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【きのこ】ダイエット向きなのは?骨粗しょう症予防に食べたいのは? 7種類のきのこを栄養比較【栄養士ライターが解説】

  • 2024.11.28

きのこの種類はさまざま……どれを食べればいい??

きのこは種類がたくさん。どれを食べればいい??
きのこは種類がたくさん。どれを食べればいい??

秋から冬に旬を迎える「きのこ」。たくさんの種類があり、どれを買うか迷ったことはありませんか?代表的な7種類のきのこ(えのきたけ、エリンギ、しいたけ、ぶなしめじ、まいたけ、マッシュルーム、まつたけ)について、栄養面を解説してきます。

栄養ポイント1:低エネルギー食材で、ダイエット中の人にもおすすめ

調理前(生)のきのこ100gあたりのエネルギー量について、低い順にランキング化しすると以下の通りです。どのきのこも低エネルギーですが、カロリーが気になるときは「マッシュルーム」を選ぶといいかも知れませんね。

栄養ポイント2:骨を強くするビタミンDが豊富

きのこ類に共通する特徴的な栄養素が、紫外線にあたるとビタミンDに変化するエルゴステロール(プロビタミンD2)が豊富であること。ビタミンDはカルシウムの吸収を促して骨を強くする働きがあり、不足すると骨粗しょう症や骨の変形リスクを高める要因に。ビタミンDの含有量が多い順に並べると次の通りです(いずれも生100gあたり)。

群を抜いて多いのが「まいたけ」で、18歳以上の男女1日に必要な目安量8.5μgの約半分を1パック(賞味重量90g)で補えます。骨粗しょう症に気をつけたい人は、きのこ選びで迷ったら「まいたけ」を選びましょう。なお、ビタミンDは脂溶性で、オリーブ油やバターなどで調理したり、お肉や脂のりの良い魚(鮭など)と組み合わせて食べると吸収されやすくなります。

栄養ポイント3:糖と脂質の代謝をサポートするビタミンB群が多い

ビタミンB群(B1・B2・ナイアシン・B6・パントテン酸・ビオチンなど)が比較的多いのも、きのこ類の特徴。糖質、たんぱく質、脂質がエネルギーに代謝されるのを促す重要なアシスト役を担う栄養素で、不足すると疲れやすくなったり、ストレスを感じやすくなったり、肌荒れや口内炎などの不調を招きやすくなります。また、過度なダイエットや大量の飲酒でも不足しやすくなります。

栄養素の含有量は7種類で多少の差はありますが、できるだけ複数のきのこを組み合わせて食べる方がバランスが整いやすいでしょう。ビタミンB群は水溶性なので、お鍋や味噌汁などの具に加えて汁ごといただいたり、炊き込みごはんにするのもおすすめの食べ方です。

まだまだある!栄養ポイント

ほかにも、きのこ類には食物繊維の一種であるβ(ベータ)-グルカンが多く含まれ、腸内環境を整え、免疫細胞を活性化させる働きなどが注目されています。また、イライラを抑えてリラックスを促すGABA(ギャバ)、うま味成分であるグアニル酸や甘みのもとにもなるトレハロースを含んでいるなどの特徴も。

最後に、7種類のきのこの中で特徴的な成分を持つものをご紹介します。

●しいたけ・マッシュルームの「エリタデニン」しいたけから発見された成分で、特にしいたけの含有量が多め。血中コレステロールを抑え、血流を良くして血圧を下げるなどの機能性が注目されています。水溶性の成分で乾燥しいたけ(干ししいたけ)の戻し汁にも含まれます。

●まいたけの「プロテアーゼ」プロテアーゼはたんぱく質分解酵素で、お肉や魚と組み合わせると身を柔らかくしたり、うま味が増すなどの相乗効果が期待できます。茶碗蒸しに入れると酵素の働きで卵がうまく固まらずドロっとした仕上がりになるのでご注意を。

●まつたけの「香り成分」まつたけの代名詞とも言える芳香の主成分は、マツタケオール(1-オクテン-3-オール)とケイ皮酸メチル。食欲アップや消化酵素の分泌を促す働きもあります。

※参考文献:『日本食品標準成分表(八訂)増補2023年版』、『日本人の食事摂取基準(2020年版)』、奥嶋佐知子監修『食品の栄養とカロリー事典 第3版』女子栄養出版部,2022、杉田浩一ほか監修『新版 日本食品大事典』医歯薬出版株式会社,2017、久保田紀久枝・森光康次郎編『食品学-食品成分と機能性- 第2版』東京化学同人、池上文雄ほか監修『からだのための食材大全』NHK出版,2019、上西一弘ほか監修『健やかな毎日のための栄養大全』NHK出版,2022、白島早奈英・板木利隆監修『もっとからだにおいしい野菜の便利帳』高橋書店,2009

(野村ゆき)

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