで幅広いジャンルのテナントが入店していて、人々がショッピングを楽しんでいます。

グレーのタイルやアルミ材を基調とした、モダンでスタイリッシュな外観。敷地内は緑が豊かで、建物と街を自然と繋ぎます。これといった入り口を設けず、門や塀などもないので、人々の足を自然と敷地内へ導くような設計です。

1973年の第二期に建てられたC棟の広場には、白と赤のタイルが敷き詰められています。建物を真上から見るとぽっかりと四角い穴が空いたような形で、吹き抜けのような開放感をもたらします。

こちらは1992年の第六期に建てられたF棟の内観。階段や通路、スロープが複雑に連なった起伏のある形状はこのF棟だけでなく、ほかの棟にも見られます。ヒルサイドテラスが建つ前の、もともとの地形からインスピレーションを受けているそうで、来訪者を奥へ奥へと誘い込みます。

ヒルサイドテラス
住所:東京都渋谷区猿楽町18-8
営業時間・定休日:各店による

4.旧朝倉家住宅

ヒルサイドテラスの隣には、代官山で建築巡りをするうえで外せない「旧朝倉家住宅」が佇みます。かつて東京府議会議長や渋谷区議会議長を務めた朝倉虎治郎の邸宅として、大正8年(1919)に建てられた、歴史ある建築物です。北側には主屋が建ち、西に土蔵、東に庭門や車庫があり、主屋と土蔵は重要文化財に指定されています。

木造2階建てで、ほぼ全室が畳敷き。瓦ぶきの屋根や、板を少しずつ重ねて貼った下見板張(したみいたばり)と呼ばれる外壁は、明治時代から昭和 30 年頃までに建てられた邸宅にみられる特徴だそうです。

四季折々で景色の移り変わりを楽しめる、美しい回遊式庭園も魅力です。石灯籠や飛び石など、風景を彩る添景物が多く配置され、春はツツジ、秋は紅葉などを楽しめます。2階建ての建物内と回遊式庭園は一般公開されているので、ぜひ訪れてみてください。都会の喧騒を忘れ、まるでタイムスリップしたような気分を味わえますよ。

旧朝倉家住宅
住所:渋谷区猿楽町29-20
電話:03-3476-1021
開館時間:
10時~18時(11~2月は16時30分まで)
※入館は17時30分(11~2月は16時)まで
休館日:月曜日(祝日の場合は直後の平日)、年末年始(12月29日~1月3日)
観覧料:
一般100円、小中学生50円、年間観覧料500円
※団体(10人以上)一般80円、小中学生40円
※60歳以上の人、障害のある人と付き添いの人は無料

5.sarugaku(吉原美比古建築設計事務所)

2007年にできた、美容院やカフェ、レストランなどが集まる複合商業施設「sarugaku」。住宅や集合住宅、商業施設、テナントビルなどを主に手がける、吉原美比古建築設計事務所によって設計されました。高さの違う建物を複数組み合わせることで、空間に山と谷を作り、自然の地形のような起伏を再現しています。建物は全て真っ白のコンクリートで、まるでギリシャのサントリーニ島のような風景です。

まっすぐ続くのではなく、複雑に曲がりくねった階段や通路。奥へと進んでいくと、敷地内のお店の看板やショーウィンドウに並ぶ商品など、さまざまな情報が自然と目に入ってくるような設計です。敷地内の建物を眺めながらテラス席でランチやディナーを楽しめるレストランや、半地下の隠れ家のような中華酒場など飲食店も充実しています。「sarugaku」ならではの非日常的な体験を、ぜひ堪能してみてください。

sarugaku
住所:東京都渋谷区猿楽町26-2
営業時間・定休日:各店による

6.代官山T-SITE(クライン ダイサム アーキテクツ)

2011年にできた、代官山の中心地ともいえる複合商業施設「代官山T-SITE」。星野リゾート リゾナーレ那須や、カルティエ 心斎橋ブティックを手がけた建築家ユニット「クライン ダイサム アーキテクツ」による設計です。コンセプトは「文化の森を創ろう」。施設全体が豊かな林に囲まれており、蔦屋書店を中心に、飲食店やギャラリーなど、計11棟もの大小さまざまな建築が自然と街に溶け込みます。

蔦屋書店の外観は「T」の文字がたくさん編み込まれたような外壁が印象的。意外と見落としがちですが「クライン ダイサム アーキテクツ」ならではのウィットに富んだアイデアです。

店内の素材の質感にも配慮しています。古い大学の図書館や倉庫にいるような心地よさが感じられるよう、床の素材はあえて古材のフローリングを選んでいるそう。温もりを感じる落ち着いた空間でリラックスしながら、読書やショッピングの時間を過ごせます。

同じ形をした3つの棟が連なる蔦屋書店。その棟同士をつなぐのは、全長約55mの連絡通路です。床は店内から続く木材で、通路の両サイドと天井からは光がたっぷり差し込むことで、閉塞感のない空間を実現しています。

代官山T-SITE
住所:東京都渋谷区猿楽町16-15
営業時間:
7:00~23:00
書店…9:00~22:00
スターバックス…7:00~22:00
定休日:なし(元日を除く)

7.Chacott DAIKANYAMA(nendo)

一際目を引くこちらの建物は、バレエ用品ブランド「チャコット」のフラッグシップストア「Chacott DAIKANYAMA」。建築だけでなく、ユニークな企業ブランディングなども手がけるデザイン会社「nendo」による設計です。「小さな丘」をコンセプトに、大小さまざまなコの字型のハコが重なります。地下1階にはカフェ・ショップ、1階はバレエスタジオとラウンジスペース。2階と3階はバレエ用品、コスメティクスフロア、4階にはレンタルスペース、そして最上階となる5階にはフォトスタジオがあります。

外から見た箱と箱の間には屋外通路があり、各階は階段でつながっています。こちらは、建物向かって左側にある外階段の入り口です。

それぞれの箱の屋上にはデッキテラスがあり、テラスを通りながら階段を上へ上へと登って行けます。地下1階のカフェで購入したドリンクやスイーツを、テラスで楽しむことも可能。デッキテーブルやチェアが置かれた階もあるので、開放的な空間でひと休みしてみてください。

天然の木材や石、アイアンなどの素材を組み合わせ、自然との融和と洗練された雰囲気を見事に両立。まるで自然の丘を散策しているような感覚が味わえます。各階の屋外デッキに設けられた、四季折々で移り変わる表情豊かな植栽も見どころです。

Chacott DAIKANYAMA
住所:東京都渋谷区代官山町14-18
営業時間:
スタジオ…9:30~22:00(※日曜日 ~21:00)
ショップ…11:00~19:00
カフェ…10:00~19:00
定休日:なし(年末年始を除く)

8.The SOHO CORNER D.K.Y.(中村拓志 & NAP建築設計事務所)

12角形の外観が特徴的なこちらは「The SOHO CORNER D.K.Y.」と名付けられたビル。服飾雑貨を中心とした商品の企画、デザイン、販売までを自社で行う企業の本社と、1階にはカフェ「MONKEY CAFE(モンキーカフェ)」、ギャラリー「MONKEY GALLERY(モンキーギャラリー)」が併設されています。全国の街づくりや、東急プラザ表参道「オモカド」をはじめとした公共施設などの数々を手がける「中村拓志 & NAP建築設計事務所」によって設計されました。

螺旋状のフロアの上にはカフェの客席が並び、下に向かえばアートギャラリーの空間が広がります。階層をはっきりと分けず、ギャラリーからカフェ、オフィスへと緩やかにつながることで、オフィスで働くスタッフと消費者とをつなぎ、企画・開発から販売までの過程が一直線上に。それぞれの空間がシームレスにつながった、ユニークな建築です。

建物の中は吹き抜けになっており、螺旋階段が上へ上へと続きます。螺旋階段に沿って並ぶ窓ガラスも見どころで、よく見てみると、その大きさや幅、形まで1枚1枚異なることがわかります。通常は同じ大きさ・形の窓ガラスを用いることがほとんどなので、実際に見てみるとかなり新鮮な景色です。

上下階で外壁の位置をずらしていたり、開口の大きさが変わっていたり。見る位置によって外観の形が変化するので、さまざまな角度から見てみたくなる建物です。


MONKEY CAFE / MONKEY GALLERY(モンキーカフェ/モンキーギャラリー)
東京都渋谷区猿楽町12-8
電話:03-5728-6260
営業時間:10:00〜19:00
不定休
※一般に見学できるのは、1Fのカフェとギャラリー部分のみ。オフィス部分は立ち入り不可。

9.東京音楽大学中目黒・代官山キャンパス(戸田建設建築設計統轄部)

2019年4月に開校した「東京音楽大学中目黒・代官山キャンパス」。日本全国の教育施設や住宅から、商業施設まで幅広く手がける「戸田建設建築設計統轄部」による設計です。

キャンパスの中心を貫く「音楽のみち」は中目黒と代官山をつないでおり、キャンパスと外の社会とをつなぐ役割を果たします。

緑豊かな中庭は”音楽の森”と呼ばれ、この中庭を囲むように、レッスン室・練習室・教室・カフェテリア・音楽ホールなどを配置。自然からインスピレーションを受けたり、学生同士が交流したりできる場を設けることで、学生が音楽に向き合い、集中できる環境を目指したといいます。

構内にある「DEAN & DELUCA」は誰でも利用できるので、ぜひ立ち寄ってみてください。

東京音楽大学中目黒・代官山キャンパス
住所:東京都目黒区上目黒1-9-1
カフェ営業時間:
8:00〜18:00(月〜金曜)
9:00〜18:00(土・日曜)

名建築を巡りながら、新たな視点で代官山散策を楽しんで

代官山の名建築9選をご紹介しました。それぞれの建築の持つ歴史や意味を知ったうえで巡ってみると、新たな視点で楽しめるようになるかもしれません。代官山を訪れた際は、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。

writer / 海

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