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第18回「泣きたい夜の甘味処」/鈴原希実のネガティブな性格がちょっとだけ明るくなる本

  • 2024.11.28

日々過ごしていると、上手くいった日、何もかもダメダメな日、色々な日がありますよね。

仕事や学校の帰り道に、ふと涙がこぼれそうになることも時にはあると思います。

「何だか最近上手くいかない…」「この先どうなるのか不安」など。 このような漠然とした不安や悲しみをもし、あなたが抱えているのなら。 ぜひ手に取っていただきたい本があるのです。

それが、今日ご紹介する『泣きたい夜の甘味処』。

この作品はとある町にひっそりとたたずむ、一軒の甘味処が舞台となっています。

熊と鮭が営むこのお店は、夜のみの営業。 提供するのは温かいお茶と、甘いもの一品だけ。 疲れて泣きたい人々がこのお店に迷い込んでゆくという物語です。

私は普段漫画を読むスピードがとても早いほうなのですが、この作品は1ページ1ページ、本当にゆっくりと読み進めました。 自然とそうしたくなるような、心温まる空気感がこの作品全体に流れているんです。

そして終始うるっと来てしまうようなストーリーで溢れていて、実際にこの方たちが存在しているのかもしれないと錯覚してしまうくらい実在性が高いです。

色んな悩みを持つ方が出てきて、例えば疲れ果てたビジネスマンの方や、会社を辞めたOLさんなど思わず分かる!となる方も多いのではないかと思います。

その中でも特に、私が一番印象に残ったお話が「ギャルとおばあちゃんとマフィン」のお話。

両親が忙しくいつもおばあちゃんと一緒に過ごしていたお孫さんのとも子ちゃん。

いつもおばあちゃんにツンツンしていたとも子ちゃんですが、ある日おばあちゃんがマフィンを作ってくれるんです。

その時にとも子ちゃんが珍しくすごく喜んだものだから、おばあちゃんはそれから毎日のようにマフィンを作ってくれます。

そんなおばあちゃんに対し、まだ幼い頃のとも子ちゃんは「もうマフィンなんていらない」と言ってしまいます。

その日からマフィンは作られることはなく、おばあちゃんは数年後寝たきりになってしまう…という物語です。

このお話には続きがありまして、そこで心温まる展開があるわけなのですが。

私はおばあちゃんっ子なので、ここの部分を読んですごく胸が苦しくなってしまいました。 日々後悔のないように生きていきたいと、改めて感じるきっかけとなった物語でした。

そしてこの作品のもうひとつの見どころといえば、甘味。 とにかく美味しそうな甘味の数々は、レシピ付きなので実際に食べながら読むこともできます。

この作品は、辛い苦しいという思いを強く抱えている方にこそ読んでいただきたい、心を温かくするホットミルクのような作品になっています。

みなさん日々、本当にお疲れ様です。 あなたは本当によく頑張っているんです。 だから、たまには漫画を読みながら、甘いものを食べながら、 ゆっくりひとやすみしてみてはいかがでしょうか?

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