2023年9月23日放送の情報バラエティ番組『土曜はナニする!?』では、「予約が取れない10分ティーチャー」のコーナーに、世界各国のカレーを食べ歩いたカレープロデューサーのカレーマンさんが出演。万能スパイスと、1時間かけてじっくり抽出したかつおと昆布の合わせだしを掛け合わせた、蕎麦店風のスパイスカレーを紹介していました。水で煮込むカレーとはやっぱり旨味が違うのかしら。マニア直伝のカレーにいざ挑戦です!
国内外のカレーに精通したマニアが考案したレシピ
『土曜はナニする!?』の「予約が取れない10分ティーチャー」のコーナーでカレーを指南していたのは、カレープロデューサー、カレーマンさん。
日本全国はもとより、世界11か国のカレー店を食べ歩いたカレーマニアで、ご当地カレーのプロデュース、カレーイベントの出店、カレーレシピの監修、SNSでカレーの情報発信などなど…。多方面でカレーに関わっています。2022年10月には、東京都大田区に堀江貴文さんと共同でお出汁のカレーライス専門店・カレーだしっ!をオープン。こちらのお店は、鶏がらと魚介だしを使ったカレーがウリなんですよ。
番組でも、かつおと昆布の合わせだしを使ったカレーを伝授していました。合わせだしを取るのに1時間ほどかける、本格派のレシピみたい。気合を入れて作ってみます!
「シン・お蕎麦屋さん風出汁カレー」を作ってみた!
「シン・お蕎麦屋さん風の出汁カレー」に使うかつおオイルは、仕込みに1日かかるため工程を分けてご紹介します。
【Step1 前日にかつおオイルを仕込む】
【材料】(2人分)
サラダ油…50ml
かつお節…1/2パック
1. サラダ油にかつお節を入れ、1日漬けます。
サラダ油にかつお節を入れるだけなので、簡単です。カレーを作る前日に仕込んでおきましょう。
【Step2 カレーを作る1時間前に魚介だしとかえししょうゆを作る】
【材料】(2人分)
水…1500ml
昆布…10g
厚削り節…50g
(かえししょうゆ)
しょうゆ…50ml
みりん…10ml
砂糖…10g
1. 鍋に水、昆布、厚削り節を入れて、弱火で30分ほど加熱します。
沸騰させると昆布からえぐみが出るので、煮立たせないように弱火でじっくり加熱するのがポイントです。弱火なので、お湯の表面が波打たないほど静か。30分加熱しました。
2. 30分ほど加熱したら昆布を取り出し、さらに弱火で30分加熱します。
30分経ったら昆布を引き上げます。厚削り節を入れたまま弱火でさらに30分加熱しました。部屋中に、おだしのいい香りが♪
3. 厚削り節を30分ほど加熱したら、ザルで濾します。
ザルで濾すと、深い黄金色の合わせだしが約950ml取れました。上品な香りというよりも、カレーの風味に負けないようなかつおの力強い香りがします。
カレーに使う量は300mlなので、上記レシピではかなり多く作れることに。水分が蒸発することを考慮しても水、昆布、厚削り節は半量にしてもよさそうです。残った合わせだしは冷蔵で2~3日、冷凍で約2週間保存出来るとのこと。料理においしく使えるので、多く出来ても問題ありません♪
4. フライパンにしょうゆを入れて、弱めの中火で泡が出るまで加熱し、みりんと砂糖を加えて5分加熱します。
しょうゆ、みりん、砂糖を煮詰めた「かえししょうゆ」をカレーに加えると、蕎麦店のカレーのような和風の味になりそうですよ。加熱後は容器に移して、冷ましておきます。
【Step3 カレーを作る】
【材料】(2人分)
薄切り豚肉…200g ※今回はこま切れ肉を使用
玉ねぎ…1/2個
九条ねぎ…2本
にんにく…1/2かけ
しょうが…1/2かけ
塩…適量
サラダ油…大さじ1
ご飯…適量
(万能スパイス)
コリアンダー…小さじ8
クミン…小さじ4
ターメリック…小さじ2
カイエンペッパー…小さじ2 ※今回はチリペッパーで代用
1. 玉ねぎを薄切りに、九条ねぎを斜め薄切りに、にんにくとしょうがをみじん切りに、豚肉を食べやすい大きさに切ります。
カレーに九条ねぎを使うのが、蕎麦店風ですね。具は玉ねぎ、九条ねぎ、豚肉、にんにく、しょうがと、とてもシンプル。今回はこま切れ肉を使ったので、切らずに使うことにしました。豚肉は薄切りなら部位を問わないようなので、お好きなものをお使いくださいね。
2. ボウルにコリアンダー、クミン、ターメリック、カイエンペッパーを入れて混ぜ合わせます。
カレーのおいしさの鍵になるスパイスは、4種類をブレンドして使います。カイエンペッパーを入手出来なかったため、今回はチリペッパーで代用。そして筆者は辛い味が苦手なため、チリペッパーだけ小さじ1杯に控えました。
3. サラダ油を引いたフライパンを中火で熱し、玉ねぎに塩を振ってしっかりと炒め、にんにくとしょうがを加えたら、香りが立つまで炒めます。
玉ねぎは5分ほど炒めると、うっすら茶色くなりました。にんにくとしょうがを加えて1分ほど炒めると、香りが立ちました。
4. 火を止めて2の万能スパイスを加えます。
スパイスの香りが飛ばないように、火を止めるのがポイントです。パウダー状なので、混ぜるとスパイスが玉ねぎに絡みつきました。
5. 豚肉を加えて中火で炒めます。
豚肉を加えて中火に点火したのですが、鍋底に油分がまったくなく焦げそうな気がしたため、豚肉にもスパイスが絡む程度に1分ほどさっと炒めました。
6. 【Step2の3】で作った魚介だし(300ml)を加えて、5分加熱します。
一般的なカレーは水を加えますが、今回はかつおと昆布の合わせだしを加えます。だしとスパイスの香りが合わさり、確かに蕎麦店のカレーのような和風な香りが広がりました♪
豚肉も玉ねぎも薄切りなので、5分煮込むだけで済みますよ。
7. 【Step2の4】で作ったかえししょうゆと九条ねぎを加えて、3分煮込みます。
九条ねぎとかえししょうゆを加えます。なんだか鍋を作っている気分。
軽く混ぜて3分煮込んだらもう完成!カレー自体は煮込み時間がほぼないので、スープ感覚であっという間に作れました。
ご飯をよそったお皿に盛り付け、【Step1】で作ったかつおオイルを掛けたら完成です。
スパイス&かつお効果で和風を超えてアジアンテイストに!
カレープロデューサーのカレーマンさん直伝の「シン・お蕎麦屋さん風出汁カレー」が完成しました!とろみの付く食材が一切入っていないので、サラサラな仕上がりです。九条ねぎの葉の緑色が、蕎麦店のカレーの雰囲気を醸していますよ。
ではひと口。コリアンダーとターメリックの土っぽい香りが鼻を抜け、スパイスの風味をイキイキと感じます。そしてピリッとした辛さも。チリペッパーを小さじ1杯にしても、筆者にとっては体がシャキッ!とするような辛さ。でも、普通の方ならこれくらいが適量かも。レシピ通りに小さじ2杯を入れると、辛口に仕上がるような気がします。
スパイスの風味の奥には、かつおの力強い風味もしっかりと感じます。市販のルウで作るカレーとは全く違った一品!スパイスカレー店でいただくような、香りと旨味が際立つカレーに仕上がっていますよ。これはハマりそう♪
「シン・お蕎麦屋さん風出汁カレー」という料理名ですが、和風というよりもアジアのカレーのような本格的な味わい。モルディブやスリランカでは、かつおに似たモルディブフィッシュという魚をよく食べるそう。それを食べたことはありませんが、スリランカカレーに似ているのでは?なんて想像が膨らみます。それくらいスパイシーで本場の味を思わせるおいしさでした。
スパイスと合わせだしでカレーを作ると旨味が深い本格カレーに!
『土曜はナニする!?』で紹介されていた「シン・お蕎麦屋さん風出汁カレー」は、和風な味わいかと思いきや、アジアを感じる本格的なスパイスカレーに仕上がりました。
ベースに旨味がしっかりと効いた力強いかつおと昆布の合わせだしを使うことで、旨味を感じる日本人の味覚にぴったりなスパイスカレーに仕上がっていたと思います。筆者は辛い味が苦手なので、スパイスカレーを数回程度しか食べたことがありませんが、それでも以前食べたことがあるような…と思わせる、本格的なおいしさに感じました。
ちなみに、かつおオイルを掛けましたが、これはなくてもいいかな。カレーにほぼ油を使っていないのでコクを出すためだと思いますが、スパイスが強く香るので、かつおオイルの味がわかりませんでした。
魚介だしを取るのに時間はかかりますが、厚削りのかつお節を使うことで、花かつおでは出せないパンチのあるだしに。スパイスカレーに負けない、奥行きのあるおいしさを生み出せます。スパイスカレー店のような本格的なカレーを作れるので、おすすめです!
お時間のある時に作ってみては?海外へ行った気分になれるカレーですよ。