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地震防災に役立つ地震10秒診断!項目ごとに備えるポイントを解説

  • 2024.12.14

南海トラフ地震や首都直下地震、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震など、日本ではさまざまな大地震が予想されています。

地震はいつどこで発生するか予想が難しいため、発生直後にいかに適切な行動をとれるかが重要です。

地震による被害は地域によって異なるため、住んでいる地域や職場などで地震が発生した場合に起こりうる被害状況を把握しておく必要があります。

そこでおすすめするのが、「地震10秒診断」というサービスです。

この記事では、地震10秒診断の概要や使い方、使用時の注意点などを紹介します。

地震10秒診断の使い方

地震10秒診断は、一般社団法人 日本損害保険協会と国立研究開発法人 防災科学技術研究所が公開しているデジタルコンテンツです。

地震10秒診断のサイトにアクセスし、「現在地で診断」をクリックすると、アクセス者の位置情報をもとに、今後30年以内に震度5弱~震度7までの地震が発生する確率が表示されます。

地震が発生した際に建物の倒壊や火事が起こる可能性、ライフラインやインフラに与える影響などもわかります。

これらのシミュレーション結果から、自分の住んでいる場所で「どんな被害が起こるのか」「何に備えなければならないのか」など具体的にイメージできます。
地震10秒診断は自分の住む場所をピンポイントに診断できるため、地震への備えを自分ごととして捉えることに役立ちます。

地震10秒診断の項目と備えるポイント

ここでは、地震10秒診断の項目と備えるポイントについて解説します。

停電日数

停電日数は、地震によって電気が使えなくなると想定される日数です。
「詳しく見る」を押すと、停電が続いた場合の被害想定や備えておくべきものがわかります。

地震で停電が発生する理由は、電力インフラの被災や、電力インフラの稼働がストップすることで、需要と供給のバランスが崩れるためです。
停電期間中は家電が使えなくなるほか、停電による通信障害でインターネットが使えなくなる可能性があります。

停電が想定されている場合、懐中電灯やラジオ、保冷剤・クーラー、温度調節用の毛布、予備バッテリーなどを用意しておく必要があります。

ガス停止日数

ガス停止日数は、地震によってガスが使えなくなると想定される日数です。
「詳しく見る」を押すと、ガス停止が続いた場合の生活への影響や備えておくべきものがわかります。

ガスが停止すると、お風呂に入れない・火を使って調理ができないなどの不都合が生じます。
お風呂に入れないことを想定して体拭きシートやドライシャンプーを用意する、また火を使わなくても食べられる缶詰やレトルト食品などを備えておきましょう。

断水日数

断水日数は、地震によって水道が使えなくなると想定される日数です。
「詳しく見る」を押すと、断水が続いた場合に想定される生活への影響や備えておくべきものがわかります。

地震によって断水が発生するのは、地中に埋められている水道管の破損や損傷が原因です。水道管の工事は道路を掘削する必要があるため、道路上に倒壊した建物があると修理が進まず、断水期間も長くなります。

断水すると、自宅のシャワーやトイレが使えなくなります。断水に備えて、ポリタンクやペットボトルに生活用水や飲料水を備えておくほか、簡易トイレも用意しておきましょう。

全壊確率・出火確率

全壊確率・出火確率は、地震が発生した場合に家屋が全壊する確率と出火する確率です。
「詳しく見る」を押すと、家屋が全壊・出火した場合に想定される生活への影響や必要なものがわかります。

なお、全壊確率は1982年以降の建築物で算出されている確率であり、出火確率は冬の18時に地震が発生した場合の確率です。

地震によって家を失った場合、仮設住宅での暮らしや新しい住まいの確保が必要となります。震災後に義援金や仮設住宅などの支援はあるものの、家財の買い直しや住まいの確保など生活の再建に向けてかかる費用の全額をまかなえるわけではありません。

対策として、火災保険や地震保険の見直しも行っておきましょう。

現在地がうまく検出されない場合はどうする?

現在地がうまく検出されない場合、もしくは現在地以外の場所の被害想定を確認したい場合は、住所を入力して診断を行うこともできます。

ほかにも、震度やライフラインの復旧速度などの条件を変えて診断しなおすことも可能です。
自宅だけでなく、職場付近やよく訪れる場所など、さまざまなシチュエーションにおける備えを確認してみましょう。

地震10秒診断を使用する際の注意点

地震10秒診断の「地震の発生確率」とは、表示されている震度以上の揺れに見舞われる確率です。

例えば、【震度6強・10%】と表示されている場合、30年以内に震度6強の地震が10%の確率で発生するのではなく、震度6強以上の地震が10%の確率で発生する可能性があることを意味します。

また、確率が低く表示されたからといって油断するのも禁物です。日本では2,000以上もの活断層が見つかっていますが、地下に隠れて地表に表れていない活断層も多くあります。南海トラフ地震や首都直下地震などのように今後高い確率で発生が予想されている地震だけでなく、まだ見つかっていない活断層が大きな地震を起こす可能性があることも留意しておきましょう。

「大きな地震は今起こるかもしれない」という危機感を持ち、早め早めに備えましょう。

<執筆者プロフィル>
田頭孝志(たがしらたかし)
防災アドバイザー/気象予報士 田頭気象予報士事務所
愛媛の気象予報士・防災士。不動産会社の会員向けの防災記事、釣り雑誌にコラムの連載・特集記事の執筆、BS釣り番組でお天気コーナーを担当したほか、自治体、教育機関、企業向けに講演を多数 ・防災マニュアルの作成に参画。

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