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へっぽこ新人研修医の指導医は超俺様。患者を救う圧倒的な手腕に、自分との差を感じてしまって…。現役医師が原作の小児科医成長ドラマ

  • 2024.11.28

日本の出生率は下がり続けているが、小児科はいつも子どもたちで溢れかえっている。子どもを心配する親の心は、いつの時代も変わらない。だからこそ、親にとって信頼できる小児科医がいてくれることは何より心強い。

『オーベン×ネーベン』(ちんねん:原作、能一ニェ:漫画/KADOKAWA)は、小児科の指導医と研修医の日常を描く医療マンガだ。

タイトルにあるオーベンとはドイツ語で指導医、ネーベンは研修医を意味する。本作は夜間小児救急を受け入れる病院を舞台に、3組の“オーベンとネーベン”が緊迫する医療現場で奮闘する姿を描く。

優秀な指導医と劣等感を抱えつつ前向きに頑張る研修医。厳しい指導医と苦戦する研修医。新人指導医と有能な年上研修医。個性豊かな3組のやりとりが、それぞれ魅力的に描かれる。医療の知識や現場での対応といった医療的側面はもちろんのこと、研修医がそれぞれに抱える課題やコンプレックスといった精神的な悩みも、指導医の存在を力に乗り越えていく。

本作の原作者・ちんねん氏は現役小児科医だ。それゆえ知られざる研修医の世界が見られることも、本作の魅力といえよう。さらに、小児医療に関する豆知識が随所に盛り込まれており、読者は楽しみながら医療の知識を得ることができる。

「子どもの三大義務は 食う 寝る 遊ぶ。どれか一つでもかけたらそれは何かのサインだ」

指導医から研修医へ向けた、子どもを見るうえで気をつけるべき言葉たち。それらは医療従事者のみならず、子を持つ親も心に留めておきたいものばかり。気づきと共に、日々使命感をもって子どもと向き合っている彼らへの感謝の気持ちが湧き上がってくる。

本作は小児科医の現場をリアルに知れると同時に、個性豊かなオーベン・ネーベンたちの活躍をもっと見たくなるお仕事マンガだ。子を持つ親はもちろん、医療の世界を覗き見たい人にもおすすめの一冊である。

文=ネゴト / Ato Hiromi

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