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歪んだメディア報道に真正面から立ち向かうおじさんコメンテーター!忖度ナシのメディア風刺漫画『反逆コメンテーターエンドウさん』

  • 2024.11.27

何か大きな事件や政治問題が起きたとき。メディアが取り上げず沈黙を貫いたり、偏った一方的な視点のみでしか報じなかったり、そんな様子にフラストレーションが溜まることがある。昨今のメディアは、我々視聴者に対して必要な情報を正確に報道していると言えるだろうか。

そんなモヤモヤを抱えていても、風刺&ホラー漫画家として活躍する洋介犬先生の『反逆コメンテーターエンドウさん』(洋介犬/KADOKAWA)を読むと不満が和らいでいくのだ。

本作は、ワイドショーのコメンテーターを務めるエンドウが主人公の風刺漫画である。前書きで“「こんなコメンテーターがひとりぐらいいてもいいのでは」という作者の願いから描かれた”と記されているように、鋭い視点で歪な報道に異を唱える理想的なコメンテーター像が描かれている。

エンドウがテレビ側にとって都合の良い台本通りの発言ではなく、自分の意思を正々堂々と話す姿は実に清々しい。意見の食い違う他のコメンテーター、世間を騒がせる事件を起こす人々、更には直接エンドウ自身に危害を加えてくる相手と対峙しても、自分の姿勢を一切変えない。芯の通った強さ、弱い立場にある人たちの声なき声を拾い上げる責任感に胸が震える。

愛妻家で奥さんに照れる姿も、普段の様子からのギャップを感じて好感度大だ。

本作はエンドウとメディア関係者のやりとりがメインストーリーとして描かれる。しかし時折、メディアの情報に飲み込まれた一般人の日常生活が脅かされてしまうエピソードも描かれ、ふと読者である私自身もこうなっていないか?と考えさせられてしまう。本作はまさしく風刺漫画としての機能を存分に発揮しているのだ。

本作を読むと、心のモヤモヤやストレスから解放されるようなカタルシスを感じる。しかしそれだけで満足せず、情報の在り方、向き合い方を自身に問うていきたい。

文=ネゴト / 花

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