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暖房、“夜つけっぱなし”でも電気代は【100円以下】!エアコンと睡眠のプロが解説

  • 2024.11.27

今年の夏も暑かった。夜間熱中症を防ぐため、一晩中エアコンをつけっぱなしの人も多かったかと思います。気になる電気代は意外と安く、約23円だという話が「冷房、“夜つけっぱなし”でも電気代は【約23円】!エアコンと睡眠のプロが解説」にて明かされました。

そして今度は暖房代。エアコンの暖房を一晩中つけていた場合、いくらになるのでしょうか。再び、パナソニック エアーマイスターの福田風子さんが解説してくれています。

パナソニック エアーマイスター 福田 風子さん

パナソニック株式会社 空質空調社 日本マーケティングセンター 空気事業マーケティング統括部
自宅に異なる4機種のエアコンを設置し、機能の違いや風の違いを感じ分ける。スマホを使って家中のエアコンを遠隔操作したり、時にはカビの発生したエアコンを自ら入手・分解して調べるなど担当の枠を超えてちょっとしたエアコンマニア。

冬の睡眠時のエアコン電気代を検証

夏もですが、エアコン「室外温度」と「設定温度」の差が大きいほど消費電力がかかります。

冬場は日が出ている昼間に比べ夜間の方が気温が低いことが多く、睡眠時のエアコン暖房は「室外温度と設定温度の差が大きくなる傾向」があります。地域によっても夜間の外気温は大きく異なります。

パナソニックのエアコンのログデータをもとに、20時以降に8時間、エアコンの暖房を使用した場合の電気代を計算しました。

エアコン暖房の1時間あたりの消費電力(20時以降)

  • 外気温-10℃~0℃未満:約90円(1時間あたり約363Wh)
  • 外気温0℃〜10℃未満:約62円(1時間あたり約250Wh)
  • 外気温10℃〜20℃未満:約21円(1時間あたり約83Wh)

※電気代については、当社PXシリーズの機器ログデータより算出した参考値です。電力料金目安単価 31円/kWhにて計算
※電気代は、電力会社との契約内容や、利用環境(室内外の温度、湿度、お部屋の気密・断熱性など)、使用状況(設定温度、運転モード、風量など)により変動するため、あくまで目安です
※パナソニック「エオリア」調べ

●電気代は「約21円〜90円」

外気温により差があるものの、エアコン暖房を一晩(8時間)つけっぱなしで使用した場合の電気代は、「約21円〜90円」ということがわかりました。

たとえば東京は、気象庁の平年値によれば1月〜2月の夜間の気温が3℃台〜7℃台のため、一晩つけっぱなしの電気代は約62円となります。

意外と安い、けれど気持ち的につけっぱなしが気になるときは

それでも電気代が気になるという方は、寝室を暖めてから就寝前にオフにし、起床時間の1時間前くらいにオンになるようにタイマーを設定しておくと、部屋が暖まって布団から出やすくなるとのことでした。

そして、もあります。

乾燥が進むため加湿器を入れると安心

なお、暖房を使用するとお部屋が乾燥してしまうという悩みもあります。エアコン暖房だけでなく加湿機なども使って合わせて湿度もコントロールしましょう。

また、温度が高いほど乾燥が進むため、乾燥が気になる場合は、設定温度を下げてバランスを取るとよいとのことでした。

冬前にエアコンの掃除はマスト

また、暖房を使う前にはエアコンのフィルター清掃を行うことが、電気代と体への健康にもおすすめです。

冷房稼働終わりの「夏じまい」は、暖房稼働後の「冬じまい」より念入りに行っていただきたいと、福田さんは語ります。

その理由は、暖房よりも冷房の方がエアコン内部にカビが発生しやすいため。

冷房はエアコン内部にカビが発生しやすい

カビは気温20~30℃、湿度60%以上でもっとも繁殖しやすく、多くの胞子を作ります。とくに湿度60%以上では湿度が上がるほどカビが発生しやすくなります。

仕組み上、エアコン暖房は熱交換器を加熱し暖めるため、エアコン内部は乾燥した状態になるのとは対照的に、冷房運転は熱交換器を冷やし、温度を下げるとともに空気中の湿度を結露させて排水するため、エアコン内部は高湿度の状態になります。

エアコン内部に結露が発生し、カビの育成を助けることになってしまうので、冷房時は特に内部のカビに注意が必要なのです。

エアコン内部にカビが発生しているとどうなる?

室内に浮遊するカビの例として、エアコン内部にカビが発生した場合の「カビ風(エアコンの風に乗って放出されたカビが空間へ広がる動き)」を高感度カメラの撮影により可視化しました。

普段なかなか意識しないカビの浮遊ですが、エアコン内部にカビが発生していると、冷暖房の風によってこのように空間を漂ってしまうことが分かります。

「夏じまい」をサボったら冬の暖房代が上がるワケ

エアコンの汚れが電力消費量の増加につながる

衛生面以外では、経済面の問題も出てきます。

エアコンは室内の空気を取り込み、冷風や温風にして放出します。ところが、フィルターにホコリが溜まっていると十分な量の空気を取り込めません。多くの空気を取り込もうと、余計なパワー=電力を使うことになるため、エアコンの運転効率は低下し、電気代を余計に消費する状態に陥ってしまいます。

実際にエアコンフィルターを1年間掃除しないと年間で約25%も消費電力量がアップしてしまうという実験結果もあり、フィルターの目詰まりや冷暖房能力の低下で、金額にして1万円以上も電気代がムダになってしまう場合があります。

※パナソニック製品「CS-F401D2」を使用。電気代31円/kWhでの実験

エアコン内部にカビが発生する原因

<Edit:編集部>

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