「修学旅行でいつものUSJではなく万博へ行くことに……」そんな驚きのツイートがX(旧Twitter)上で話題となっています。
55年前の大阪万博(1970年)のときは「月の石」に群がる熱狂が社会現象となり、多くの人々が未来への夢をふくらませた歴史があります。しかし今回は、限定グッズがメルカリで転売されるなど逆風も吹いており、その価値や楽しみ方が十分に伝わっていない印象も否めません。
ちなみに、今回独自に行った世代別アンケート(有効回答数:430)では、回答者の年代構成は30代が最も多く134名、続いて40代が116名、50代が71名、20代が69名、60代以上が35名、10代が5名という結果でした。また、「2025年の大阪・関西万博に行く予定がある」と答えた人はわずか28名にとどまり、「行く予定はない」(202名)や「万博自体に関心がない」(107名)が大きな割合を占めました。今のところ、多くの人が“足が向かない”状況ともいえそうです。
55年前に「月の石」を目当てに大行列を作ったあの熱狂は再来するのか、それとも今回は失速してしまうのか――注目が集まっています。
セットで両方楽しみたい
万博の実施をポジティブにとらえる意見や、USJより万博に魅力を感じる派からは、以下のようなコメントが見られます。ここでは、大きく二つに分類してご紹介しましょう。
USJより万博が魅力
「修学旅行USJより万博行った方がいいだろ何言ってんだか」
── 毎年同じUSJではなく、未来を感じる新しい体験ができそうな万博こそ“修学旅行にふさわしい”という肯定的な声。
セットで両方楽しみたい
「万博アンチの人が『万博に行くくらいならUSJに行って』と言う人がいるけれど、
USJのチケットを買うと、万博の前売り券を安く買えるから、1日にどちらも回ることが1番おすすめだと思うの。」
「大阪万博のモンハンのパビリオンまた外れたんだけど……諦めてまじでUSJ行こうかな」
── どちらか一方を選ぶのではなく、時間を有効に使って“万博とUSJの二刀流”で満喫しようという柔軟な意見や、チケット外れをきっかけに迷う姿も。
こうした声からは、万博が持つポテンシャル自体に興味を示しつつも、公式からのPR不足を感じていたり、USJとセットで楽しむならいいかもという“折衷案”を探る人が多い印象です。
実際に「行く予定がある」と回答した28名のうち、関西以外の地域が半数以上を占めており、必ずしも地元民だけが期待しているわけではないとわかりました。
何をやるのか情報が入ってこないので不安
一方で、「いや、やっぱり修学旅行はUSJでしょ」と批判的な声をあげる人たちも。こちらも二つのポイントに分けて紹介します。
万博自体の情報不足にがっかり派
「先日もつぶやいたけど、大阪万博行ってはみたいが、マジで何をやるのか情報が入ってこない。
サイトを見ても興味をそそられるものがないのか、あんまクリックして調べる気が起きないんだよなー。
チケットをUSJのセット売りとかではなく、もっと見どころをPRすべきだと思う。」
── ‘行きたい’思いがあったのに、どうも情報不足で魅力を感じにくいという不満。賛成・否定両方の立場から出ているコメントでもあり、PR不足が大きな共通課題になっている様子。
例年の定番を崩したくない派
「さっき友人と修学旅行関連のやり取りしてる時に、上の学年は例年のディズニーランドでなくつくば万博行ったのを思い出して、今年はUSJでなく大阪万博に行くことになる学年が出現するんだなぁと」
── せっかくの修学旅行であれば、子どもたちが楽しみにしていた定番コースを外したくないという声。マンネリかもしれないが安心感があるという意見も根強いようです。
投稿者が嘆くように、子どもたちや保護者からは「修学旅行らしい思い出づくりを重視したい」という意見が多く見られます。USJのようにエンタメ性がはっきりしている施設でないと、不満や不安が増してしまうというのが現状のようです。
アンケートでも「万博に行く予定はない」「万博自体に関心がない」という回答が合わせて300以上に上り、特に40代・50代の年代で万博への消極姿勢が顕著でした。子どものための行事とはいえ、親世代も楽しみを見いだせない限り後押ししにくいのかもしれません。
近未来の最新技術で心躍る瞬間を
修学旅行の行き先としてUSJから万博へシフトした背景には、大阪万博自体への注目度を高めたいという狙いもあるのかもしれません。かつては「月の石」にわくわくした子どもたちが列を成し、万博は未来への期待を象徴するお祭りでした。ところが今回は、公式グッズが早くも転売されるなど、熱狂どころか冷めた見方が広がっている面も否めません。
アンケートでも「すでに身近な技術がさらに進化すること」や「まったく新しい技術に触れること」に未来を感じる人が多かった一方で、「どれも特に興味がない」という回答や「今楽しめるものの方が大事」といった声も散見されました。修学旅行であっても、エンタメ性が分かりやすく感じられるUSJが優勢になるのは当然かもしれません。
それでも、新しい体験や学びの場があるのが万博の大きな魅力。修学旅行でしか味わえない特別感を子どもたちにどう伝えられるか、今後のPRや運営体制が一層問われることになりそうです。「USJが良かった」と嘆く声も、「万博のポテンシャルをもっと引き出して!」という声も、結局は“子どもたちの最高の思い出づくり”を願う点で共通しています。はたして55年前のように再び大きなブームを巻き起こせるのか――大阪万博の行方に、ますます目が離せません。
※本記事は媒体独自に募集したアンケートを元に構成しています
・調査方法:インターネットサービスによる任意回答(記述式)
・調査期間:2025/3/13~14
・調査対象:全国/18歳以上/性別不問
・有効回答数:430