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「当たり前の日常」に憧れ続けて気づいた感謝を、明日の活力へ

  • 2024.11.28

今、私が過ごしているいわゆる「平凡」ともとれる、でも幸せな日常の生活。

朝起きて、準備をして仕事に行く。
社会人として仕事を全うし、帰宅する。
好きな人とご飯を食べ、食後の時間をゆっくり過ごし、たまには晩酌をして、2人で真剣な話をする。
その後テレビを見てくだらないことで談笑し、隣で眠りにつく。
休日には好きな場所に出かけたり、友人や家族と一緒にランチに行く。

この生活は憧れというほどではないのかもしれないし、友人でもこのような生活をしている人はたくさんいる。
けれど、私にはこの「当たり前の日常」が何より憧れだった。

◎ ◎

約5年前、病気を発症した。
多くの病院で、検査や入退院を繰り返した。
この5年間は、今考えても壮絶で、まさに毎日が生死の境だった。
生きていくことに希望を失い、もう人生をやめてしまいたいと何度も思った。
周りの友人が大学生活を謳歌し、海外に行ったり、居酒屋で深夜から朝まで飲み歩いたりしているのを見て、ただただ羨ましく思っていた。

それと同時になぜ私は今こんな状況なのかと考えなかった日はない。

友人が話す、彼氏との話が羨ましかった。
私もこんな風になるまでは理想を描いていた。
友人と一緒に旅行に行ったり、居酒屋でお酒を嗜んだり、クリスマスなどの行事を恋人と過ごしたり………。
でも全て憧れで終わってしまった。
その憧れに続く道の先には進めず、立ち止まるどころか後退するばかりだった。

◎ ◎

今このような状態では、誰かと結婚したり、子どもを授かったり、そんな理想はもう現実にはできないんだと思った。
この病気とともに生きて、同じ毎日を過ごし、何も得ず、なくすこともなく1日を終える。

もちろんその1日だって、当たり前に生きて過ごせることは素晴らしいとわかっていた。
でも、周りと比べるとどんどん欲が出てきて、私も周りの人たちのような日々を過ごしたい。というのが本音だった。

なぜ。私だけ。
そんな気持ちにもなった。
もっと苦しむ人がいて、自分だけなんてことはないと理解していても、自己嫌悪になる日々をやめることはできなかった。

◎ ◎

そんな日々が続いて転職をきっかけにして1人の男性に出会った。
初めは何を考えているのか少し掴めないような人だった。
でも、誰よりも優しい人だった。私は彼に惹かれ、恋をした。
しかし、本当に付き合っていけるのか悩む日々だった。

でも、彼は私に告白をしてくれた。一緒にいたいといってくれた。
その言葉のお陰で、私達は交際をはじめた。
その後もたくさん喧嘩もした。苦しい思いもした。
それでも彼と一緒に乗り越え進んできた。
彼は今そのときの話をこう言って笑う。
普通に過ごすよりも色んなことを乗り越えてきたね。と……。

◎ ◎

好きな人と笑う。泣く。たまに喧嘩もして……。
それでもやはりお互いが必要だと感じ、仲直りしてまた一緒に笑う。
これは恋人だけに言えることではない。
友人や家族、自分の大事な人なら皆に共通して言えること。

それはまさに私の理想、憧れの生活だった。
心の底からお腹を抱えて笑い、しんどいことも誰かと一緒に強くなり乗り越える。
好きな人や家族とご飯を食べ、「美味しい」と笑う。
お互いを思い意見をぶつけ合って、仲直りしてまた笑う。

◎ ◎

この経験を通して思うこと。
私の憧れの生活にはいつも誰か大切な人がいる。
家族、友人、恋人。
私は1人で憧れの生活を過ごすことはできない。
だから、わかった。
私には周りの人みんなが大切なんだと。
今、私がしている憧れの生活はたくさんの人に支えられているのだと思う。
私は今過ごしているこの憧れの生活を今後も過ごすために、周りを大切にし感謝を伝えて生きたいと思う。
また、この生活を憧れにしてしまわないように。
今後も継続して、過ごしていけるように。

◎ ◎

そして、今また「憧れ」が1つできた。

「憧れの生活」

それは私にとって、明日への活力。私を動かすエネルギーになるものだと思う。
毎日、その「憧れの生活」を思って私は今日も1日を過ごして行くのだから……。

■Nの思いのプロフィール
文を書くことが好き。
苦しい6年間を乗り越えて多くの人に自分の経験を伝えたい。
些細な幸せを噛み締めて暮らしたい。

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